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ベトナム

2012年11月5日

海外情報プラス

2012年 10月度、AABCベトナム経済情報

株式会社 会川アジアビジネス研究所

海外への資本譲渡の活動に対する 法人税(CIT)
(2012年10月1日付、KMCニュースより)

2012 年 9 月 21 日付、ドンナイ省税務局のオフィシャルレター・第 5048/CT-TTHT 号によると、資本譲渡をする ベトナム法人の投資家であるA社が ベトナムの投資法、企業法に則って活動していない外国企業であるB 社に資本譲渡する際に、A 社はB社の代わりに外国企業の資本譲渡活動による CIT を申告し、納税する責任を負うことになる。

譲渡契約書上で、譲渡価格が規定されていない、もしくは譲渡価格が市場価格に符合していない場合、税務機関が検査し譲渡価格を調整する権限を持つ。

経営目的ではない個人への給与に対する損金算入費用
(2012年10月1日付、KMCニュースより)

2012 年 9 月 19 日付、ビンズン省税務局のオフィシャルレター・第 9674/CT-TT&HT 号によると、経営目的ではない個人が、会社の生産経営活動のために専門・技術に関するコンサルティング・サービスを提供する場合、そのコンサルティング料は CIT 課税所得を確定する際に、損金算入費用に計上することができる。その根拠として、会社は個人と業務契約書を締結し、双方の署名がある支払伝票を添付しなければならない。同時に、会社は規定の通りに PIT を源泉徴収する責任を負う。

外国人専門家の出張費に対する個人所得税(PIT)
(2012年10月1日付、KMCニュースより)

2012 年 9 月 25 日付、ドンナイ省税務局のオフィシャルレター・第 5075/CT-TTHT 号に、以下のように回答される。
ベトナムにおける A 社は、技術支援及び訓練サービスを提供するために、外国における B 社(ベトナムに拠点を持たない)と契約書を締結する。上記サービスを行うため、外国側は専門家を来越させる際にA 社がこの専門家へ航空券やホテル代を支払う場合、A 社は外国人専門家に支払った費用に対する PIT を申告し納税しなければならない。

遠隔地よりの研修サービスに対する外国契約者税(FCT)
(2012年10月1日付、KMCニュースより)

  2012 年 9 月 28 日付、バリア・ヴンタオ省税務局のオフィシャルレター・第 10055/CT-TTHT 号によると、以下のように回答される。
会社は自社の従業員へのマネジメントスキルだけではなく、会社の活動に関するその他の特殊なスキルを向上させるための研修につき、外国契約者と契約書を締結する。その研修がメディアや通信機器を通じて行われ研修される側が海外へ渡航しない場合、この研修形式はオンライン研修と認定され、通達・ 第60/2012/TT-BTC 号に則った FCT 対象になる。

輸出加工企業(EPE)に関する規定
(2012年10月1日付、KMCニュースより)

*EPEの輸出入権について
  2012 年 9 月 17 日付、税関総局のオフィシャルレター・第 4887/TCHQ-GSQL 号によると、EPE である会社が輸出権、輸入権、販売権の実施を許可された場合、国内へ直接に販売せず(投資許可書での事業内容の通りに生産、加工の過程を経ていないため)生産原料として、他の EPE に販売するために海外から商品を輸入した場合、投資許可書に記載されている HS コードに従って輸出権のみを実施することができる。

* EPE に対する税関申告について
  2012 年 9 月 13 日付、ビンズン省税務総局のオフィシャルレター・第 9430/CT-TTHT 号によると、以下のように回答さる。
EPE である会社は、国内における顧客や供給側との取引は輸出入と見做される。会社は国内における供給側の商品、資料・部品を購入する際に、電子手段を通じてサービス・ソフトウェアの輸入、工事建設・設置、及び電気、水道、文房具、EPE への日常生活のための食品、消費財(労働者保護ための制服、帽子、靴、ブーツ、手袋も含む)等の商品を提供する場合を除いて、規定の通りに税関申告書を作成しなければならない。商品価値が少なくなるので、供給側は税関申告書を作成せずに 10%の税率として VAT 領収書を発行した場合、控除できないその仕入 VAT について、会社は CIT 課税所得を確定する際に損金算入費用に計上することができる。

