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タイ

作成年月日:2009年6月30日

労働力の送出・受入れについて

5.1 関係法令及び制度の概要

 タイにおける労働力の送出や受入れに関連する政策や法令には次のようなものがある。

  1. タイ王国憲法(2007年)
     憲法は国及び国民の認識や保護に関するすべての基本的な政策と法令を規定し、また、政府と関連行政機関の責務についても規定している。

  2. 労働者保護法(2008年)
     就業現場におけるタイ人労働者の保護、雇用主と労働者の権利と義務を規定している。主に一般的な労働力の活用、女性と児童労働力の活用、報酬、退職、従業員福祉基金について最低基準を定めている。この法令では労働者保護のために政府当局者が介入し、雇用主と労働者双方にとって最大の利益がもたらされ、最終的には国の発展につながるよう公平性と労働衛生を保障している。最新の改正法は2008年初頭に施行され、18の条項が追記された。

  3. 技能開発促進法(2002年)
     この法律は現役労働者に職業技能訓練を奨励・支援するものであり、実業界や産業界の労働市場の求めに応じて従業員の技能レベルを引き上げ、民間企業と教育機関の協力により、高校や大学で学ぶ生徒や学生に民間企業でのインターンシップ、教育機関や公的機関の職業訓練学校での徒弟訓練を促進する。

  4. 職業紹介及び求職者保護法(2001年)
     タイ国内の職業紹介サービスと海外での就労を希望する求職者への職業紹介サービスは免許制になっている。この法律では外国の雇用主によるタイ人労働者の直接雇用が禁じられ、また、タイ国内と海外での職業紹介サービスに必要な免許取得条件が定められている。

  5. 雇用代理業者および求職者保護法(1985年)
     この法律の特質は、政府が職業安定所を設置してタイ人労働者に無料で就職情報を提供することにある。また、海外でトラブルに遭遇した求職者に公平かつ十分な保護が与えられるよう支援すること、海外の職業紹介業者がタイの法律に基づき活動しているか管理すること、海外の職業紹介業者が技能評価試験を求職者に受けさせること、技能評価試験が国の定めたガイドラインに沿っているかを管理することなどを担当する。技能評価試験は関連省庁あるいは技能開発局が委託した民間業者が実施する。

  6. 身体障害者の生活の質向上の促進と開発に関する法(2007年)
     身体に障害を負うタイ人労働者の権利を守る法であり、職場で昇進を受ける権利、自由に転職できる権利、技能開発が受けられる権利を規定している。タイ国内における身体障害者への差別や不当な扱いを禁じ、既に存在する法や政策がこの法に抵触することがないように政府関連省庁に基準やその方法を示している。この法は障害者の関わるすべての職場に有効であり、障害者が海外で就労したいと希望する場合にも有効である。

  7. 外国人労働法(2008年)
     これは新しく定められた法律で、現在タイ国内で就労する外国人労働者を保護するものである。外国人労働者の定義、外国人労働者が従事できる職種、従うべき規則や規制、所轄官庁、雇用主の役割と責任、その他必要な条件を規定している。

  8. 外国人が従事することを禁じる職業に関する王国令(1979年)
     この法令では外国人がタイで携わることを禁じる職業や業務を定めている。タイ人の権利を守るため、こうした職業はタイ人に優先的に与えられる。外国人が就業を禁じられた職業分野は多岐にわたり、違反した者は所轄官庁から罰則を受けることになる。

  9. 国籍法(2008年)
     この法ではタイ国民を定義し、タイ国民に該当しない者の範囲やその判断基準を定めている。

  10. 入国管理法(1979年)
     タイへの移住について規定しており、タイで労働滞在する意思を持つ者に関する法である。関連する機関や団体の役割と責任を規定し、外国人の入国条件、滞在期間、国内での移動、本国への強制送還について規定している。

5.2 労働力移動の規模

 1995年以降、タイを離れ外国海外で就労する労働者は着実に増えていった。1995年には20万2,296人、1996年には前年より減少して18万5,436人、1997年には18万3,671人の労働者がタイから海外に流出した。1997年にタイ経済危機が発生し、タイから海外へ就労に出かける労働者の数は著しく増加した。また過去数年において、タイからの労働力を求める企業数も増えている。例えば、2001年にはタイからの労働力を求める企業数は7,094社であったが、2002年には17,487社へと記録的に増加している。その後毎年、登録するタイ労働者数は増加している。この傾向は図5-1で参照することができる。2009年1〜2月のデータでは、タイ労働者の登録数は16万851人で、職業紹介件数は2万8,868件であった。
 労働力受入れ国として、タイは欧米からもアジアからも労働力を受け入れ、中でもメコン川流域国からは非常に多くの労働者を受け入れてきた。メコン川流域国以外からの労働力受入れの状況は図5-2のとおりである。メコン川流域国からの労働力受入れに関しては、合法的な労働者と非合法でタイに入国する労働者の2種類がある。非合法でタイに入国する労働者数が合法的労働者数よりも圧倒的に多く、海外からの労働者数は合計で200万人とも400万人とも言われている。メコン流域国からの労働力受入れの規模は図5-3のとおりである。

