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ベトナム

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作成年月:2019年3月

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2019年2月度 ベトナム報告書

作成者:浅野 栄治

(1)ベトナムでの水産養殖業

2017年のベトナムにおける水産物の生産量は、約700万トンであり、そのうち、漁獲によるものが約300万トン、養殖によるものが約380万トンとなっており、養殖は対前年比5.3%増加している。ベトナムの水産物の生産では、白身魚であるパンガシウスが約130万トン、次いで、エビが約75万トンと上位を占めている。また、2017年のベトナムの水産物の輸出額は過去最高の83億ドルとなっている。 養殖が拡大しているのは、養殖面積の拡大が主な要因だが、なかでも、パンガシウスや汽水域で飼育されているエビの生産拡大による影響が大きい。エビ全体の養殖面積は、2017年には70万5,900ヘクタールであり、そのうち、ブラックタイガーが59万5,800ヘクタール(前年比 1.3%増)、ホワイトえび11万1,000ヘクタール(前年比10.1%増)となっている。なお、エビの養殖量は70万1,000トン(前年同期比 8.9%増)となっており、そのうち、ブラックタイガー27万500トン、ホワイトエビ43万500トンとなっている。  従来のこうしたエビや魚の養殖に加え、近年盛んになってきているのが、海ブドウやモズクなどの海藻類や真珠の養殖である。エビや魚、海藻類は主に日本や欧米諸国への輸出を伸ばしており、そのため、生産量が増加している。他方で、真珠は輸出もあるが、ベトナム国内の所得水準向上により国内での消費や、中国や韓国などからの観光客による購入が消費と生産を伸ばしている要因である。  ベトナムは半面を海に囲まれているが、その中でも特に、南部に位置するフーコック島は真珠の養殖が盛んであり、島内のいたるところに真珠の養殖場や販売店がみられる。真珠の核入れも当たり前のように行われており、海外からの技術導入・指導により、こうした真珠の養殖が産業として成り立つようになっている。

 

 

(2)ベトナムの観光客

2018年の海外からの観光客は1,560万人と対前年比270万人の増加と驚異的な増加を達成している。また、ベトナム国内の観光客も680万人増の8,000万人となっており、同様に高い成長を達成している。最も観光客が多いのはホーチミン市で3,650万人であり、そのうち海外からの観光客が750万人、ベトナム国内の観光客が2,900万人だった。次いでハノイで、海外からが550万人、ベトナム国内の観光客が2,250万人であった。急速に開発の進むハロン湾を有するベトナム東北部のクアンニン省では、530万人の海外からの観光客を受け入れ、ベトナム国内からの720万人に匹敵する数字となっている。これは、クアンニン省にて、ホテルやリゾートの開発が進んだこと、ハノイ市からハイフォン市を経由して高速道路が伸び、また、新たな空港が開設されアクセスが容易になったことがあげられる。クアンニン省は北側で中国と接しており、カジノなどを目当てとした中国人観光客が大幅に増加している。また、中部のダナン市も合計で770万人の観光客を受け入れている。日本だけでなく、韓国からのフライトが大幅に増加したため、韓国人観光客が多くみられるのもダナンの特徴である。  ベトナム観光総局によれば、ベトナムの2018年の観光収入は620兆VND(約3兆円)と前年比109兆VND(約5,200億円)の増加となっている。今後もベトナムの観光客は大幅に拡大する見通しであり、2019年の観光客は1億300万人に達し、従来の目標であった2020年に1億人を1年前倒しで達成する見通しである。  また、従来のホーチミン、ハノイ、ダナンだけでなく、ビーチリゾートして、中南部のニャチャンやカムラン、南部のフーコック島も注目を集めており、カムラン空港やフーコック空港へは日本からの直行便はないものの、中国、韓国や東南アジア各国からの直行便に加え、欧州・ロシアからも多数のチャーター便が運航されており、冬の間の避寒地として人気が出ている。  こうした観光客の急増にインフラ整備が追い付いていないのも現実である。ダナン空港やフーコック空港など新たな空港ターミナルも続々と整備されているが、最も利用客が多いホーチミン市のタンソンニャット空港では、慢性的に混雑しており、手荷物検査場に並ぶ人の列がターミナルの外まで伸びていることもしばしばみられており、日に日に混雑は激しくなっている。ホーチミン市郊外ドンナイ省に建設が予定されているロンタン新空港やタンソンニャット空港の拡張にはまだ当面時間がかかる見通しであり、混雑緩和が当面の課題になりそうである。

 

 

以 上


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