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ベトナム

2011年12月5日

海外情報プラス

ベトナムレポート
2011年 10月度、AABCベトナム政治・経済情報

医療保険における行政違反処罰
(2011年11月1日付、KMCニュースより)

? 2011 年 10 月 17 日、政府は医療保険における行政違反処罰に関する政令・第 92/2011/ND-CP 号を以下の通り公布した。
医療保険に加入する責任を持つ全ての労働者のために同保険金を納付しない企業は、以下のように罰金を科せられる。
*1 人から10 人までの労働者に対しての違反の場合、500,000 ベトナムドンから 1,000,000 ベトナムドンまでの罰金
* 労働者の 11 人から 50 人までの労働者に対しての違反の場合、1,000,000 ベトナムドンから5,000,000 ベトナムドンまでの罰金
*労働者の101 人から500 人までの労働者に対しての違反の場合、5,000,000 ベトナムドンから10,000,000 ベトナムドンまでの罰金
*労働者の 501 人から 1,000 人までの労働者に対しての違反の場合、15,000,000 ベトナムドンから20,000,000 ベトナムドンまでの罰金
*労働者の 1,001 人以上の労働者に対しての違反の場合、20,000,000 ベトナムドンから30,000,000 ベトナムドンまでの罰金

  また、違反した企業は、以下のような改善措置が適用される。
  規定に従って、@医療保険に加入する責任を持つ労働者のすべてに係る医療保険金を強制的に納付すること、A医療保険に加入する対象者が自身で支払った治療費を強制的に返済すること、B医療保険基金の口座へ未納金と遅延金の利息を強制的に納めること。
  雇用主が、医療保険に加入する責任を持つ労働者の人数に不足する医療保険金の納付行為に対しては、労働者1 人当たり300,000 ベトナムドンから1,000,000 ベトナムドンまでの罰金が科せられる。 この政令は2011 年12 月1 日より実施される。

2011 年 10 月 5 日付のホーチミン市社会保険機関のオフィシャルレター・第3039/BHXH-THU 号の実施案内
(2011年11月1日付、KMCニュースより)

 a)  2011 年 10 月 1 日より、雇用主が規定する給与体系で就労する労働者に対する社会保険・医療保険の納付額に関し、基礎となる給与・賃金は、以下の通りである。
* ホーチミン市の各区、クチー 県、ホックモン県、ビンチャン 県、ニャベー 県における企業に対しての最低賃金は、2,000,000 ベトナムドン/月(単純労働)及び 2,140,000 ベトナムドン/月(教育を受けた者)
*ホーチミン市の カンジョー 県における企業に対しては、1,780,000 ベトナムドン/月(単純労働)及び 1,904,600 ベトナムドン/月(教育を受けた者)
 b)  ホーチミン市における事務所もしくは本社と労働契約を締結したが、その他の地域で就労している労働者は、労働契約で記した就労場所の地域最低賃金が適用される。
 c)  3 ヶ月以上の期間、もしくは期間を定めない労働契約書上で試用期間を明記した場合は、雇用主は労働者のために試用期間に応じて強制的に社会保険に加入しなければならない。もし、試用期間とは別に試用契約で合意する場合は、試用期間終了後、正式な労働契約のみに応じて社会保険、医療保険、失業保険に加入する。
 d)  2011 年10 月1 日より、すべての支払遅延の場合に対して、雇用主は、社会保険・医療保険料の追徴を行わなければならない。例えば、2011 年5 月から労働契約を締結し、2011年10 月までに労働増加を報告する場合、雇用主は、2011 年5 月から9 月までの追徴、及び支払遅延の利息が課せられる。追徴の書類と手続きは、「書類リスト・第103 号」及び「社会保険・医療保険・失業保険の支払遅延の利息計算表」(オフィシャルレター・第3039/BHXH-THU 号を添付するもの)の通りに実施される。