図5-1 労働力の海外送出(1998〜2008年)(単位:人)
図5-1 労働力の海外送出

※出典:
The Bank of Thailand and The Ministry of Labor (2009)

図5-2 メコン川流域国を除く海外からの労働力受入れ (1999〜2007年)
(単位:人)
図5-2 メコン川流域国を除く海外からの労働力受入れ

※出典:
The Bank of Thailand and The Ministry of Labor(2009)

図5-3 メコン川流域国からの労働力受入れ規模 (1996〜2008年)(単位:人)
図5-3 メコン川流域国からの労働力受入れ規模

※グラフをクリックすると拡大表示されます。
※出典:
Thailand Development Research Institute(2009)

5.3 労働力移動の要因

 タイにおける労働量の送出と受入れには多くの要素が絡む。大半は他の国の状況にも関係するが、以下のようなタイ独特の要素も中にはある。

  1. 移民労働者を求める雇用主の需要
     タイでは移民労働者を求める雇用主の要求が、海外からの労働力流入に大きな影響を与えてきた。特に、タイ人労働者がしり込みする厳しい労働条件の農業及び製造業において、海外からの労働力受入れが顕著である。この分野の雇用主は、移民労働者が仕事の質や性格にぴったり合致しているため、その労働力で需要を満たしている。

  2. タイと周辺国との経済力の差
     タイの労働力受入れと送出における1つの重要な要素として、タイと労働力の送出あるいは受入れ国との経済格差がある。通常海外で働く労働者は、先進国で働き自分たちの暮らし向きを良くし、家族のために高い収入を得ようとする。同様に、母国で生活が向上する機会に欠け、貧困しかないような状況では、海外で仕事を探すようになる。この傾向は特に非熟練労働者で顕著に見られ、その多くが母国では貧困層と見なされる収入レベルである。

  3. 広がる経済統合
     タイは諸外国に門戸を広げ、二国間協定、地域事業統合、経済統合イニシアチブ、その他の協力という形態をとり、経済統合と地域開発協力を図ってきた。加えて、タイ経済開発における海外からの投資や参入が目覚ましく増え、その結果、外国人労働者にタイでの就業機会とタイ人の海外での就業機会をつくった。
    さらには、タイ人労働者の職業技能や知識レベルを向上させる機会にもなり、そうした高度職業能力が必要とされる仕事に就くようになった。

  4. 外国人労働力を管理する制度
     現行の制度ではタイに流入する労働力を管理できなくなってきた。非効率な制度が非合法の労働者を多数タイに入国させるようになり、制度のほころびが裏の労働力供給ルートを活発化させている。効率的な制度を導入することで、非合法労働力の流入も管理できるようになり、雇用主が求める真の需要を満たすことができるようになる。
    一方で送出国からの過剰労働力の供給は削減されることになる。

  5. 労働力送出国、受入れ国の政治的安定
     タイにいる移民労働者の大半がミャンマー出身であることからも分かるように、政治的安定が労働者の移住に影響を与えている。特に母国において政治的混乱や弾圧を経験している場合には、労働者が就業のためだけでなく恒久的生活拠点として移住している。
     政治的安定は労働力の送出国と受入れ国の協力レベルにも影響し、結局は政情の安定が両国間の協力関係に後々まで影響を与える。さらに政治的安定は、労働力移動の管理制度における効率や有効性にも影響を与える。

5.4 送り出しの所管機関

 タイでの労働力送出を管理する機関と制度は、労働省(MOL)とその下部組織である。労働省の雇用局、技能開発局、労働保護福祉局、そして社会保障局が中心となり、それぞれの局が海外で就労するタイ人労働者の支援や保護を行う。中で最も重要な部局は、雇用局とそれに関連する機関、技能開発局とそれに関連する機関である。
 労働省の下には、海外雇用管理局、あるいはタイ海外雇用管理局(TOEA)の名称で知られる機関があり、タイ人を雇い海外に送り出す一連の活動を公的機関や民間業者と連携して行っている。 TOEAそれ自体は雇用局、警察庁、外務省から派遣された職員で構成されている。TOEAはタイ人労働者が海外で就労できるよう海外での就労に関するすべての手助けをし、いわゆる仲介業者のコスト削減に尽力する。タイ人労働者、就職紹介業者、外国の雇用主はTOEAから次の点で便益を受ける。

  1. 海外求職者登録センターを活用し、外国の雇用主や人材サービス会社が求職者を選別し易くすること。海外での就労を希望するタイ人求職者は、就労機会を得るためにセンターへの登録が義務付けられる
  2. 外務省によるパスポートの発行
  3. 民間人材サービス会社による海外での職業紹介の認可
  4. 海外での職を求める労働者を支援する基金
  5. 外国海外での人材サービス会社設立認可
  6. タイ警察庁との協力によるタイ人労働者の犯罪履歴調査
  7. 出発前訓練センター
  8. 無料での海外雇用サービスの提供