*VAT 領収書で記載される通貨について
  2012 年 9 月 13 日付、ビンズン省税務局のオフィシャルレター・第 9400/CT-TT&HT 号によると、以下のように回答される。
EPE である会社が輸出加工区の外にある企業向けに商品・サービス販売契約書を締結し、外貨或いはベトナムドンにて商品価値、金融機関に開設された口座を通じて支払を受取るとように規定されている場合、会社は領収書を作成する際に契約書で規定された通貨を表示しなければならない。規定に従わずに領収書を作成する場合、代わりに他の領収書を作成しなければならない。外貨による売買を法的に許可された輸出加工区の外にある企業が供給するサービス、商品売買契約につき、契約書の規定によって外貨で精算をした場合でも、供給側はその外貨に相当する価値のベトナムドンで領収書を作成しなければならない。外貨による売買を法的に許可されていない企業との商品売買契約につき、精算はベトナムドンで行なわれ、供給側もベトナムドンで表記された領収書を作成しなければならない。ベトナムドンで精算がされても領収書が外貨で記載されている場合は、規定に則していないことになり、そのため法人税を確定する際の経費とすることができなくなる。

投資許可書をすでに所持している 外資企業の加工活動について
(2012年10月1日付、KMCニュースより)

計画投資局の 2012 年8月 30 日付オフィシャルレター・第 6565/BKHDT-QLKKT 号によると、外資企業(FDI)で、投資許可書もしくは投資証明書に規定されている項目に符号する商品を企業の権利として再加工する企業は、すでに発給された投資許可書もしくは投資証明書にあえて加工活動項目を追記する必要はない。

外資系企業のベトナムへの普通教育機関への投資が可能に
(2012年10月2日付、TUOI TRE新聞より)

9月26日に政府は海外から教育分野に協力投資について規定した政令73号/2012/ND-CPを公布した。本政令は11月15日に施行される。

本政令以前に、海外投資家による幼稚園・普通教育機関向け投資が認められていたが、収容対象は在ベトナムの外国人に限定されていた。なお、ハノイ市とホーチミン市では試験的に設立された合弁出資の高校が数校あり、そこではベトナム人学生の収容は許可されていた。

WTO加盟後2009年1月1日以降、ベトナムは海外投資家によるベトナムの短・大教育機関への投資が認められていたが、普通教育機関への投資がまだ認められなかった。新政令では、海外投資家によるベトナムの普通教育機関(小・中・高校)への投資を許可したので、より広範な規定だと認定された。設立が認められる外資系の教育機関は具体的に次の5つの形式がある。

◇短期型育成・養成機関、◇外国の幼児教育プログラムを提供する幼稚園・保育園、◇外国の教育プログラムを提供する普通教育機関(小・中・高校)、◇職業訓練機関、◇大学教育機関。

但し、外資系教育機関は学生人数、学校の面積、資本金などの条件を満たさなければならない。具体的に下記の条件の通りである。

学生の受入人数には、外資系の普通教育機関はベトナム人学生の受け入れが認められるようになったが、ベトナム人学生の受入人数は、小中学校が全校生徒の10%以下、高校は同20%以下に制限される。

資本金には、外資系教育機関を設立するためには、在籍者1人に対する投資額(土地使用料含まず)として、以下の基準をクリアしなければならない。

 

◇幼稚園:3000万ドン(約11万3200円)

◇小・中・高校:5000万ドン(約18万9000円) 最低投資総額:500億ドン(約1億9000万円)

◇短期型育成・養成機関:2000万ドン(約7万5500円)

◇人材育成センター:6000万ドン(約22万6400円)

◇職業訓練校:1億ドン(約37万8000円) 最低投資総額:1000億ドン(約3億7800万円)

◇大学:1億5000万ドン(約57万円) 最低投資総額:3000億ドン(約11億3300万円)

その上、大学の平均面積が一人当たり25uで規定されている。

尚、本政令に教育連携形式や海外教育機関の駐在員事務所の設立に関する規定も定めた。

注)外資企業一般に対するWTOによる市場開放ロードマップは上記発表の通りだが、日本企業に対しては2003年の日越投資保護協定によりベトナム企業と同様の内国待遇が与えられており、上記教育事業に残る規制の詳細を内国待遇条件で確認する必要がある。

今年の給与上昇率がインフレ率を上周る
(2012年10月4日付、TUOI TRE新聞より)

