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ベトナム

2010年9月

海外情報プラス

ベトナム南部投資環境改善運動

 ベトナムの外資企業、特に日系進出企業のベトナムにおける投資環境の改善運動は小泉・カイ日越両首相の提唱による2003年の第1回日越共同イニシアティブを皮切りに、すでに3期・7年間にわたって日越官民の努力により拡大継続されている。

 日越共同イニシアティブ活動とは別に、ベトナム南部では毎年ホーチミン日本商工会とホーチミン市人民委員会との間でより具体的な南部投資環境の問題点としての事案・改善案の討議が熱心に行われ、またそのフォローアップとしての会議も繰り返し行われている。

 今年のホーチミン市でのラウンドテーブルは8月27日に開催され、熱心な討論が行われた。ホーチミン日本商工会事務局長の西田昌弘氏に伺った討議内容は、下記のとおりでる。

  1. タクシーの乗車拒否及びマナーの悪さ
  2. 具体例: 1)A社社員が乗車した際、本来であれば5ドルの距離であるにもかかわらず、いきなり8ドルと記載された紙を提示された。
    2)B社社員は、運転手がメーターを壊す場面に遭遇し、法外な料金を要求された。
    事 由: 空港−市内の距離が短く収入が少ない、乗り入れタクシーが限定されている、言葉の問題、チケット制の不明確さなど。
    改善策: 下記の方法などを検討し、運転手に対する牽制機能強化を依頼する。
    1)一定基準を設け、乗り入れタクシーを増やす。運転手の英語力を強化する。
    2)完全メーター制の実施または行き先別料金体系を導入する。係員が整列乗車へ誘導する。
    3)空港ゲート費用(5,000ドン)の負担を明確にする。
    4)問題があった場合の連絡先を明示するお客様カードの導入、行き先の確認等を徹底する。

  3. 渋滞の頻発
  4. 事 由: 運転マナーの悪さ、駐車違反、信号機不足・故障・停電による作動停止、道路整備など。
    改善策: 1)交通マナー啓蒙ビデオの制作。罰金強化。駐輪・駐車場の整備。
    2)停電による信号機作動停止に関し、近隣住民からの通報システムを構築し、交通警官またはボランティアによる交通整理の早期対応を促す。
    3)中央分離帯の設置による車線区分け。

  5. 流通業に対する販売拠点認可の迅速・簡素・透明化の推進
  6. 事 由: 本件は販売地域固有の判断によるものであり、中央政府の承認を必要としないと考える。 また、ENTの細則が策定されていないが、現状はどうなっているか。

  7. 不適法ストライキに対する対応の明確化
  8. 事 由: タスクフォースは設置されているが、実際の行動規範がないため、ストライキ解決に向けての意味をなさない。タスクフォースへの対応方法の周知徹底を依頼する。

  9. 市のインフラ事業に対する情報公開の徹底
  10. 事 由: 現在、ホーチミン市での日系企業の投資金額はそう大きくはない。今後、これを改善する意味でも、ホーチミン市における水道事業等のインフラ事業に関しては、情報提供を徹底するよう依頼する。 また、日系企業側の投資活動に対して、改善すべき点など要望を聞く。

  11. 盗難の増加
  12. 事 由: 1)2010年2月28日午前7時10分、パステルホテル周辺で、A社社員がバイクに乗った男女2人組みにゆすられ、現金を盗まれた。
    2)2010年5月3日午後11時レタントン通りでB社社員が男女2人組のスリに遭い、現金10万円入りの財布を盗まれた。
    改善策: 警官を増員して監視体制を強化する。街灯の設置を増やす。

  13. 事務手続きの煩雑さ
  14. 事 由: 通関では電子システムを導入しているが、担当者が処理に不慣れなために「書類」での提出が増加し、対応に苦労している。
    改善策: 担当官の研修徹底を依頼する一方、現在の研修内容及びそれらの進捗状況に関する情報の提供も依頼する。

 その他、電力不足の解消及び計画停電の正確性向上、インタネット回線の高速化、ドル不足問題の解消などについて討議がなされた。毎年のラウンドテーブルは、日系企業及びその駐在員の日々の事業活動を通したベトナムの直近の問題点及び行政側の対策が身近に感じられ、非常に意義のある報告となっている。

(ベトナムOVTA協力員)

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