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インドネシア

作成年月日:2017年7月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2017年6月

今月のテーマ

「スカルノ・ハッタ国際空港ターミナル3」


2016年8月9日にスカルノ・ハッタ国際空港のターミナル3が正式にオープンしてもうすぐ1年になります。既存ターミナルからのオペレーションの移管によるトラブルを極力避けるため、当初はガルーダインドネシア航空の国内線のみがターミナル3に移されましたが、2017年5月1日に同じくガルーダインドネシア航空の国際線も移管され、いよいよ国際空港としての利用が開始しました。6月末現在、空港内施設もようやく充実し始め、レバランの繁忙期を終えたのちにスカイチームに加盟する航空会社、そして7月から8月にかけて格安航空会社を除く全ての国際線をターミナル3に移転する計画になっています。

ターミナル3は、スカルノ・ハッタ国際空港の混雑緩和と、セキュリティ強化、サービス向上を目的として建設され、ターミナル1やターミナル2がインドネシアの伝統的デザインで建築されたのとは対照的に、ターミナル3は環境に優しく現代的なデザインが特徴です。まだ国際線の移管途中であったり、建設途中の施設があったりなど100%ではありませんが、今後の計画にも触れながら、ターミナル3の設備について解説していきたいと思います。

◆サービスの向上

ターミナル3だけで年間2,700万人の利用者を見込んでおり、国際線エリアでは、64のイミグレーションカウンターと、30のイミグレーション自動化ゲート、6 つのバゲージクレームポイント、6 つの搭乗ブリッジが備えられ、これまでよりもスムーズに手続きができるようになっています。バゲージクレームポイントではデジタルスクリーンで手荷物が出てくるまでの時間が表示され、荷物がコンベアに運ばれている様子が見られるなど、まだ海外の他の空港で見られないような試みもされています。

◆セキュリティ

ターミナル3の到着ロビーを入るとまず、セキュリティチェックがあります。昨今のテロ対策のひとつであり、空港内に危険物を持ち込ませないためのものです。また、飛行機に搭乗する際の保安エリアに入るためのセキュリティチェックも行なわれます。自動ボディチェック、爆発物を感知する装置や乗客の顔まで鮮明に確認できる高性能な監視カメラが搭載され、安全システムが強化されています。

◆環境への配慮

ターミナル3は環境に優しいというコンセプトも掲げています。大きなガラスまどから自然光を取り込め、空気が循環されるような設計になっているほか、天候に応じて照明が自動的に調整されたり、雨水を浄化して浄水として利用できるシステムが採用されています。

◆ターミナル間の移動

ターミナル間の移動は、無料のシャトルバスが巡回しており、各ターミナルの出発フロアにあるシャトルバス乗場から乗車することができます。通常ターミナル間の移動は15分ほどですが、空港内は渋滞していることが多く、時間がかかることもあります。

現在はターミナル間の移動のためのスカイトレインが建設途中で、完成すれば交通渋滞に頭を抱えることなく移動できるようになります。なお、空港内の道路には歩道がないため、ターミナル間は徒歩での移動はできません。

◆ターミナル3から市内へのアクセス

スカルノ・ハッタ国際空港は今回のターミナル3の拡張にあわせて、市内へのアクセスについてもサービスの改善に取り組んでいます。

・タクシー

空港の到着ゲート3、4を出たところタクシー乗場の近くに、タクシー乗車番号の発券機が設置されました。スクリーンをタッチすると待ち番号が発行され、タクシー乗場にあるモニターで番号を確認しながら順番を待つことができます。さまざまな会社のタクシーが列をなして乗客を待っていますが、サービスに定評のある青い車体のブルーバード(Blue Bird)または白い車体のエクスプレス(Express)、イーグル(Eagle)を利用されることをお勧めします。メーターで料金が表示されますので、安心して利用することができます。別途、高速料金と目的地に応じた空港内タクシー利用料金が発生しますのでご注意ください。ジャカルタ市内の中心部までおよそ20万ルピア(約1,650円)ほどで移動することができます。