 タイ人労働者の雇用を希望する外国の雇用主は2つの公式な方法、すなわち雇用局あるいは民間の人材サービス会社を通じて雇い入れることができる。タイ国内には海外での就労を希望するタイ人労働者向けの人材サービス会社が200社以上ある。これら人材サービス会社は多岐にわたる得意分野を持ち、さまざまな国の外国人雇用主のニーズに応じたサービスを行っている。例えば、ある業者は建設業現場や製造業の雇用主向けに特化したサービスを行い、ある業者はサービス業の雇用主向けに労働者の紹介を行っている。中には全業種を対象としている業者もあり、異なる業種の雇用主向けにサービスを提供しているところもある。
 タイ人労働者を雇用するにあたり、外国の雇用主は必要条件並びにタイ人労働者を雇用したい旨を証明する法律関係書類をTOEAに提出しなければならない。その書類とは、1)タイ国内の特定の人材サービス会社に業務を任す旨を記載した委任状、あるいは、求職者の採用に関わるすべての業務、及び各求職者との雇用契約締結に関わるすべての業務を雇用局に任せるという委任状、2)求める労働者の条件を明確にした、役職別人数、賃金、福利厚生等詳細を記した要求書、3)採用手続きを効果的で時宜にかなったものとし、関係する当事者間のトラブルを未然に防ぐべく、雇用局が開発した雇用契約書、4)会社の登記簿謄本(全部事項証明書)の写し、5)外国人労働者を雇用する許可証である。
 さらに、これらの書類は地元の商工会議所で証明を受け、タイ人労働者が就労予定国のタイ国大使館あるいは総領事館で認証を受ける必要がある。雇用主はそのほか、外国の雇用主によるタイ人労働者の雇用を支持するというタイ国大使館の公認が必要である。
 雇用主には上に述べたようなタイ人労働者雇用の公式ルートがあるが、タイ人労働者自身が海外での就労機会を探す方法は、民間の海外人材サービス会社経由、雇用局経由、労働者自身の手配による海外就労、タイの雇用主が従業員を海外に派遣する場合、雇用主が従業員を外国で研修させる場合の5つである。

  1. 民間の海外人材サービス会社経由
     人材サービス会社は雇用局に認められていることが必須である。こうした業者のすべてが法令や規則に従って活動する訳ではなく、タイ人労働者が民間の業者経由で海外就労を考えている場合には、事前に業者のサービス業務内容をよく調べる必要がある。
  2. 雇用局を経由する場合
     海外での就労を希望するタイ人労働者は、雇用局で直接外国の求職に申込みをすることができる。雇用局は海外就労を希望するタイ人求職者には無料でサービス提供することになっている。タイ人求職者は自分の往復航空券、査証手続き、空港税、福祉基金、その他渡航に関する諸費用を負担しなければならない。
  3. 労働者自身の手配による場合
     海外就労を希望する労働者自身が、個人的な関係を利用して海外の雇用主に接触して仕事を決める。海外就労のために出国する15日前までに雇用局長宛てに出国の旨を伝えなければならない。さらに、海外での雇用契約期間を延長し、その上で帰国を希望する者は、出発の10日前までに局長に通知しなければならない。
  4. 雇用主が従業員を海外に派遣する場合
     これはタイ人労働者が既にタイにある外資企業に雇用されている場合である。海外の本社、あるいは海外での特殊業務のために派遣・就労する場合、タイ人労働者はタイで雇用されているという立場を確保した上で、タイでの給与と福利厚生を満額で受け取る権利を有する。これは政令や法令に定められている。
  5. 雇用主が従業員を海外に研修派遣する場合
     これはタイ人労働者が既にタイ国内の外資企業に雇用されている場合である。従業員を海外に研修派遣しようとする雇用主は、事前に労働省雇用局長に通知する必要がある。また、研修の状況によっては派遣前に局長の許可を得る必要がある。

 上述したとおり、外国の雇用主によるタイ人労働者の雇用を管理する諸組織や制度のほかに、海外で就労するタイ人労働者を保護する機関が在外タイ人保護局である。その主たる機能には次のようなものがある。

  1. 窮地にあるタイ人への支援提供
  2. 海外で就労するタイ人への支援と保護
  3. タイの漁船あるいは商船、タイ国外で就労する船員への支援提供
  4. 非合法な人身売買の被害者となったタイ女性への支援提供
  5. 大規模自然災害や政治的混乱、戦争の場合の支援提供

