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インドネシア

作成年月日:2018年7月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2018年6月

今月のテーマ

「2018年統一地方首長選挙の今後」


インドネシアでは、今年6月27日に全国のうち171の地域で一斉に首長を選ぶ統一地方首長選挙が行われました。171の地域には、第1級自治体である「州」と第2級自治体である「県・市」が含まれ、インドネシア全土に広がる17州、115県、39市の地方自治体が今回の選挙の舞台となりました。また、選挙では、各候補者は州知事、県知事、市長ともに正副候補のペアを組むことになっており、各地方の選挙管理委員会に登録された567組が戦いました。ジャカルタは昨年に実施されたため今回の選挙では含まれませんでしたが、西ジャワ州、中ジャワ州、東ジャワ州、北スマトラ州など有権者が1,000万人を超える地域もあり、今回の統一地方首長選挙における有権者の数は1億5,200万人にも及ぶ大規模なものになりました。これは2014年に実施された大統領選挙での有権者の80%に相当します。多くの有権者が投票に参加できるように投票日は、大統領によって全国の公休日に指定されました。

 

有権者名簿に登録されている有権者 152,066,686人

投票所 387,586箇所

候補者数 567正副候補

現職の候補者組 25組

現職の候補者 136名

女性の候補者 100名

38歳以下の候補者 85名

 

警察や軍隊の厳戒な警備体制のなか、同日午前7時から午後1時に投票が行われ、その後即日開票が始まりました。夕方ごろには選挙速報がメディアから発表され、おおよその選挙結果は公表されましたが、正確な選挙結果については現在も選挙管理委員会でまとめている状況です。

 

実は、統一地方首長選挙が実施されるのは、今回がはじめてではありません。

2015年と2017年に継いで今回で3回目を数え、これまで2015年には9州と260県・市で、2017年には7州と94県・市で実施されてきました。今回を含めた3回の統一地方首長選挙は、2024年11月に実施される全国一斉地方首長選挙への移行を視野に入れたもので、2024年以降に実施される全国一斉地方首長選挙では、ジョグジャカルタを除く33の州とすべての県・市、すなわち415県と93市で首長が選ばれることになっています。通常、地方自治体の首長の任期は5年間ですので、2015年に統一地方首長選挙が行われた地域での選挙は2020年に再度行われますが、その任期は2024年までの4年間になります。また、2017、2018年に選挙が行われた地域では、2022年、2023年にそれぞれの首長の任期が終了しますが、その後は2024年の全国一斉地方首長選挙で首長が選ばれるまでの期間は、再度選挙を行うことなく首長代行によって務められる予定となっています。

 

さらに2024年4月には大統領選挙と議員選挙も行われます。11月の全国一斉地方首長選挙とは7ヶ月しか期間が離れておらず、この1年だけで大統領、州知事、県知事、市長、国会議員、地方議員が選出されることになります。このように選挙をまとめて実施する目的は、選挙にかかる多大なコストを効率化するところにありますが、大きな選挙が一同に実施される2024年に向けた準備は欠かせません。問題を起こすことなく選挙が行えるように、現在の地方首長選挙と国政選挙に関する法律を改正し、遅くても1年前までには編纂を終えなければなりません。そのため、今回の統一地方首長選挙は2024年に向けた練習も兼ねています。

 

そのほか、各政党にとっては、今回の統一地方首長選挙は2019年に実施される大統領選挙と議員選挙を含む国政選挙の前哨戦と位置づけており、地方の首長を選ぶ以上に戦略的な意味も持っています。2018年の統一地方首長選挙は終わったところですが、すでに次の国政選挙に向けた動きは始まっています。2週間後には議員候補、さらに2018年8月には正副大統領候補組の立候補受付期間に入り、9月20日には選挙管理委員会による審査を経て正式に大統領候補組の立候補が決定されます。また、これと並行して、比例代表制で行われる国会、州議会、県・市議会の各議員選挙に向けた準備も進められるなど、2019年から2024年を任期とする正副大統領や議員の選挙に対する準備が着々と進んでいるのです。

 

これまでは議員選挙と大統領選挙は別々に行われていましたが、2019年よりこの2つの選挙が同日に実施されるようになりました。以前は議員選挙を行った後に大統領選挙を行っていたため、議員選挙の結果を受けて各政党ごとに連立を組み、大統領候補を擁立していましたが、大統領選挙と議員選挙の実施が同日になったため、今年は早くから各政党ともに連立に向けた動きが強まっています。大統領選挙で勝つためには、政党から推薦を得ること、正副大統領のペアで戦うために戦略的な候補と組むこと、そして大統領選挙でもっとも多くの票を獲得することが必要になってくるため、ますます政党間による駆け引きは過熱してきています。

 

このように、2019年、2024年に向けて選挙が大きくかたちを変えようとしており、今年行われた統一地方首長選挙は、今後続いていく選挙の前哨戦として、また検証材料として大きな意味を持っています。大統領選挙に向けて国民の関心が高まっており、今年はとにかく政治が注目される年になります。

 

以 上