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インドネシア

作成年月日:2017年6月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2017年5月

今月のテーマ

「イスラム教の断食と宗教大祭」


ラマダン

ラマダンとは、イスラム暦(ヒジュラ暦)における9番目の月のことをいいます。イスラム教の五行の一つである断食を行う月で、イスラム教徒にとっては1年でもっとも神聖な月です。

日の出から日没まで飲食だけでなく、喫煙、性交、口論や闘争など全ての欲望を抑えなければなりません。この欲望を抑制することをインドネシアではプアサといいます。1ヶ月間のプアサをすることで食べ物がなくて困っている貧しい人々の辛さを理解したり、お腹を空にして身体をきれいな状態に戻すことを目的にしています。

◆日常生活での注意

ラマダン期間中は妊婦や病気の人などを除いて多くの人が断食をしています。日没前までは多くのレストランが休業し、営業していているレストランのガラス窓にはカーテンがかけられ外から見えないように覆われます。イスラム教徒でない人は飲食をしても構いませんが、人前での飲食は避けるように配慮します。断食をしている人の近くで飲食する場合には一言かけるとよいでしょう。

また、カラオケ、クラブ、マッサージなどのお店はラマダン期間は休業にしていたり、閉店時間を早めています。警察の巡回が強化されており、トラブルに巻き込まれる恐れがあるため出入りは控えましょう。宗教大祭を前にしたこの時期は警察や移民局の査察が活発になります。必ず毎年被害が出ていますので、外出時には必ずパスポート、KITAS(滞在許可証)を携帯するようにしましょう。

◆仕事への影響

イスラム教徒は早朝に起床して日の出前に食事を取るため、この期間は生活時間が大きく変わります。断食が行いやすいように、また、断食によって会社業務への影響を少なくするために、ラマダン期間中の始業時間を早めたり、休憩時間を短くし、従業員の帰社時間を早める会社が多いです。運転手など残業をしている従業員には断食明けの時間に気を配るようにしましょう。

下記はラマダン期間中の生活時間イメージです。

2:00〜4:00 : 起床 + 日の出前の食事 (サフール*)

4:00〜5:00 : お祈り (ソラット・スブー)

6:00 : 出勤

12:00 : お祈り (ソラット・ズフール)

15:00 : お祈り (ソラット・アサール)

16:00 : 帰社 18:00 : お祈り (ソラット・マグリブ) 断食明けの食事

19:00〜20:30 : お祈り (ソラット・イサー + ソラット・タラウェ*)

21:00〜22:00 : 就寝

* ラマダン中にしか行わないもの

 

そのほか、宗教を通して従業員が一体になる時期ですので、部門単位や会社単位で従業員と断食明けの食事会を設ける会社も多くあります。これは仕事外でも同じく、友達や家族と一緒に断食明けを迎えて親睦を深めます。

◆宗教大祭手当

宗教大祭手当とは、宗教大祭日を迎える従業員に会社が支給する義務のあるインドネシアの賃金外報酬のことで、THR(テーハーエル)とよばれています。これは法令で大祭日を迎える7日前までに支給されることになっています。イスラム教の人は1ヶ月にわたるラマダンを終えるとレバランとよばれる宗教大祭を迎えますので、ラマダンのあいだに支給されることになります。この宗教大祭手当は、従業員の勤続期間によって支給額が決定されますが、会社でなくても普段利用しているお手伝いや運転手にも個人的に渡すことが慣習になっています。相場は年々上がっているようですので、周囲と金額を合わせて封筒に入れて渡すようにするといいでしょう。

◆レバラン

イスラム教の宗教大祭日で、日本の正月とお盆を足したようなものと言われています。インドネシアで一番の長期休暇にあたり、従業員はお土産や洋服を買って帰省し、家族との時間を楽しみます。Selamat idul Fitri. Mohon maaf lahir dan batin.「断食明けを祝福します。心身ともにお詫び申し上げます」と挨拶してまわり、プアサを終えて心身ともに新たな1年を迎えるのです。

以 上