5.5 送出労働力の属性

5.5.1 受入国

 タイ人労働者は世界の主要な経済地域で就労しているが、大部分のタイ人労働者は近隣のアジア諸国で就労することが多い。就労国別には、台湾、シンガポール、マレーシア、日本、イスラエルが多く、台湾は最大のタイ人労働者受入れ国である。2008年末現在で、4万5,088人のタイ人労働者が台湾、1万4,934人がシンガポール、3,476人がマレーシア、7,555人が日本、7,121人がイスラエルで就労している。タイ人労働者が働くその他の国や地域はアジア以外に中東、アメリカ、ドイツ、英国、オーストラリア、アフリカを挙げることができる(表5-1参照)。さらに、2008年末現在で約22万6,000人のタイ人労働者が世界で就労している。
 過去と現在の傾向を比べてみると、タイ人労働者はアジア近隣諸国での就労をますます希望しているように見える。就労先国としては日本、台湾、韓国、香港、シンガポール、マレーシア、ブルネイが挙げられる。欧米に就労に行く者は非常に少なく、アジア以外で人気のある国はサウジアラビア、カタール、バーレーン、アラブ首長国連邦、クウェート、リビア、イスラエルである。アジアでは台湾が常時一位を占め、次点はシンガポールとなっている。この傾向の背景としては、距離的近さとタイ人労働者の技能レベルに合った仕事が両国に多いことが挙げられる。

表 5-1国別タイ人労働者の就労先 (2003〜2007年)(単位:人)

国  名
2003 2004 2005 2006 2007
合  計 147,769 148,596 139,667 160,846 161,917
 - 男 (%) 83.03 81.56 82.53 84.40 86.18
 - 女 (%) 16.97 18.44 17.47 15.60 14.82
中東およびアフリカ 16,999 19,986 19,873 28,941 39,362
 - サウジアラビア 877 859 783 782 845
 - カタール 1,689 1,934 3,093 7,448 5,762
 - バーレーン 315 297 502 775 1,113
 - アラブ首長国連邦 1,560 1,467 1,700 3,047 9,850
 - クウェート 1,085 1,136 956 3,724 3,723
 - リビア 3,098 1,777 1,267 1,192 2,269
 - イスラエル 5,748 9,700 8,079 8,618 10,903
 - 他 2,734 3,084 3,735 3,722 4,897
アジア 122,833 118,710 108,954 118,647 108,658
 - 日本 3,164 3,415 4,034 4,789 8,002
 - 台湾 64,113 58,648 48,920 53,387 52,193
 - 韓国 8,631 10,650 14,232 16,457 13,287
 - 香港 320 208 210 196 3,504
 - シンガポール 12,044 10,932 11,293 14,546 16,271
 - マレーシア 6,812 4,399 3,690 2,431 3,432
 - ブルネイ 5,028 4,749 4,538 4,515 4,143
 - 他 9,626 13,310 16,244 19,190 21,113
欧米 6,522 7,846 8,958 10,975 13,897
 - 北米、欧州、大洋州 6,493 7,844 8,952 10,934 13,890
 - 他 29 2 6 41 7
※出典:
Overseas Employment Administration Office, Ministry of Labor, Thailand (2009).

5.5.2 職種

 海外で働くタイ人労働者は各自の学歴や職歴に応じてさまざまな職業に就いている。そうした職種には法律専門家(弁護士)、上級公務員、管理職から、技術技能やそれに関連した、店員や管理業務スタッフ、販売やサービスのスタッフ、熟練農水産業従事者、工員や機械オペレーター、単純労働者等である。さらに、タイ人労働者は建設、工業、自動車、電気電子とコンピュータ、工芸、近代農業、サービス分野などにおいて、多様な職種、職位で仕事をしている。タイ人労働者が移住先国での就労のため登録する職種は216に上り、そうした職種を簡単に整理すると次のようになる。

  • 建設業:計26職種
  • 工業:計33職種
  • 自動車:計42職種
  • 電気電子とコンピュータ:計21職種
  • 工芸:計58職種
  • 工業的農業:計21職種
  • サービス:計15職種

 上記の7区分のうち、タイ人労働者にとって最も一般的な業種は、建設、工芸、工業的農業、サービス分野である。これらの業種には海外での就労を希望するタイ人の多くが登録し、業務遂行上あるレベル以上の技能や訓練を必要とするものである。同様に、海外就労を希望するタイ人労働者の間では一般的な職種があり、前記分野における上位7職種を表5-2に記載する。

表 5-2 海外で就労するタイ人労働者の上位7職種
職務分野別・一般的な職業
建設業 工業 自動車 電気電子と
コンピュータ
配管工 溶接工 機械修理工 一般電気技士
一般大工 ガス溶接工、
電気溶接工
機械オペレーター 電子電気技士
左官 電気溶接工 運転手 電気整備工
(冷凍空調)
建築大工 精密切削機械
オペレーター
掘削機
オペレーター
電子/デジタル
コンピュータ
オペレーター
塗装工 組立て鉄技士 クレーン
オペレーター
工業電気技士
建設塗装工 曲げ鉄技士 自動車運転手 電気技士見習い
(冷凍空調)
金属組立て 配管溶接 トラック運転手 プログラマー、
電子データ加工
職務分野別・一般的な職業
工芸 工業的農業 サービス
繊維業 その他農業 調理師
テーラー
(仕立職人)
農業・畜産業 女中、家事提供サービス
より糸工、
紡績工
一般農場労働者 タイ
マッサージ師
染色士 造園士 家庭看護
補助士
仕立て士、
室内装飾士
農業(米以外の穀物や葉野菜) ウェイトレス
印刷工 農作物栽培者 ウェイター
靴職人 養殖 美容師
※出典:
Overseas Employment Administration Office, Ministry of Labor, Thailand (2009).

