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作成年月:2019年9月

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2019年8月度 ベトナム報告書

作成者:浅野 英治

(1) 疾病の増加

デング熱などの蚊を媒介とする疾病は、ベトナム南部から中部にかけて感染する可能性が高く、北部でもまれにデング熱に感染することがあります。ベトナムでは十分なペストコントロールができていないこともあり、都市部中心部でも蚊に刺される可能性は極めて高い状況です。

 

ベトナム北部からゲアン省などの北中部では、類鼻疽(るいびそ、Whitmore’s Disease)に感染した患者が見つかっています。デング熱などと同様に高熱が続く病気ですが、デング熱同様人から人に感染することはありません。また、ホーチミン市を中心に手足口病も流行っています。子供を中心に感染者が増加する傾向にあります。

 

ベトナム現地滞在中や日本への帰国後に高熱などが続く場合、早めに病院での診断が必要になります。ベトナム現地にも、ホーチミン市やハノイ市では日本人の医師や看護師が常駐している病院やその他外資系やローカルの病院でも日本語を話す方がいらっしゃいますので、言葉の問題で診察を受けることができないということはありません。また、旅行保険や駐在員向けの保険で、治療費をカバーすることができます。大都市以外の病院では日本語が通じることはほぼなく、医師が英語ができない場合もありますので、スマートフォンなどを持ち込み、翻訳機能や写真を検索することで、症状を伝えた方が伝わりやすいケースが多くあります。ベトナム人も英語がネイティブではないため、お互いに片言の英語で会話した場合、間違った診断がなされるケースもあります。  

 

ベトナムには日系のドラッグストアはまだなく、香港系のガーディアンなどが進出しています。また、ベトナムに進出している製薬会社はロート製薬の目薬や久光製薬のサロンパスなどであり、飲み薬を製造・販売している日系製薬企業が多くありません。日本の薬をベトナムで手に入れることは難しく、日本から必要なものを持ち込むことが必要になります。現地の治療薬は日本人にはきつく、かえって副作用の懸念もあります。日本のように薬局で薬を買って自分で治療するのではなく、上記感染症などの可能性もありますので、最初からクリニック・病院等で治療する方がよいかと思います。

 

(2) スリの増加

ベトナムでは経済成長とともにスリなどの軽犯罪は減少する傾向にありましたが、近年再度、増加する傾向にあります。外国人が多く集まるエリアだけでなく、ベトナム人がベトナム人からスリをはたらくケースも見られています。居酒屋など和食店が多くあるエリアでは、最初から日本人を狙ったスリや、女性がいきなり抱き着き、財布やスマートフォンをポケットから抜き取る手口なども見られます。  

 

現金を狙ったものが大半ですが、中には、財布の中に身分証明書や名刺などの連絡先が分かるものを入れている場合、連絡先に電話をかけ、あたかも拾ったかのように見せかけ、お礼として、財布の中に入っていた現金以上の金額を要求するケースも見られます。  

 

ベトナムでのスリの場合、ナイフを突きつけて奪い去るなどの凶悪な手口はほとんど見られません。財布を鞄の内側のファスナーのある所など奥深くに入れる、あるいは、鞄をたすき掛けにするなどの対応で、かなりのスリを防ぐことができます。また、バイクの二人乗りで後ろに乗った者が手を伸ばして奪い去るケースも多く、歩道を歩く際には、車道側ではなく建物側を歩くなどの対策も有効です。ホテルの一部でもスリなどもあり、貴重品は、厳重に管理して持ち歩くか、ホテルのセイフティーボックスに収納しておくなどの対策が必要です。

 

(3) M&Aの場合の送金方法の変更

ベトナム国内の外資系企業を買収する場合、ベトナム国内に非居住者口座を開設し、海外→ベトナム→海外の流れで送金するか、海外で直接することができるのか、明確ではありませんでした。例えば、ベトナムにある日系企業の子会社を日系企業が買収する場合でも、日本国内での送金ではなく、一度ベトナム国内を経由させるか、直接日本で送金することができるのか明確ではありませんでした。  

 

2019年9月から、このルールが改正されることとなり、送金方法は以下の3つの方法が明記されました。

 

@ ベトナム国内を通じた方法

A ベトナム国内の売却企業(ベトナム現地法人)の口座を経由させる方法

B 直接海外で送金する方法

 

現在のところ、Bの方法が可能になるかは明確になっていませんが、譲渡税を管理する目的で、ベトナム国内を経由させる@かAの方法が求められそうです。

 

 

以 上


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