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インドネシア

作成年月日:2014年9月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2014年8月

今月のテーマ

1.諸手当について
2.福利厚生について


 
1.諸手当について
@宗教大祭手当(=レバラン手当)

法律により、全従業員に対し、毎年1回の支給が義務付けられている。宗教大祭日を迎える7日前までに「(最低でも)給与1ヵ月分」を支給。(一般的には、イスラム教の『レバラン』と呼ばれる断食明け大祭前に支給されている)

A食事手当

固定で支給をする会社と、出勤日数に応じて支給をする会社がある。 支給金額は会社の所在地や役職に応じて異なるが、ジャカルタ中心部のナショナルスタッフの昼食代の相場が100〜200円であること、また他社の支給金額を考慮して決定をすることが望ましい。

B通勤手当

固定で支給をする会社と、出勤日数に応じて支給をする会社がある。 支給の考え方については、日本と同様である。

C皆勤手当

インドネシアの社員は日本人に比べ、バスやバイクでの長時間の渋滞や病気(家族を含む)を理由として会社を遅刻・欠勤する頻度が高いように感じる。 マイナス評価をすると社員のモチベーションの低下に繋がるので、プラス評価として本手当を導入する方が良い。勿論、就業規則の中で規定をし、勤務開始前に契約事項としてマイナス評価として設定をすることも可能であるが、実際に自らが規定に抵触し給与の減額になると士気に影響してしまうので注意が必要である。

 

A〜Cは法律上の規定及び支給義務はないが、より良い条件を求めて積極的に転職をするマーケットであることから、優秀な人材を採用したり、既存の社員をつなぎ止めるために必要な手当と考えられる。(ABの手当の支給は必須) ABは出勤日数に応じた、変動手当として支給することも可能です。  固定給増加の問題は、賞与や退職金などに影響を与え、経営上極めて重要であるため、慎重に検討し決定する必要があります。  尚、総支給額を100%とした場合、固定給(手当含む)の比率は75%以上でなければならないと法律で定められているため、変動給の設定には注意が必要です。

2.福利厚生について
@年次有給休暇

法律では、勤続1年を満たした全従業員に対し、年間12日間以上の有給休暇を与える義務がある。日本のように毎年付与日数を増加させる必要はないが、自身はもとより親や子供の対応のため、付与日数を増やして欲しいという要望が挙ってくるケースは聞く。この件だけではないが、社員からの要求については一刀両断をせずに、真摯に傾聴する姿勢を見せた上で、正確な情報を伝えることを心がけること。

A賞与

法律による規定はないため、各社の任意での支給となる。会社設立直後は、利益の計上が難しい会社が多いため、利益を出すことが期待される、会社設立2〜3年後からの支給開始が一般的である。年収ベースで考えると、賞与は給与との関係が密接であるため、支給規定については勤務開始前にしっかりと説明を行う必要がある。支給相場としては、最低でも1ヵ月分の給与となり、年1回の支給をする会社が多い。

B社用車の貸与

インドネシアの国営企業の習慣が、民間会社へも広まったと言われている。 日系企業では、マネージャークラス以上の従業員に対し、社用車を1台貸与す るか、相当の金銭支給を行うケースが多い。そこまでしなければ、優秀な管理職のナショナル社員を採用できないという側面もある。

 

以上に記述をした支給手当を含め、仕事の内容や就業条件については、会社側が事前説明を行い従業員側が承諾をした旨の書面を必ず締結する。 勤務開始後に従業員側から「聞いていなかった」等の話しが挙っていることがあるので、双方の間で言った言わないの議論が起こらないように、会社側がリスク管理を行う必要があります。(最悪の場合、社員の退職に繋がります)

また、インドネシアにおいても、社員間で不公平感を生まない人事評価規定の策定及び改善の実施は、必要不可欠であると感じます。

しかしながら、全ての社員が納得感を持つ人事評価規定の策定は難しいため、根拠や客観性があり大多数の社員が納得できるものを作成(改善)することを心がけなければなりません。この点については、日本と同じ考えでインドネシア人に対する規定の策定や丁寧なフィードバックが必要です。

最後に個人的見解として、日本に旧態依然としてあるオーナー主導の処遇方針や終身雇用制度に代表される会社に尽くすといった考え方は、インドネシア人社員の士気を低下させるだけではなく、会社にとって必要な社員の退職に繋がる可能性を含んでいますので、社員の処遇方針はインドネシアのマーケットに合わせた考え方を持つべきだと感じています。

                                      以 上