5.5.3 年齢

 労働省海外雇用管理局の統計によると、タイ人労働者の年齢分布は25〜44歳で大多数を占める。その中でも30〜34歳が最も多く、続いて35〜39歳、25〜29歳の順に分布が多い。50歳を超えてから仕事を求めて海外に移住する人もいるが、その数は非常に少ない。2007年の最新のデータによれば、20〜24歳のタイ人労働者は1万3,681人(8%)、25〜29歳は30,802人(19%)、30〜34歳は37,787人(23%)、35から39歳は3万6,977人(22%)、40から44歳は2万5,177人(15%)、45歳以上が2万人以上(12%)となっている。

5.5.4 技能水準

 タイ人労働者の教育背景(学歴)に関しては、過半数が小学校4年以上の課程を修了している。労働者の大半が生産現場、技術職、輸送機械運転、肉体労働に従事している。専門職や経営管理業務に就労する者は非常に少なく、事務、営業、サービス業務も少ない。こうした傾向は労働者の学歴や職務能力への期待を表している。学歴の傾向は表5-3のとおりである。

表5-3 海外で就労するタイ人労働者の学歴(1999〜2007年)(単位:人)
学 歴 1999 2000 2001
不明 119 267 206
小学校4年 128,457 137,810 118,029
中学卒業 19,351 24,165 28,484
高校卒業 4,296 6,200 8,099
職業訓練高校 2,056 2,259 2,555
職業訓練短大 2,038 2,990 2,953
技能短大修了 121 139 143
大学卒業 3,098 3,850 4,561
修士修了 0 0 0
技能機構 12 29 17
159,566 177,709 165,047
学 歴 2002 2003 2004
不明 244 172 251
小学校4年 107,226 89,263 83,645
中学卒業 34,087 35,413 32,183
高校卒業 8,789 11,144 15,641
職業訓練高校 2,302 2,877 4,182
職業訓練短大 3,183 3,341 5,555
技能短大修了 142 499 208
大学卒業 4,814 5,041 6,912
修士修了 0 0 0
技能機構 20 19 19
160,807 147,769 148,596
学 歴 2005 2006 2007
不明 582 836 1,268
小学校4年 75,377 84,305 78,490
中学卒業 29,936 34,563 36,585
高校卒業 15,894 19,484 21,601
職業訓練高校 4,186 5,172 5,405
職業訓練短大 5,830 7,202 7,816
技能短大修了 190 189 216
大学卒業 7,652 9,078 10,514
修士修了 0 0 0
技能機構 20 17 22
139,667 160,846 161,917
※出典:
Overseas Employment Administration Office, Ministry of Labor, Thailand (2009)

5.6 送出労働力の技能水準の評価制度

 技能開発局が能力開発を担当する部門であり、具体的なカリキュラムと研修計画を描き、それを実践する場所や講師をアレンジし、研修のスケジュールを組立て、必要な器材や教材を手配し、研修の基準や評価方法も設定し、その他必要とされるメニューを用意して、タイ人労働者の雇用前教育に当たる。さらに同局は、技能基準の設定とタイ人労働者の技能能力評価方法についても担当する。海外での就労を希望するタイ人労働者は同局が設定した国家技能基準に沿い、外国の雇用主から要求される、あるいは海外で従事する職務レベルの技能評価試験を受けなければならない。また、海外で就労するタイ人労働者の評価は雇用局や人材サービス会社でも行われる。
 同様に外国の雇用主も、雇用しようとするタイ人労働者の技能及び知識レベルの明記を契約の条件として要求できる。さまざまな形の研修や技能開発が用意され、海外で就労するタイ人労働者が職務を効果的かつ効率的に遂行するのに必要な技能や知識を身に付けているかどうかを確認するようになっている。技能開発局ではタイ人労働者の従事する、あるいは希望する職務の種類に応じて、さまざまな研修メニューを揃えている。


5.7 受入の所管機関

 労働省雇用局はタイ国内で就労する外国人労働者に関する諸事を担当する。さまざまな分野や業界の雇用主の求めに応じた労働力を手配する。海外での就労を希望するタイ人労働者の窓口が海外雇用管理局であるのと同様に、タイでの就労を希望する外国人労働者を管轄する部門が外国人労働者管理局で、労働許可証はここで発行される。外国人労働者管理局は、タイで働き、労働許可証の申請を希望する外国人に最も関係する機関である。この機関の役割と責任には次のようなものがある。

