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インドネシア

作成年月日:2016年7月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2016年6月

今月のテーマ

インドネシア特有の病気と予防接種」


ジャカルタの医療水準については、インドネシアの中で最も進んでいるといえます。

さらに、ジャカルタには日本人向けのクリニックが複数あり、日本人が日常かかる病気はこれらのクリニックで対応可能です。日本語対応が可能なインドネシア人医師・看護師がいる、または日本語の通訳がいるところや、受付では日本語が通じるところが多いです。診療時間は多くは朝から夕方までですが、中には年中無休24時間対応をしているクリニックもあります。

また、歯科については日本語の通じる歯科医院もあり、インプラントや矯正等の先端医療も可能です。ただし、歯科治療は海外旅行傷害保険の適用外となるので、診察前に料金等の確認をしてください。

◆ 救急時

救急時の対応ですが、各クリニックとも協力病院を持っているので、緊急の時でも普段かかっている医師に連絡を取り、その後の指示を仰いでください。また、ジャカルタには公共サービスとしての救急車は存在せず、各病院が車を保有しているにすぎません。緊急時でも、タクシーや自家用車を使ったほうが早く着く可能性があります。

◆ 保険

病気やケガなどで駐在者保険(海外旅行傷害保険)を使うことになったら、まず、各医療機関へどこの保険会社の保険を持っているか説明し、キャッシュレスでの診察が可能かどうか相談した方が良いです。この海外旅行傷害保険を持っていない場合、または有効期限が切れている場合などは、全額自己負担となりますのでご注意ください。

◆ 熱帯地方特有の病気

※下痢・胃腸炎

ジャカルタでは下水道の整備が遅れ、そのため「アメーバ赤痢」も珍しくない疾患のひとつです。「赤痢アメーバ」という原虫に汚染された飲食物による経口感染です。症状は粘血便、下痢、腹痛などです。予防できるワクチンはないですが、治療薬はあります。

また、サルモネラ菌による感染症「腸チフス」「パラチフス」なども、しばしばみられる疾患です。飲食物を介して感染します。疾患名には「腸」とつきますが全身の細菌感染症です。発熱、全身消耗が主な症状で、下痢などの胃腸症状が無い場合もあります。治療開始が遅れると重症化することがあります。腸チフスとパラチフスは、ほとんど同じような症状ですが、腸チフスのほうが重症な症状を呈することが多く、腸チフスには予防ワクチンがありますが、パラチフスに対しての予防効果はありません。

インドネシアに来て最初の半年くらいの間に、いわゆる【洗礼】を受けることになる人が多くみられます。その大半において「不衛生と思われる場所での飲食はしていない」や「どこの何が原因となったか不明だ」という話を聞きますが、とにかく下痢、嘔吐、腹痛、発熱などの症状に見舞われる、という話は決して珍しくはありません。

お腹をこわすと「これがいわゆる【洗礼】というものか」や「そのうち治るだろう」などと軽視せず、必ず病院を受診してください。思いがけない疾患であったり、長引いたり重症化する恐れがあります。

因みに、筆者の5年生の娘もジャカルタに到着した翌月に「アメーバ赤痢」にかかりました。病気にかからないように注意をすることは大事ですが、かかってもきちんと病院に行けば治りますので、安心してください。

※呼吸器疾患

エアコンによる居室の乾燥、排気ガスによる大気汚染などの影響で呼吸器症状(頻繁に風邪をひく、風邪のあと咳が長引く、副鼻腔炎の悪化など)、呼吸器関係の不調を訴える方も目立ちます。気管支の弱い方は、ご自宅に空気清浄機や加湿器を用意するとよいと思います。また、運転手やメイドが咳をしていたら、マスクの着用を促したほうが良いです。

※虫刺症

皮膚露出部を中心に、蟻、ダニなどに刺され痒みや痛み、化膿を来たすケースが珍しくありません。蟻より大きいアリガタハネカクシ(インドネシアではTomcatと呼ばれています)は体液に強い毒性があり、皮膚に付着すると強い炎症を起こすので、潰さないように注意が必要です。また、インドネシアの風土病のひとつである「デング熱」もよく耳にします。デング熱は、蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)に刺されて感染します。早朝や夕方に、屋外より屋内で刺されて発症するケースが多いようです。感染は通年発症しますが蚊が繁殖しやすい雨季に増えます。典型的な症状は、倦怠感、発熱、関節痛、頭痛、目の奥の痛みなどです。38度を超える熱が数日続き、その後発疹が出現します。重症度は様々で風邪程度で済むケースもあれば、重症化(出血傾向やショック状態)する場合もあります。予防するワクチンも特効薬もありません。予防は防蚊対策につきます。

デング熱の具体的な対策としては「外出するときには長袖・長ズボンを着る」「外出前に防蚊スプレーを身体に噴霧する」「ドライバーに車中に蚊を入れないように指導する」などが挙げられます。

※狂犬病

狂犬病には特効薬がなく、一度発症したら命を失う恐ろしい感染症です。インドネシアは狂犬病汚染国ですから、あらかじめ予防接種を済ませておくほうが無難です。

なお、イスラム教徒は、宗教上犬に近づきませんので、ジャカルタの屋外に犬はほとんどいません。バリ島などに行くときは、注意が必要となります。

◆ 予防接種

上記のような南国特有の病気や感染症は、健康な人でもかかるおそれがあります。

衛生面など各自充分に注意していても罹患してしまうことがほとんどです。

予防接種を受けることで予防できる病気は限られていますが、病気にかかるリスクを下げることが出来ます。また、周囲の方への二次感染を防ぎます。ワクチン接種で身を守ることが非常に重要です。

予防接種の種類によっては数回(2〜3回)接種する必要のあるものもあります。ワクチンによる免疫力を維持するためには定期的に追加接種が必要なものや、血液検査で免疫力を確認できるもの(A型肝炎、B型肝炎、BCG等)もあります。

詳しいご相談は各医療機関にて医師にご相談ください。具体的な接種時期、優先順位、日本で一部接種したもの、今までのワクチン接種歴、年齢、体重、滞在期間等を考慮して決定されると思います。

◆ インドネシアに在住される方へ、一般的に推奨されている予防接種一覧(成人)

・ A型肝炎

・ B型肝炎

・ 腸チフス

・ 破傷風

・ 季節性インフルエンザ

・ 日本脳炎

・ 狂犬病

◆ インドネシアに在住される方へ、一般的に推奨されている予防接種一覧(小児)

小児の場合は、日本の接種スケジュールに従って年齢に応じた定期接種と任意接種をします。

なお、日本で生まれた赤ちゃんをお連れになるのは、BCG(1回)とDPT・IPV混合ワクチン(最初の三回)の接種がすんでからが無難かと思われます。

詳しいご相談は母子手帳を持参し、各医療機関にて医師にご相談ください。

・ A型肝炎

・ B型肝炎

・ 腸チフス

・ 破傷風

・ 狂犬病

・ BCG

・ ポリオ

・ 麻疹

・ はしか

・ 水痘

・ 日本脳炎

・ ロタウィルス

・ DPT (ジフテリア、百日咳、破傷風)

・ MMR (麻疹、流行性耳下腺炎、風疹)

以 上