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インドネシア

作成年月日:2015年9月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2015年8月

今月のテーマ

年金保障」


2015年6月30日、大統領決定によりインドネシア社会保障プログラムには、新たに『年金保障プログラム』が設けられ、翌7月1日より施行されました。今回は当プログラムについて解説します。

2015年6月までは、以下4つの社会保障プログラムが運用されていました。

@ 労働災害補償 :労働によって怪我・疾病を受けた加入者に対し、一時金の支給

A 死亡補償:労働によって死亡した加入者に対し、一時金の支給

B 老齢保障:定年退職/加入後10年勤続し退職した者に対し、積立額を一括して支給

C 健康保障:社会保障局と提携する病院/クリニックにて通院・入院治療を政府負担

 

◇5つ目の社会保障プログラム 『年金保障』 とは◇

要約すると、定年退職後から加入者の死亡まで、定額の年金が支給される制度です。 2015年7月1日より、雇用主は、雇用するすべての従業員に加入をさせる義務が生じ、保険料は以下の通り、双方で負担をすることが決定されています。

■保険料率 :3%(雇用主負担2%、従業員負担1%)

※従業員の月額固定給をベースに計算します。

例)従業員の月額固定給が5,000,000ルピアであった場合

・ 雇用主負担 :5,000,000 x 2% = 100,000ルピア/月

・ 従業員負担 :5,000,000 x 1% = 50,000ルピア/月

 

◇受給条件について◇

受給条件は「定年までに15年間加入をしていること」が条件となっており、定年後56歳より最低300,000ルピアが、毎月支給されると規定されています。

また、受給対象者について、例外で以下を認めています。

1) 恒久的な身体障害を負った場合 ・ 56歳より年金を受給することが可能となります。

2) 当プログラム加入後、15年を満たずに定年退職した場合

・ これまでの積立額が一括で支給されます。

 

◇今後の政府の計画について◇

@ 受給開始年齢を段階的に引き上げ、最大65歳とする。

A 保険料率を段階的に引き上げ、最大8%(雇用主負担5%、従業員負担3%)とする。

従来、政府系の年金プログラムは公務員において適用されていましたが、この度、初めて民間企業においても適用され施行されることとなりました。

ただし、このプログラムだけに限ったことではありませんが、これらの基金が不正の温床になる懸念はぬぐえず、各誌メディア、評論家からの指摘が相次いでいます。

なお、この規定のアナウンスそのものは2015年初めより政府がメディアを通じ公表をしていたものの、保険料率について政・労・使で意見が分かれ、当初の政府案であった8%(雇用主負担5%、従業員負担3%)で決着つかず、6月30日に大統領決定にて定められることとなりました。

しかし、翌7月1日から施行されることとなったために、企業側の対応は追いついていないのが実情で、今年の予算で対応できず、2016年度の新予算で加入を行うおうとする日系企業も多いようです。

 

(了)