  1. タイで働いている、あるいは就労を希望する外国人労働者の労働許可申請の処理、 外国人労働者を必要としている雇用主の要求を満たすべく雇用主の支援も行う
  2. タイ国に不法入国や不法就労している外国人の案件処理
  3. 外国人労働者の職務や雇用主に関する関係省庁のとりまとめを通じた外国人労働者の管理
  4. 登録制度や労働許可証に関する政策、法令、制度、発案、変更等を関係者に通知すること。外国人労働者に遵守すべき法令や政策や、権利等を教えることも含む
  5. 他の関連機関と協力してタイで就労する外国人労働者に関するデータや情報を収集すること。雇用主のニーズ、労働市場の傾向、入国者の傾向、その他外国人労働者に関する重要な統計やデータが対象

 労働許可証の申請にはいろいろな方法があり、将来の雇用主経由、人材サービス会社経由、あるいは直接雇用局に申請する方法がある。また、タイが主要各国と締結した覚書によってタイに入国することもできる。しかし、覚書が本当に手続きの軽減に効果的かどうかにはさまざまな憶測がとんでいる。登録申請過程には異なったプロセスがあり、書類作成の手間や許可証発行費用のことを考える必要がある。
 さらに外国人労働者を雇用するために許可証発行を求める雇用主は、申請様式書類、雇用主身分証明書の写し、雇用主の家屋登記簿、外国人を雇用する必要性(雇用契約書など)、委任状(直接申請でない場合)などの書類が必要である。
 同一雇用主の下で働く、有効期限内の労働許可証を持つ外国人労働者は、申請書様式WP13、現行の許可証、雇用主の身分証明書、健康診断書、雇用主に与えられた外国人労働者を雇ってもよいという割り当て証が必要である。
 異なる雇用主の下で就労しようとする、あるいは期限切れの許可証を持つ外国人労働者は、期限切れの許可証、暫定身分証(Tor Ror 38/1)、健康診断書、雇用主に与えられた外国人労働者を雇ってもよいという割り当て証が必要である。登録に関する標準的な料金としては、半年から1年の許可証で1,800バーツ、3カ月から半年で900バーツ、3カ月未満で450バーツである。※1
 また、申請様式書類の費用は100バーツ、健康診断料が600バーツ、社会保険料1,300バーツである。外国人労働者の定義は、タイでの就労意欲を持ってタイに入国しようとする者、既にタイに入国しタイで就労を希望している者、既に許可証を保有している者に分けられる。既に許可証を持ち、それを延長しようという意思を持つ労働者にのみ延長許可が与えられる。外国人労働者の技能水準を評価する制度が明確にされていないので、雇用主は、求める労働力との落差あるいはニーズを満たすレベルはどのような質と基準であるべきか雇用局と相談し、彼ら自身で労働者のレベルを調べる必要がある。
 また、外国人労働者を採用した後で研修を行う雇用主もいる。研修内容は職種や労働者によって千差万別である。例えば、以前穀物農家で就労していた労働者が畜産や漁業に従事しようとする場合には、新たな研修が必要なことは言うまでもない。
 2008年の新外国人雇用法では、政府は農業分野で登録料の調整をしている。現時点で労働許可証申請料は国境県で年間900バーツ、採用手数料として年間一人当たり200バーツの費用がかかる。こうした変更により、労働者を雇用する上でより組織的かつ具体的な手順、雇用主にも労働者にもより公平な料金体系、外国人労働者を雇う上での一層の公平さが期待できる。

※1
1タイバーツ=2.90日本円(2009年6月30日現在)

5.8 受入労働力の属性

5.8.1 送出国

 タイで労働許可証を得て就労する外国人労働者を見ると、主要な送出国は日本、英国、アメリカ、インド、中国、フィリピン、オーストラリアであることが分かる。日本はタイにおける一番の送出国であり、過去数年間で大きな伸びを示している(表5-4参照)。こうした国からの労働者はタイで就労する外国人労働者の一部でしかない。例えば、ミャンマーはタイへの最大の労働力送出国であるが、そのほとんどが不法入国である。

表 5-4 タイで労働許可証を得て就労する外国人の数(1999〜2007年)(単位:人)
国 名 1999 2000 2001
日本 13,608 13,355 14,144
英国 6,144 5,694 5,166
米国 6,090 4,683 4,185
中国 5,656 5,890 5,458
インド 6,506 5,083 5,555
フィリピン 3,135 2,725 2,777
オーストラリア 2,093 2,106 1,916
その他 30,381 37,260 20,777
合 計 73,613 76,796 59,978
国 名 2002 2003 2004
日本 13,677 16,738 19,467
英国 5,150 6,216 7,392
米国 4,099 4,827 5,541
中国 4,883 6,008 6,520
インド 5,144 5,917 6,752
フィリピン 2,337 2,819 3,501
オーストラリア 2,090 2,399 2,723
その他 29,226 36,034 48,975
合 計 66,006 80,958 100,871
国 名 2005 2006 2007
日本 21,098 22,976 24,312
英国 8,485 9,494 11,247
米国 6,429 7,234 7,838
中国 9,573 11,268 11,299
インド 8,263 9,296 9,704
フィリピン 4,709 5,916 7,525
オーストラリア 3,125 3,405 3,641
その他 66,484 75,967 58,244
合 計 128,166 145,556 133,810
※出典:
Overseas Employment Administration Office, Ministry of Labor, Thailand (2009).

