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インドネシア

作成年月日:2015年5月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2015年4月

今月のテーマ

就労ビザの新規制について


2015年3月現在、インドネシアでホットなニュースの一つとして、外国人に対する就労ビザ(No.312)の規制強化が挙げられでしょう。この度はこの話題について解説します。 従来の規定(労働移住大臣規定2013年第12号)では、就労ビザ取得において、分かりやすく以下の4つの規定が制定されたものの、定義があいまいな点もあり、規制の対象となった外国人就労者も就労ビザを取得できていた経緯がありました。

【従来の規制】

@ 役職に適した5年以上の職歴を有すること

A 役職に適した学歴を有すること

B 技術移転先となるインドネシア人従業員に対し、専門性を移転する用意があること

C インドネシア語でコミュニケーションをとることが可能であること

そこで2015年1月2日、ハニフ・ダキリ労働移住相が、インドネシア語を母国語としない外国人就労者を対象にインドネシア語能力試験を義務付ける方針を発表したことから、取り分け、英語を母国語とせず、インドネシアで最も多く就労するとされる日本、中国、韓国の外国人が該当するために大きな波紋が広がっています。

試験は、英語TOEFLを参考にインドネシア語の筆記試験をインドネシア大学の言語研究機関と共同で作成することも検討されています。

現時点での情報では、当規定を今年4月末までに制定し今年9月から施行すること、そして、同じく定義があいまいであった「学歴」の規制を以下の通り厳格化する方針を立てています。(最新の情報では、試験は延期になる予定です)

学歴:短大卒以上を条件とする(結果、高卒・専門学校卒を認めない)

※取締役およびコミサリス(監査役)は上記規制の対象からは外れます。

◇日系企業の反応について◇

現時点では多くの日系企業にて“様子見”、“規定の制定までは静観する” といった見方が強くありますが、この制定により、日系企業では高卒者が多いとされる製造業の技術者、そしてインドネシア語の読み書きを不得意とする大多数の日本人が対象となるため、混乱は否めません。

インドネシア語の筆記試験の難易度は明確にはなっていないものの、「日常会話レベル」では通用しない高い水準の試験内容となる、といった情報も入ってきていることから、学歴だけの問題ではなくなってくることが容易に想像でき、一企業ではなく、政府間での交渉が必要となる大問題に発展しかねない事態といえるでしょう。

なお、この規制が施行される場合の対象者が “新規で就労ビザを取得する外国人” となるのか、”就労ビザを有する外国人のビザ更新時も含む” かが未決定であるため、不安はより一層強まっているといえます。

今後も引き続き、この就労ビザの問題を注視する必要があるでしょう。

(了)