また、黒い車体のシルバーバード(Silver Bird)は少し料金が高くなりますが、英語を話せる運転手が多く、車種もメルセデスベンツやトヨタのカムリやアルファードを使用しているのでより快適に移動することができます。

・エアポートバス

2017年5月30日よりスカルノ・ハッタ国際空港とジャカルタ首都圏にある有名ホテルやモールを結ぶJA (Jakarta Airport) Connexionが新たに運行を開始しました。バス会社4社がそれぞれのルートで運行し、片道1人あたり5万ルピア(約400円)で利用できます。特に滞在先が運行路線にあるホテルの場合は便利が良さそうです。現在のところ1時間に1本ほどの台数しかないため、空港に到着するタイミングによっては利用しにくいかもしれませんが、ここは今後に期待です。空港行きの場合も1時間ほど待つ可能性がありますので、あらかじめ運行ダイヤをホテルやモールで確認しておくと良さそうです。

運行会社:PT Big Bird Pusaka

Hotel Borobudur、Hotel Alia、Hotel Luminorルート

Hotel Aryaduta、Hotel Sari Pan Pasificルート

Hotel Grand Cemara、Hotel Ibis Thamrin、Hotel Mileniumルート

Hotel Sahid Jaya、Mall Grand Indonesia、Hotel Ascotルート

 

運行会社:Perum Damri

Hotel Amaris Thamrin Cityルート

 

運行会社:PO Sinar Jaya

Hotel Sahid Jaya Lippo Cikarangルート

Bogor Trade Mallルート

 

運行会社:

Perum PPD Mall Taman Anggrekルート

Mall Plaza Senayanルート

Mall ITC Cempaka Masルート

Mall Kelapa Gadingルート

ITC Tanah Abangルート

 

そのほか、従来からのダムリバス(Damriと車体に書かれたバス)がジャカルタ首都圏の各地、カラワン、プルワカルタ、チレゴンの高速道路付近まで30分から1時間間隔で運行しています。こちらも料金は4万ルピアから6万ルピア(約330円から500円)程度とJA Connexionとそれほど変わりません。

・空港直結鉄道

南ジャカルタのマンガライ駅からスカルノ・ハッタ空港を直結する空港鉄道が建設されています。終点のマンガライ駅はジャカルタ首都圏での重要な分岐駅で、市内以外にもボゴール線、ブカシ線に乗り継ぐことも可能になります。2017年の開通を目指しており、開通すれば市内から空港までを渋滞のストレスなく移動でき、10万ルピア(約830円)程度で利用できるようになる見込みだそうです。

・会社の車などによる送迎

ターミナル3に会社の車で向かうときは出発ロビーで降りられますので問題ありませんが、ターミナル3から市内に移動する場合には到着ロビーの手前で車を止めて待機することができません。駐車場から到着ロビーに車を回すとなるとかなり離れているため、そこから乗車するのは困難です。ターミナル3に向かって左側と右側の両端にそれぞれ立体駐車場がありますので、駐車場の送迎エリアまで移動して乗車することになります。送迎エリアは到着ロビーのあるグランドフロアとエレベータまたはエスカレータで上がった1階の2箇所にあります。

スカルノ・ハッタ国際空港は、英国の格付会社SKYTRAX社から2016 年に「The World’s Most Improved Airport(世界で最も改善された空港)」に選ばれています。今後も3本目、4本目の滑走路を増設し、以前格安航空会社が利用していた旧ターミナル3と今回の新しいターミナル3との連結、さらには2019年にはターミナル4の建設開始など、まだまだ拡張しています。

インドネシアを国際的な観光地に推し進め、単なる目的地ではなくハブ空港としての役割を担うべく動き出したばかりですが、次々に変わっていくスカルノ・ハッタ国際空港の今後に注目です。

以 上