5.8.2 職種

 タイで就労する外国人の職務技能レベルは高度技能から単純労働まで多岐にわたる。職務技能がどのような職に就けるかを左右する。メコン川流域国からの労働者は製造業、農業、建設業、家事といった労働集約産業で働くことが多い。外国人労働者の大半が製造業、農業、家事部門で働き、地域としては国境県で就労している(表5-5参照)。大半のミャンマー人労働者は農業分野で就労し、ラオス人労働者は家事分野で就労し、カンボジア人労働者は漁業分野で就労している。

表5-5業種別、国籍別、タイでの登録外国人労働者(2007年)(単位:人)
業種別 雇用主数 カンボジア ラオス ミャンマー
漁船 3,371 3,883 644 10,365
水産加工業 3,908 1,491 270 65,851
農業 32,894 4,596 4,262 92,500
精米所 904 173 71 4,508
レンガ工場 763 55 97 3,021
氷工場 895 237 197 3,309
運輸業 203 53 10 908
建設業 15,196 4,285 1,754 76,848
鉱業 263 29 24 961
家事 50,041 2,102 6,046 53,180
その他 48,762 7,887 8,284 53,180
合  計 157,200 24,791 21,659 489,282
※出典:
Overseas Employment Administration Office, Ministry of Labor, Thailand (2009).

5.8.3 年齢

 タイで就労する外国人労働者の年齢はさまざまであるが、移民労働者は非常に若く、中には12歳の者もいる。メコン川流域国からの労働者の大半が19〜45歳である。未登録の外国人労働者が非常に多いため、正確な予想や分析は困難である。

5.8.4 技能水準

 外国人労働者に与えられる任務や仕事は、労働集約的で単純作業が多い。業界によって任務は異なるが、3D(3K=苦しい、汚い、危険)な業務が多い。メコン川流域国からの労働者は単純労働者が多いので、雇用主はそうした仕事をあてがう。こうしたことはメコン川流域国以外の国では見られない。他の国からの労働者は技能労働者が多く、少なくとも高校卒業以上の学歴を持ち、何らかの専門技能を持つか、研修を受けている。


5.9 受入労働力の技能水準の評価

 外国人労働者の技能を評価する機関や制度は今のところ存在しない。しかし外国人労働力を規定する政策や法令を何らかのガイドラインにしようという動きはある。雇用主、人材サービス会社、政府機関が、そうした基準や質の設定を行おうとしている。熟練分野の外国人労働者には、雇用主や人材サービス会社が彼らの技能評価を行い、求める職務に最適な人材を選ぶようにしている。雇用主は外国人労働者の雇用において政府機関と一緒に、求める基準に合った労働力を探そうとしている。


5.10 労働力送出・受入に関する二国間・多国間協定

  • 2002年12月に台湾(台北経済文化処)との間で署名されたタイ人労働者の雇用に関する二国間協定
  • 2002年10月にラオスとの間で署名された労働者雇用協力に関する覚書
  • 2003年5月にカンボジアとの間で署名された労働者雇用協力に関する覚書
  • 2003年6月にミャンマーとの間で署名された労働者雇用協力に関する覚書
  • 2003年5月にカンボジアとの間で署名された婦女子の人身売買を撲滅する二国間協力に関する覚書
  • 2003年10月にマレーシアとの間で署名されたタイ人労働者の採用に関する覚書
  • 2004年と2006年に韓国との間で署名された労働者雇用協力に関する覚書
  • 2005年4月にニュージーランドとの間で署名された労働者の手配に関する覚書
  • 2007年11月にアラブ首長国連邦との間で署名された労働者雇用協力に関する覚書

5.11 労働力送出・受入に関する二国間・多国間条約

  • 条約C14 (産業界の)週休に関する条約(1921年) 1968年4月に批准
  • 条約C19 平等な処遇(労災補償)に関する条約(1925年) 1968年4月に批准
  • 条約C29 強制労働に関する条約(1930年) 1969年2月に批准
  • 条約C80 最終条項修正に関する条約(1946年) 1947年12月に批准
  • 条約C88 雇用サービスに関する条約(1948年) 1969年2月に批准
  • 条約C100 平等な給与に関する条約(1951年) 1999年2月に批准
  • 条約C104 (国内労働者)前科者の雇用制限を廃止する条約(1955年)
    1964年7月に批准
  • 条約C105 強制労働を廃止する条約(1957年) 1969年12月に批准
  • 条約C116 最終条項修正に関する条約(1961年) 1962年9月に批准
  • 条約C122 雇用政策に関する条約(1964年) 1969年12月に批准
  • 条約C123 (地下作業の)最低年齢に関する条約(1965年) 1968年4月に批准
  • 条約C127 最大重量に関する条約(1967年) 1969年2月に批准
  • 条約C138 最低年齢に関する条約(1973年) 2004年5月に批准
  • 条約C159 (身体障害者の)職業上リハビリテーションと雇用に関する条約(1983年) 2007年10月に批准
  • 条約C182 最悪の形態の児童労働に関する条約(1999年) 2001年2月に批准
  • 女性へのあらゆる差別を撤回する国連条約(CEDAW) 1985年8月に批准
  • ハーグ国際児童拉致市民条約 2002年11月に批准

