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タイ

作成年月日:2014年4月

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タイ国情報2014年3月

−タイの産業高度化と日系企業の人材育成について−

1. 日系企業のエンジニア採用と育成の課題

2. タイ周辺国の技術向上とタイ企業の活用について

3. 政治の混迷による経済成長の鈍化と電力使用量、失業率について

4. アジア域内での日本語人材の育成について

1. 日系企業のエンジニア採用と育成の課題

3/8日系の冷蔵技術のGMにあって、同社の課題を伺った。それによると、新しい冷蔵技術の設置には、日本から技術者を招くことも多いが、日常の維持管理の場合、現地採用のエンジニアに任せていることが多い。その場合、冷蔵倉庫の顧客が抱える課題に適切な対応、助言ができる水準になるまでは、相当の期間がかかる。

タイの食品業界が発展するとともに、冷凍・冷蔵の需要が伸びているが、人材の供給が追いつかない。特に、工学系の大学、専門学校のレベルに格差があるため、その人材を捜し求めるには苦労をしている。また、苦労して採用し、育成をしてもある水準になると、日系企業に勤務した経験を売り物に転職する場合もある。そのような事態にも対応が必要である。

リサイクル業の工場

(写真は、冷凍倉庫)

 

2.タイ周辺国の技術向上とタイ企業の活用について

3/10から、ラオスの公社、公営企業の実態を取材する機会があった。その中でも、ラオス郵政公社では遅れた機械化をすすめるため、タイのIT企業にシステム開発を依頼されていることを聞いた。2012年10月の地元の新聞でも報じられているように郵便業務の効率化向上にITは欠かせかない。その開発者がタイであることの理由は、言語が近いこと、共通する価値観があることなどである。もし、日本が支援をする場合は、スタッフのニーズを汲み取ることから問題がある。

ただし、ラオスの元国営銀行であるBCEL銀行にも取材をしたが、こちらは自前のシステム部門を持っているが、システム開発には、シンガポールのシステム開発会社を採用した。これは、銀行業務の経験が豊かな会社であるということと、BCEL銀行のスタッフは大卒が多く、英語での理解力が高いことも背景にあると考えられる。

リサイクル業の工場

(写真は、ラオスの郵政公社)

 

3. 政治の混迷による経済成長の鈍化と電力使用量、失業率について

3/18にある電力会社を訪問する機会があった。電力需要は、経済指標の先駆けともいえるもので、経済が0.9%成長すると1.0%の電力の需要が伸びる。2013年の11月から始まったバンコク市内で反政府運動が活発化するに従い、流通サービス、観光需要の伸びが鈍化している。

4/6発表されたタイの電力公社EGATの電力需要の見通しは、2014年はほぼ前年並みで、経済は低迷している。一方、民間調査機関が発表した失業率も1%以下であるが、2013年半ばの0.7%ではなく、0.9%近く、別の機関の推測では1%を超えているという。このあたりの数値は、統計手法により誤差があるため、後日の確認が必要である。

タイの人口構成の変化

写真は、3/30に実施された上院議員の半数公選制の投票)

 

4.アジア域内での日本語人材の育成について

3/24国際協力支援センター(ABIC)の事務局を通じて、国際交流基金がタイ、ベトナム、インドネシアなどで日本語教師を募集しているので応募者をさがしてほしい、との呼びかけがあった。

以前のこの欄でも紹介したが、中国政府は世界各地で中国語の普及を図るため、相当な資金を投じている。韓国政府は、韓流ブームといわれるように韓国の文化を海外に普及させるため映画、TVの韓国語から現地語への吹き替え費用を負担するなど、文化面で力を入れてきた。

しかし、日本語普及の中心となる国際交流基金の予算が絞られてきたためか、各地の日本語教師育成のコースが限られてきた。このニュースを聞いて、ようやく日本政府も力を入れだしたのか、との思いであるが、各国の募集人数をみると数十名レベルで、待遇面もボランテイアが基本である。

先日も、アセアン各地の市場調査で回ってきたM社のT社長に聞くと、各地で日本語を話せる方がおられたので大変役立った、とのことである。 また、進出予定をされている企業からも、現地語を話せる人材が中小企業にはいないので、通訳などの人材を探すにはどうするか、との質問も受けている。

この意味から、政府頼みの語学教育ではなく、企業自らが、必要な日本語教育をせねばならない場合もある。 日系企業の進出には、基本的な日本語で従業員との意思疎通が必要で、そのための基盤整備に政府の支援がさらに必要ではないか、と思われる。

カンボジアの休みで首都らバスで田舎に帰省する人々

(写真は、マレーシアではショッピングセンターの中にも中国語を教えるセンターがある、2013年1月ジョホールバルにて)

 

以 上