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インドネシア

作成年月日:2014年12月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2014年11月

今月のテーマ

「専属ドライバー」


専属ドライバーは、インドネシアで勤務する上で “なくてはならない” 存在と言えます。しかし日本では、よほど大きな会社の役員でも務めていなければ会社から与えられることもありませんし、日本の日常生活では見かけないものであるため、インドネシアでこれから暮らす皆さんにとっては戸惑いの一つではないでしょうか。公共交通機関が整備されている他国と交通事情が違う当地では、どうしても車を利用しなければならず、安全のためにもドライバーを雇う必要があります。そこで今回はドライバーの雇用に関するお話をご紹介します。

◇言葉を交わし信頼を◇

見下した態度を取ったり、ストレスで八つ当たりした結果、「ドライバーが故意に急ブレーキを踏むようになった」、「失跡した」、「家族に嫌がらせのSMS(ショートメッセージサービス)を送った」、「車を盗んだ」、 という話を聞くことがあります。ほとんどはユーザーとの人間関係の摩擦が原因となったケースです。ドライバーも人間であり、車という密室でかかわっていく以上、日ごろの対応には配慮が必要です。

身の安全を委ねるドライバーとは、コミュニケーションが特に大事だと考えたあるユーザーは、ジェスチャーと片言の言葉を交えて日本文化を伝えたり、家族の話をしたりして、「1日に1度は車内で笑う」と心掛けたそうです。こうして接したところ、それまではぎこちなかった車内が明るくなり、ドライバーがインドネシアの生活事情など有益な情報をくれたり、自身の家族へも気配りしてくれるようになったということです。

◇仕事を適度に与える◇

ドライバーは運転が仕事です。ユーザーが会社にいる間はただ寝ているだけ、というところも多いのではないでしょうか。某日系企業では理由を説明した上で、ドライバーに簡単な計算など会社の雑務を与えたところ、「何もしない日々にうんざりしていた」とドライバーが自ら手伝うようになり、本人のやる気をかき立てる結果につながったそうです。こうした取り組みをこれから行う会社がありましたら、業務の範囲を明確にし、実施後のトラブルを回避するため、「必要に応じて会社の業務も行う」との内容を予め雇用契約書や業務指示書に付け加えるようお勧めします。

◇借金◇

お互いに近い間柄であればあるほど、お金に困ったドライバーから借金を頼まれることもあるのではないでしょうか。インドネシア人の多くに “相互扶助” を重んじる傾向があり、ドライバー個人、その他家族・親戚に金銭的な問題が生じた場合に、「豊な者より恵んでもらう」というイスラム教の教えも重なり、身近にいるユーザーに借金を求めるケースが後を絶ちません。その額は数千円から数万円と様々ですが、「少額だから貸してあげよう」や「狭い社内の空間で頼まれたら嫌とは言えない」といった考えから、ついついお金を貸してしまう日本人も多いようです。

しかし、前途述べた通り、「豊な者より恵んでもらう」という考えもあることから「貸す=恵む(与える)」、要するに貸したお金が戻らないことを覚悟する必要があるということです。「お金の貸し借り」がトラブルの基であることは皆さまもご存じの通りですが、それを許容する気概を持っていないのであれば、心を鬼にして「貸さない」ことをお勧めします。

万一、ドライバーから打診があった場合は、毅然とした態度でドライバーに対し「私は一切、お金を貸さない」と伝えてください。 人間は誰しも仲間として受け入れられ、円滑なコミュニケーションができると日々が楽しいものです。しかしドライバーはとかく一般社員からも孤立してしまうため、彼らにとって最も近い存在は我々ユーザーとなるのが実情です。異国だからこそ、身近な存在であるドライバーとの信頼関係が大切です。良い働きをしたのであればその思いを伝え、そして誤っていればそれを正してあげる、という関係を築いてください。

例えば、ドライバーの子供が結婚をした、出産した、などの喜ばしいイベントには出席して祝いの言葉をかけてあげる、あるいは祝い金を与えるなどの特別な対応を取られると喜んでくれます。あくまでも、ユーザー個人の任意の判断となりますが、そのような小さな配慮からお互いの信頼関係を築いていただけたらと思います。

日本から赴任されたばかりの方々は、日常会話のインドネシア語が身に付くまで苦労されるでしょうが、ドライバーとの日ごろのあいさつから、コミュニケーションの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

                                      以 上