5.12 労働力移動の問題点

 タイにおける労働力の送出や受入れに関わる問題には次のようなものがある。

  • タイに入国する労働者が後を立たず、かつそのような労働者を(不法入国で無い限り)雇用することが容易であるため、タイの雇用主はタイ人よりも外国人労働者を雇い入れたがる傾向にある。これはタイ人労働者の技能活用という点で示唆に富む。タイ人労働者が教育やその他訓練を通じて身につけた職業技能が労働集約分野においては過剰な能力であるという評価を雇用主から受け、せっかく身につけた教育や職業訓練が活かされず、社会的損失になることがある。さらに、雇用主はOJTで教えた多様な訓練に外国人労働者が習熟すると、わざわざタイ人労働者を雇って教えることは手間だと見なす可能性もある。

  • 非登録の外国人労働者が多数タイに入国すると、国にとっては社会保障費の増加が大きな負担となる。正規に就労を認められた登録外国人労働者は社会保障費を負担して福祉や健康保険のサービスを受けている。しかし非登録労働者は社会保障費を負担していないにもかかわらず、福祉や健康保険のサービスを受けることがある。非登録労働者が治療を受けることにより公共医療機関の負担が増し、時には予算が足りなくなってしまう。同様に、非登録労働者の子供が教育を受けることも、国の教育制度に新たな問題を与える可能性がある。

  • 外国人労働者が国内に増えると、合法・非合法を問わず社会的な問題や費用が発生する。例えば、外国人労働者が性風俗産業で従事すること、麻薬売買に関与すること、人身売買に関与すること、危険な疾病や犯罪をタイ国内にもたらす可能性があることなどである。

  • さらに、非合法の外国人労働者が増えると、国境を越えて不法入国する外国人がますます増える懸念がある。非合法で入国してくる労働者は裏のネットワークを頼っており、ひいてはタイの国境地帯以外での問題につながり、ますます多くの不法入国者を招くという悪循環に陥る。

  • 外国人労働者のうち身分登録をする者はタイ国の入国管理制度から便益を得ることができ、非登録の者は彼らを保護する制度の蚊帳の外におかれる。こうした状況はタイの入国管理制度上でもマイナスの結果しかもたらさない。

  • 入国してくる労働者の国籍確認が非常に困難な作業となっている。入国労働者の大半はミャンマーからで、その多くはミャンマー政府が自国民とは認めていない少数民族の人達であるため、その国籍確認作業は非常に複雑かつ難しく、ほとんどの場合不可能に近い。タイ国政府は、既に国内に居住して滞在期間延長を求める入国労働者をどのように扱うか、入国管理制度に登録しなければならない国籍不詳の人達にどう対応するかの結論を出していない。

  • 高度に熟練した技能を有する外国人労働者が働く分野では、同等の職務遂行能力や技能を持つタイ人労働者の能力を活かしきれていないという問題が生じる。さらに、外国人労働者と同等の技能及び職務遂行能力のための教育や訓練の必要性を示唆している。一言で言えば、外国人と同等の仕事ができるタイ人労働者を訓練することに優先権が与えられなければ、長期的に見て高度熟練労働分野は外国人労働者に依存する体質が続き、タイ人労働者の職業技能や能力開発に悪影響を与えることになる。

  • 海外で就労するタイ人労働者の職業技能評価において、現行の、外国人雇用主のニーズに合った技能を持つタイ人労働者の能力評価と送出に関する制度は機能的であるが、より精度を上げてタイ人労働者が海外で外国人労働者と競合できるだけの能力を身につけ、タイに帰国後も国の経済発展に寄与するようにしなければならない。海外で就労するための能力の1つが語学力であり、このような重要な技能は労働者がただ単に海外で就労できるというだけでなく、帰国後もその能力を活かしてより良い職に就けるというメリットを持つ。

  • 人材サービス会社と外国雇用主の監視。タイではまだ、タイ人労働者を海外に送出する際に起用する人材サービス会社や外国の雇用主が信頼に足るかという監視や評価管理制度が厳格化していない。そうした制度の不備により、タイ人労働者が外国の雇用主から不当な扱いを受けるという問題が発生している。問題の多くは、タイ人労働者が多額の渡航関係費用を支払ったにもかかわらず約束が履行されないなどの雇用主による過酷労働や搾取である。

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