各国・地域情報

インドネシア

作成年月日:2016年1月
インドネシア共和国

海外情報プラス

インドネシア国情報2015年12月

今月のテーマ

インドネシアでの注意点


今回は、新たにインドネシアで働く日本人が、日常生活の中で困惑したり、疑問に感じる事をまとめてみたいと思います。

 

◇左手は不浄の手

インドネシアの主要都市では洋式トイレが普及し始めていますが、全体的には和式トイレが主流です。

また、それら和式トイレにトイレットペーパーはなく、水桶にある水を汲み、左手で洗浄することが一般的 であることから、現代でも、左手で物を手渡す、または握手をするという行為は禁物とされています。

そのため、子供が左利きである場合、親は右手で慣らすよう教育をし、常に右手を使って物を受け渡すよう教えます。ビジネス上では、この“物の受け渡し”に気を付け、相手に敬意を払う必要があります。

◇トイレで困惑

上記の話とも関連しますが、インドネシアのトイレではトイレットペーパーが存在しないことがしばしばあります。トイレには洗浄用のスイッチがあり、それを使用し水で洗いますが、水浸しになったそれを拭くための紙がありません…。

そのため、インドネシアのトイレ慣習に馴染めないうちは、必ずトイレットペーパーをカバンに常備しておく必要があります。これはインドネシアに限ったことではなく、新興国ではよくあることですが、新たに赴任された外国人にとって、このトイレ事情は当初のストレスだと思います。

◇握手◇

インドネシア人と握手した場合、相手は必ず、握手した手を胸にかざします。これは、「あなたの好意を受け止めます」という敬意を表する行為とされています。

しかし、これが中華系インドネシア人の場合、通常の握手で終わります。彼ら、彼女ら中華系インドネシア人は、あえて胸に手をかざしません。それを知らず、それら中華系インドネシア人に対し我々が握手をした後に胸に手をかざすと、彼らにとっては侮辱行為と受け止められることがありますので、予め注意してください。 、積極的な情報収集を行うとともに、関係者の動きを注視しながら対応を決める必要があるでしょう。

◇豚肉とアルコール◇

イスラム教では豚肉は禁じられた動物とされています。そのため、豚肉を食することはできませんし、アルコールも禁じられています。最も困るのは、お酒を飲む日本人とイスラム教徒の社員やお客様を連れた会食などです。日本食や中華レストランでは豚肉もアルコールもメニューにありますので、こういった場合は、イスラム教徒が行く比較的高級なインドネシア料理店を選択する必要があります。豚肉がないことは問題とはなりませんが、アルコールが出ないため、物足りない日本人は、会食後に日本人だけで飲み直す…ということもしばしばです。

◇犬は禁物◇

意外と知られていませんが、イスラム教では犬も禁じられた動物とされています。イスラム教徒は、犬に舐められないようにするために、犬には決して近付きません。また、インドネシア語で相手を侮辱する言葉に「犬」が該当し、間違っても「犬みたいで可愛いね」という表現は使えません。以前、それを知らず、社員の子供に対し「かわいい、犬みたい」と褒めた日本人が、翌日、従業員に訴えられたという話があるほどです。

◇相手の頭を触ってはならない◇

相手の頭を触るという行為は侮辱行為とみなされてしまいますので注意ください。日本人の場合、相手を褒める時に頭をなでる、ということがありますが、それも禁物です。当然ながら、相手を叱る際に頭を叩くことは尚さら禁物です。そのため、インドネシア人が喧嘩した、あるいは感情的になった場合、相手を侮辱するために相手の頭を指さすことがあります。それがエスカレートした場合は、その指で相手の頭をつつくことがありますが、そうなると、黙っていた相手も応戦してしまうなどで収集がつかなくなってしまう事態に発展しかねません。

但し、子供の頭を撫でることは、相互の関係性の中で許されるケースがあります。

◇叱る=怒る=侮辱された◇

日本人にとって、「叱る」と「怒る」の違いの認識はありますが、インドネシア人にとってはその違いを理解する人が少ないようです。そのため、社内で社員を叱る際には細心の注意を払うことが必要で、状況によっては、個室に呼び出し、叱るなどの必要があります。その際、なぜ叱るのかを事細かに説明する必要もあります。それを怠り、社員の目の前で大声で叱ると、侮辱されたと認識し、翌日から出社しない、または周りを巻き込んでデモ騒動まで起こされた日系企業があるほどです。

インドネシアでは躾(しつけ)の概念が日本と大きく異なっており、親としては子供が失敗すること、相手に迷惑をかけることは当たり前という認識から、子供を「叱る」ことは少ないようで、そういった環境で育った多くのインドネシア人にとって、周りに多くの社員がいる中で叱られることは侮辱だと認識してしまうようです。

まだまだ多くの注意すべき内容はありますが、「郷に入っては郷に従え」という教えがあるように、インドネシアに住んでいる以上、相手の文化・慣習を理解し、対応する必要があります。

しかし、一般的な日本人から見ると「仕事をしない」、「時間を守らない」など、仕事に対していい加減な社員が多いのも事実です。インドネシア人社員の多くは、日本人は数年で帰国をしてしまうと考えていますので、しっかりとしたインドネシア人を管理者として採用し、インドネシア人社員の教育ができる組織すべきだと筆者は考えます。

(了)