ホーチミン市人民委員会はメトロ1号線案件の指導委員会を設立
(2011年11月4日付、DVTより)

 ホーチミン市人民委員会はメトロ1号線(ベンタン−ソイティェン)プロジェクトの指導委員会を設立した。指導委員会は26名おり、同市人民委員長であるレー・ホアン・クアン氏が指導委員長として選ばれた。
 指導委員会は、同市人民委員会に本案件に関する業務を援助・コンサルティングする責任がある。具体的には、▽案件実施指導、▽案件実施進捗のフォロー、▽交通費・鉄道運営開発・建設計画・関連規定のコンサルティング、▽交通運輸企画通りの都市内鉄道ネットワークの研究・開発−−である。
  また、同鉄道案件の投資総額を当初の計画から約30兆ドン(約1079億円)引き上げて、47兆3252億ドン(約1702億円)とすることを承認した。
  同案件には日本国際協力銀行(JBIC)が融資しており、2006年に同市人民委員会によって実施が承認された。当初の総工費は10億9000万ドル(約834億円)だったが、案件の一部が変更されたことによる建設資材のコスト増に加え、為替変動の影響もあり、増資が必要と判断された。これに伴い、入札計画も変更される。
  メトロ1号線は全長19.7キロメートルで、2.6キロメートル(ベンタイン〜バーソン間)の地下部分と17.1キロメートル(バーソン〜ロンビン間)の地上部分から成る。現在、9区、ビンタイン区、1区での土地収用作業がほぼ完了しているが、その他の地区では立ち退きが進んでいない状況。また電力、水道、通信といったインフラの整備も必要な手続きを終えて実施に入ったばかりで、進捗は当初の計画より2年ほど遅れている。
 同プロジェクト完成時期は2017年、操業開始が2018年の見込み。
メトロ一号線はホーチミン市内1区から トゥ・ドゥック区まで接し、1区、ビンタイン区、9区、 トゥ・ドゥック区を渡る。
 また、上記のベンタイン、バーソン、ロンビンは所の名前で、その内、ベンタインとバーソンは1区にあり、ロンビンはトゥ・ドゥック区にある。

輸出農水産物審査基準整備のために日本政府が3億5千万円供与
(2011年11月8日付、労働新聞より)

 日本国際協力機構(JICA)は、日本向け輸出農水産物による食中毒事故が発生しないようにベトナムの農水産物安全審査体制の向上のために支援する。
 現在ベトナムでは食中毒事故が頻発しているとともに、一部の輸出農水産物の品質と安全性の問題からベトナムに送り返されるか、或いは破棄される事件が顕著である。
 係る問題を解決するため、日本国際協力機構(JICA)とベトナム農業農村開発省(MARD)は、ハノイで8日、ベトナムにおける農水産物の生産体制及び運営能力向上プログラム向けの協力協定を締結した。このプロジェクトは2011年〜2014年にかけて実施され、投資総額は3億5千万円で、資金は日本のODAを原資としている。
 日本国際協力機構(JICA)の遠藤氏は、「ベトナムは食品安全のための審査体制を持ってはいるが、実施能力がより改善されるべきである。ベトナムの農水産物安全検査機構は科学的・総合的に未だ一定の水準に至っていない。試験室にはマイクロ検査機などの正確な検査機が整備されていないため、対象食品と検査項目が限られている。そして、各試験室の検査結果は安定していない」と語った。
 ベトナムの農業農村開発省に付属する農林水産品質管理局のグエン・ヌー・ティェプ局長によると、このプロジェクトで日本は、農林水産品質検査局試験室での農水産物審査能力向上、審査技術の提供、審査体制の改善、検査官の検査能力向上などの分野でベトナムを支援する。

ITなどの技術や必要なスキルが不足しているベトナム人労働者
(2011年11月8日付、ICT Newsより)