米コンサルティング大手マーサーとベトナムのタレントネットのベトナムの給与動向調査2012 年版によると、2012年の給与上昇率はインフレ率を上回った。

この調査は、ベトナムにおける国内企業と外資系企業合わせて371社の社員約12万人を対象に実施され前回よりなお一層綿密な調査として発表された。
  タレントネット社の給与・人材コンサルティングのホア・グエン氏によると、今年の平均給与上昇率は13%で、同年のインフレ率見通しの9.5%を上回っている。具体的に国内企 業の給与上昇率は13.3%で、外資系企業は13.0%だと言う。
  又、外資系企業の各産業間の給与額の格差に関して、最高給与額の業界は銀行と石油業界だが、最低給与額の業界は製造、運搬、ロジスティック分野だと言う。
  尚、各産業の給与上昇率に関しては、最低給与額分野である製造業は給与上昇率が13.7%で一番高かった。次は薬品産業・化学産業が13.5%、金融業界(アセットマネージメン・コンサルティング・財政)が11.3%だと報じられた。
  本調査の別な分析結果では、国内企業の給与上昇率は部長クラスが16.9%、他専門クラスが13.2%だったが、外資系企業で各クラスの給与上昇率の格差は小さかった。一般ワーカーのみで給与上昇率が他クラスよりは多少高かったと分析された。
  一般社員クラスの給与は外資系企業が国内企業より19%高く、専門家クラスでは25%、部長クラスでは30%と格差がさらに広がっているという。ただし、国内企業は賞与の金額が高いため、給与と賞与を含む年収の比較では国内企業と外資系企業の格差はそれほど大きくはならないという。多くの国内企業が外資系企業より優秀な人材を誘致・確保するため、給与以外での待遇を手厚くする傾向にあるという。

ホーチミン市が有害廃棄物処理の3工場への投資を呼びかけ
(2012年10月10日付、SAIGON TIMES新聞より)

10月10日に開催した「ホーチミン市での固形廃棄物処理案件へ投資を呼びかけ」についての会議で、ホーチミン市人民委員会の副委員長グエン・ヒウ・チン氏はダ−・フォックコミュ−ン、ビンチャン県及びフォック・ヒェップコミュ−ン、クチ県における有害廃棄物処理の3工場への投資を呼びかける方針を認めたと同市の資源環境局の専門家が発表した。

この案件は本年に実施される場合、2014年〜2015年に当市は1日当たりの処理能力500トン〜800トンの有害廃棄物処理の3工場及び1日当たりの処理能力100トン有害廃棄物の埋立地があると予想される。

同市資源環境局の管理者によると、ホーチミン市に毎日、有害廃棄物重量が250トン〜350トン、産業固形廃棄物重量が2000トン排出され、有害廃棄物重量は毎年10%上昇すると予想される。従って、同市は今後、埋立地の減少及び、リサイクルと最新技術処理方法がある有害廃棄物処理案件への投資を優先に呼びかけている。

同市資源環境局によれば、毎日の有害廃棄物は11工業団地、1ハイテクパーク、3輸出加工区、10工業区にある2000大手製造企業と9000中小企業から排出されている。同市は現在、有害廃棄物の集中処理地域がまだ整備されていないと共に、有害廃棄物処理業者は13社あるが、一日当たり100トンの処理しか出来ないという。

有害廃棄物用埋立地が未だ完全に整備されないので、上記の有害廃棄物工場で徹底的に処理していないかつ、積み重ねた固形化有害廃棄物、灰、スラグが将来の潜在的な汚染源になる恐れがある。

労働争議件数の減少 (2012年10月20日付、TUOI TRE新聞より)

ホーチミン市労働傷病兵社会福祉局はホーチミン市に労使関係の実情を公表した。これによると、年初から今日まで労働争議件数は88件で、争議参加者は約4万9千人、2011年同期に比べ102件減少した。
  外資系企業で発生した労働争議件数は53件だったが、国内企業での件数は35件だけだった。労働争議の発生原因としては、労働者は昇給、手当、食事改善を要請すると共に企業は給料、社会保険料を払わないことも労働争議の原因の一つだった。
  ホーチミン市労働傷病兵社会福祉局は、不景気で企業は求人を削減したので労働者は何とか現在の企業で引き続き働く希望があった。そのうえ、2011年に地域別最低賃金引き上げは2回(2011年1月1日と2011年10月1日)あり、クチ、ニャーベー、ホクモン、ビンチャン各区での地域別最低賃金の調整もあったことは労働争議減少の理由の一つだと指摘されている。
  給与や賞与の不払いを抑えるために、同局はこれから年末までに企業の旧正月前の給料、賞与支払い状況の把握を強化し、特に労働争議が度重なり発生した企業を特に監視すると発表している。

以 上 

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