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ベトナム

作成年月:2019年1月

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2018年12月度 ベトナム報告書

作成者:浅野 栄治

(1) ベトナムでの不動産市場

ハノイやホーチミンなどの大都市部での不動産開発は、その勢いを増す状況にある。中間所得層の拡大に伴い、100平米前後、日本円で1,000万円前後のマンションが次々に販売と同時に売れていく状況にある。2015年7月に外国人による不動産購入が解禁され、外国人オーナーによる不動産投資も増加している。ハノイ市西部や南部、ホーチミン市の東部などで開発が続いており、これらの地域はこれまで水田や湿地帯などの広がっていた地域であり、今後も、拡大の余地はある。

過去20年間で最も開発の進んだエリアがハノイ市西部であるだろう。水田が広がりアヒルが歩いていたような地域に高層マンションが林立するようになった。ベトナムでもっとも開発が進んだというより、東南アジアの中で最も開発が進んだといってもよいだろう。

 

 

ただ、マンション開発が進むにつれて地域人口が急激に増加しており、通勤時間帯の道路渋滞が激しくなっており、地域によっては、1qを30分程度かかるなど、動かなくなってしまうケースも見られるようになってきている。道路の拡張や立体交差工事、あるいは地下鉄などの鉄道建設も進んでいるが、人口増加による渋滞発生に道路改良が追い付いていない状況であり、今後、ますます渋滞悪化が懸念される。

また、建設過多との見方もあり、一部の完成したマンションでは、入居率の極めて悪い物件も出始めており、交通の不便な地域や、上記のように渋滞が慢性化する地域での販売に陰りが見える可能性もある。

(2) ベトナムにおける不動産建設事情

ハノイ市やホーチミン市内では途中で建設が中断し、そのまま放置されている物件を数多くある。これらは建設資金のめどがつかないまま着工し、資金が途絶えた段階で建設が中断され、そのまま放置されていることがある。あるいは、各種承認を取得せず、見切り発車で建設を始めてしまい、違法建築として中断に追い込まれている物件もある。

 

 

ビングループや外資系などの大手が開発する場合はこうした中断に至るケースはほとんど見られない。大手地場建設会社であるコテコン社などに建設を依頼するケースが一般的である。他方、中堅の地場不動産会社などが開発する物件では、資金や何らかの問題を抱え、中断に至っているケースが多い。

大手不動産グループは、資金も潤沢であり、建設会社からの与信供与もあり、大型案件を次々と着工完成させている。他方で、中堅不動産グループは、資金力に乏しくまた建設会社などからの与信供与も少ないため、自社グループ内に建設会社を立ち上げ、自社グループで開発するケースが多い。このため、与信供与も少なく資金も限られることや、許認可を取得する前にデポジットを受け取るなどの違法行為をせざるを得ない状況に追い込まれ、結果として資金不足や法令違反によって、プロジェクトが停止し、大都市部に数々の途中で中断された物件が増加することとなっている。

 

こうした中断している案件はプロジェクトを再開するために、外国企業からの投資を期待し、不動産ブローカーやファンドなどを通じて、日系企業にも持ち込まれている。

しかし、上記のように、違法であったり、与信力に乏しいなどの問題から、日系企業が投資に耐えうる物件は数が限られているのが現状である。

 

以 上


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