各国・地域情報

インドネシア

作成年月日:2016年4月
インドネシア共和国

海外情報プラス

インドネシア国情報2016年3月

今月のテーマ

インドネシア人から見た日本人


4月を迎え、新たにインドネシアへ赴任された日本人駐在員も多いことでしょう。前任者からはインドネシア人の宗教観や、インドネシア人に対し失礼な言動について教わることでしょうが、意外に、「インドネシア人から見た日本人」については伝えられていないように思います。

今回は、インドネシア人が一般的に抱く日本人に対する素朴な疑問についてご紹介します。

 

◇昇給の実態について

日本人を含め、東アジアで生まれ育った人々は、出会い際にお辞儀をしても握手を求めることはありません。インドネシア人にとっては、お辞儀をされることは違和感があり、また、握手をしない日本人に対し戸惑いますし、握手しないことは失礼と受け止められますので注意が必要です。インドネシアへの赴任を機に、握手からスタートしてみましょう。インドネシア人との出会いの第一歩は「握手」から始まるのです。

 

◇仕事が生きがい◇

インドネシア人の多くは、神への信仰を第一とし、その上で家族を大切にする国民性を持っています。日本人の仕事に対する意識の高さに尊敬の念を持ってくれますが、残業に明け暮れる日本人を見て尊敬する者はほとんどいないとお考えください。日本人のそうした仕事熱心な一面を「異常だ」と受け取め、家庭を顧みない日本人を哀れにも思うようです。終業時間がくれば、そそくさと帰宅するインドネシア人従業員に対し「仕事が終わっていないのに帰宅するとはどういうことだ」と思うかも知れませんが、優先順位が異なることを知ることは大事で、その上で、就業時間内で終えられるよう指導することが重要なのではないかと思います。それが、自らの常識を押し付けず、相手の国の常識に理解を示す重要なポイントです。

 

◇宗教の理解に乏しい◇

イスラム教徒であれば就業時間中に礼拝を行いますし、メッカ巡礼はプログラムによるものの、2週間から1カ月間インドネシアを離れます。インドネシアの法律では、これら宗教上の理由である場合は減給することは認められません。そういった状況で、日本人上司の冷たい視線を感じることがあるようで、言葉では言われないものの、理解されていないことで宗教を冒涜(ぼうとく)されたと考える者までいるようです。日本を離れた異国の地では宗教が日常生活に浸透していることを理解し、寛容に受け止めてあげることが必要でしょう。

 

◇家族行事を理解してくれない◇

「仕事に家庭を持ち込まない」というのは日本人の常識と言えます。一方、インドネシア人は仕事よりも家族を大事にすることから、それが勤怠に影響することもしばしば。インドネシア人の多くは、“はとこ”やそれ以上に遠い親戚に不幸があっても、仕事を休んでその親戚を見舞おうとします。それが遠くに住む親せきであれば数日間、会社を休むことになりますが、年休申請をしても日本人上司の理解が得られないと不満を持つ者も少なくないようです。特に冠婚葬祭では、遠い親戚であっても足を運ぶことを大事にするインドネシア人が多いですので、理解することが求められるでしょう。

 

◇掃除◇

大卒や家柄の良いインドネシア人従業員にとって、「掃除をしろ」という日本人上司からの命令は、“侮辱行為” と受け止められることがありますので注意が必要です。インドネシアでは学歴や家柄による目に見えない身分社会が存在しており、少なくとも「掃除」は、会社内のオフィスボーイ/ガール(雑務係り)が行うものとして考えています。ある日系メーカーの日本人上司が、「毎朝始業前に、会社敷地内の掃除を全従業員で行うこと。社長も率先してやるぞ!これは社長命令だ!」と発表した翌週から、マネジャー以上の従業員が出社しなくなった(ボイコットした)、という事例があるほどです。日本の常識を押し付けるのではなく、その業務の重要性や皆で行うことの意義を説いた上で、理解させることが先決なのではないでしょうか。

 

◇食べ方に不愉快◇

インドネシアに限らず、日本や韓国を除いた国々で、音をたてて麺や飲み物をすするという行為は、不愉快に感じるようです。日本人客の多いレストランであればよいですが、インドネシア人従業員と一緒に食事に出かける際や、パーティーに呼ばれた際は“世界的なマナー”を心がけ、細心の注意を払うことが良いでしょう。

 

 

私たちがインドネシア人の言動に対し疑問に思うことがあるのと同じように、インドネシア人も私たちを見て疑問に感じていることを知りましょう。特に、日本人駐在員は会社の重要なポジションに赴任されることから、従業員からは一挙一動が見られている、と考えてください。会社の中枢の担う存在であることを忘れず、日本の常識にとらわれることなく相手の国の文化に理解を示すことが、海外赴任の最初の一歩だと思います。

 

(了)