 ベトナムは、組立用の一般ワーカーは多いが、ハイテクノロジーな機械を稼動するためのITなどの技術知識がある労働者が不足している状況である。
 この警告は、労働傷病兵社会省の社会労働科学研究所及び米国の大手総合人材サービス会社であるマンパワーグループの協力で調査された「労働者の技能向上:ベトナム経済発展への原動力」と言う報告にて8日に発表された。
 本報告は、企業1000社を対象に調査が行われた結果である。
調査対象となった企業の4分の1は「ベトナム人労働者がITなどの技術知識や創造性が欠けている」、5分の1の企業は「ベトナム人労働者が新しい技術に対する適応能力が低い」、3分の1の企業は「必要なスキルを有する労働者を確保出来なかった」、5分の2の企業は「企業の社長はベトナム人労働者を採用する問題を直面している」とのアンケートに対し回答した。
 本報告によると、生産能力を向上するためのハイテクノロジーを使用する企業が増え、ITなどの技術がある労働者不足の原因になっている。
 必要なスキルを有する労働者の不足に関して、社会労働科学研究所のグエン・バー・ゴック副院長は、「ベトナムの大学・短期大学・専門学校での教育カリキュラムは必要なスキルの科目が少なく、大まかな内容の科目が多い。従って、ベトナムは多くの失業者がいる一方、企業は、が求人条件に応えうる労働者を確保出来ない」と指摘した。
 マンパワーグループの会長は、「ベトナムは現在、労働力市場において世界との激しい競争に晒されている。この状況下において、労働者の質はベトナムの市場競争力および経済成長力に密接に関わってくる。したがって、ベトナム企業は人材の品質を高めるために人材育成戦略を見直すほか、作業環境を改善し、労働者の技能を向上させる必要がある」との見方を示している。

病欠給付制度について
(労働・傷病兵・社会福祉省政令より、2008年ジェトロ翻訳版を最新政令により更新)

 病気及び事故により勤務を休む必要のある労働者は、定められた医療組織による証明書があれば、病欠給付制度を享受することができる。ただし、自ら健康を害した場合、酒酔又は麻薬使用による休暇取得については、病欠給付の支払は行われない。給付金額は、勤務を休む前月に社会保険料の計算根拠となった給与の75%となる。日割り計算は、1ヶ月を26日として計算する。
 通常の条件における労働者の場合、病欠給付制度を享受できる期間は以下の通り。
*)社会保険料の納付期間が15年未満の場合、年間30日まで。
*)社会保険料の納付期間が15年以上30年未満の場合、年間40日まで。
*)社会保険料の納付期間が30年以上の場合、年間50日まで。
 労働傷病兵社会問題省が別途定める重労働、有害労働、及び、0.7以上の地域手当係数(注)が適用される地域の労働に従事する労働者の場合、病欠給付制度を享受できる期間は以下の通り。
*)社会保険料の納付期間が15年未満の場合、年間40日まで。
*)社会保険料の納付期間が15年以上30年未満の場合、年間50日まで。
*)社会保険料の納付期間が30年以上の場合、年間60日まで。
 保険省が定める長期治療を必要とする病気の場合は、社会保険料の納付期間にかかわらず年間180日まで病欠給付制度の享受が可能である。180日を経てもなお治療を必要とする場合、社会保険料の納付期間が30年以上であれば給与の70%、30年未満であれば65%の給付を受け続けることができる。
 7歳未満の第1子及び第2子(婚姻及び家族法に基づく養子を含む)が病気で、子供の看病を行うために勤務を休む必要がある場合(医療機関から指示を受けた場合)も、病欠給付制度を享受することができる。この場合に病欠給付制度を享受できる期間は以下の通りとなる。
*)3歳未満の子供の場合、年間20日まで。
*)3歳以上7歳未満の子供の場合、年間15日まで。
 また、避妊器具を使用する又は中絶手術を受ける女性労働者、避妊手術を受ける男性労働者に対しても病欠給付制度が適用される。

以 上

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