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インドネシア

作成年月日:2015年12月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2015年11月

今月のテーマ

外国人の就労許可に関する大臣規程の改正について」


今年6月29日より施行された【外国人の就労許可に関する大臣規程・第16号】は、インドネシアの多くの外資系企業を悩ませていました。しかし、10月23日にその内容を改正する形で施行された【同規定・第35号】にて、一部の規定が無効となりました。 今回は、旧規程・第16号の無効になった点を解説いたします。

 

@ 外国人1名に対するインドネシア人従業員10名の雇用義務←削除

当規定は、新規程にて削除されました。 小規模な会社の多くでは1対10の当規定に見合った雇用ができておらず、従業員数を増やすか、または外国人数を減らすべきなのか、といった議論が飛び交っていました。この規定が運用されたことにより、外国人数を増やす場合に、就労許可が得られない等の問題が生じてしまうからです。

この度、新規程によって削除されたことから、この議論を講じる必要はなくなりました。 但し、何人でも外国人を就労させることが可能となった訳ではありません。各々の会社で雇用できる外国人数は管轄労働局の判断に基づくことになるため、あいまいな運営が継続されると考えます。

よって、外国人数を増やす場合は、都度、労働局に雇用枠を確認しなければなりません。

A 非居住の取締役、およびコミサリス(監査役)における就労許可の取得義務←解消

当規定は、新規程にて“義務がない“と明文化されたことにより、解消されました。 多くの日系企業では非居住の取締役やコミサリスが存在し、それら役員にいかにして就労許可を取得させるか、はたまた、会社定款から除名する(株主総会で解任する)かの選択しかありませんでした。

特に、日本本社の社長や役員が兼務している場合は、現地の駐在員としても本社への説得が難しく、問題解決に困難が生じていたのが事実です。

それが新規程によって解消されたことから、この規定に振り回されることはなくなりました。

B会議を目的として入国をする場合、就労許可を取得する義務がある←削除

当規定は、新規程にて削除されました。

会議のためだけに数日間、出張者がインドネシアに滞在する際に、なぜ就労許可を取得しなければならないのか大きな問題として挙げられていました。インドネシアの就労許可取得には、本人の履歴書、卒業証明書だけでなく、雇用者側の会社資料を提出するなどで、プロセスにも数か月かかります。そのため、突然の出張が不可能となる理解から、この規定そのものが疑問視されていましたが、それが削除されたことで、従来通り、商用ビザや到着ビザといった簡易な手続きにて入国することが再度認められたこととなります。

この改正法の冒頭で労働移住大臣は、「2015年第16号の規程は、現在の労働分野の発展にそぐわないため、改正する。」 という法律を公布する機関として恥ずべき理由を述べています。それは、実態の調査や、この規定の公布によって波及する問題を理解せず、公布に至ったことがうかがえます。

この規定に振り回され、どれだけの企業ご担当者が日本本社を含め議論に時間を費やしたかは、容易に想像ができます。 このような変更はいかにもインドネシアらしいとも言えますが、第16号から第35号の改正まで約4カ月間という短い期間であったことから、今後も当規定は変更が生じ得ることを念頭に置く必要があります。

cfまた、新たな規定の施行後は直ぐに対応をする前に、積極的な情報収集を行うとともに、関係者の動きを注視しながら対応を決める必要があるでしょう。

(了)