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インドネシア

作成年月日:2015年7月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2015年6月

今月のテーマ

ルピア使用義務について


今年の2015年3月31日、インドネシアで通貨に関する規定が公布されました。 今回は、その通貨規定について分かりやすく解説します。

◇この度公布された規定◇

「中銀規定 No.17/3/PBI/2015 インドネシア国内取引におけるルピア使用義務」
 公布日:2015年3月31日

◇規定の概要◇

2011年6月に施行された通貨法にて、これまでインドネシアでは現金取引による支払通貨をインドネシア・ルピア(以下、ルピアと称する)とすることを義務化していましたが、この度の規定ではインドネシア国内での非現金取引(すなわち振込み及びその他の支払いを含む)においてもルピアを支払通貨とすることが中央銀行によって規定されることとなりました。

発効日:2015年7月1日

対 象:インドネシア国内での非現金取引

◇罰則について◇

この規定に違反した場合、以下の罰則が実施されることとなります。

1) 中央銀行による警告書、並びに

2) 取引金額の1%の罰金 ※上限10億ルピア

◇解説◇

要するに、今年7月以降の取引は、米ドルといった外貨での支払いは認められず、すべてルピアで支払うことが義務化された、となります。 そのため、7月以降に取り交わされる契約書も、すべてルピアで表記する必要があります。

◇規定化された背景◇

この規定が公布された主たる理由として、下落するルピアの価値を引き上げようとする施策であると言われています。2015年5月現在、1ドル=13,000ルピア前後までルピアは落ち込んでおり、ルピア価値の引き上げが急務の課題となっていることが背景とされています。

◇企業を困惑させる要因◇

なお、この規定は「国内取引」を対象としていることから、国外との取引においては外貨の使用が認められます。しかし、インドネシア国内で行われる取引においては販売側も購入側もルピア建てで決済を行う必要がありますので、多くの企業を混乱させる原因となっています。

◇発効日(2015年7月1日)以前に取り交わされた取引について◇

2015年6月30日までに取り交わされた契約に基づく取引においては、その契約の有効期限内は外貨での決済が有効となります。よって、その契約書上の期限を超えて契約延長を行う場合には、ルピアでの決済となることが義務化されます。

◇現時点での争点◇

規定の公布から僅か3カ月間の準備期間に対し、企業側が調整できないとする意見が多く、これが施行されるとなるとインドネシアに投資をする外資企業にとって死活問題ともなりかねず、一企業だけでは対処できない問題であることから、インドネシア政府に対する外交問題にまで発展しかねない事態が想定されます。

これまでにもインドネシアでは、企業を震撼させる規定、通達、法律が発効されてきたものの、政府にて管理、運用されていないために、罰則を受けるまでに発展しないという実情も存在します。この度の通貨規定が、これまでの事例通りとなるのか、はたまた厳格に管理されるものとなるか、今後も注視する必要があるでしょう。

(了)