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インドネシア

作成年月日:2014年6月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2014年5月

インドネシアの最低賃金について、 給与について

1.最低賃金とは

@政・労・使の三者が協議し、“人間らしい生活を送ることが可能な月額賃金”として決められる。

A毎年11月に各地域が最低賃金を決定し、翌年1月1日より施行することが前提であるが、協議の遅延により決定が12月や翌年1月にずれこむことがある。

B月額の最低賃金は、主に高卒以下の労働者「工場作業員」「ドライバー」「警備員」などに適用され、最低賃金の上昇率を基本にして、その他の社員のベースアップが検討されることになる 。

2.最低賃金決定のプロセス

州→県→市→業種別の順に決定されるため、就業場所と所属する業種により最低低賃金は異なる。右方向への決定プロセスが進むにつれ、最低賃金は高くなると理解していただきたい。

3.直近3年間の最低賃金の推移

(単位:円)

都市名

2012

前年比
上昇率

2013

前年比
上昇率

2014

前年比
上昇率

ジャカルタ特別州

13,000

19%

19,000

44%

21,000

11%

ブカシ県

13,000

16%

17,000

34%

21,000

22%

カラワン県

11,000

10%

17,000

58%

21,000

22%

プルワカルタ県

9,000

9%

15,000

62%

18,000

24%

2014年度の上昇率は2013年度の上昇率と比べ抑えられたが、労働者の中には不満が燻っている感がある。そのため、来年度の最低賃金の交渉も労使団体間の調整は厳しくなることが予想される。 まだ地域によっては最低賃金が低い地域はあるが、インドネシアは安価な労働力を提供する国ではなくなりつつある。

上図のとおり、日本企業が多く入居する工業団地が点在するジャカルタ特別州近郊の県も、ジャカルタ特別州と最低賃金が同一となっている。これら近郊の県には、ジャカルタ特別州と比べ最低賃金の該当する労働者が多く働いていることが、上昇率が高くなったひとつの要因として考えられる。

4.東南アジア他国との最低賃金の比較

(単位:円)

都市名

2012

2013

2014

クアラルンプール

29,000

29,000

バンコク

28,000

28,000

28,000

マニラ

27,000

27,000

ジャカルタ

13,000

19,000

21,000

ハノイ

10,000

12,000

13,000

ジャカルタの最低賃金を他国と比較すると、まだ約40%程度の上昇の余地があると考えられる。

他国の事情を把握した上で賃金交渉をしてはいないが、この数値からも安価な労働力を求めて進出することに対するリスクがうかがえる。

5.給与についての特有の考え

@年収ではなく、月額での給与提示が基本(インドネシア人は年収の概念が薄い)

A従業員の手元に残る総手取額(テイクホームペイ)で話すことが多い。

B所得税は会社が負担し、給与を支給をしているケースが多い。

C給与の見直しは、以下2つのパターンに分けられる。

(日本式)日系企業の場合、本社の会計年度に合わせることが多いため、 4月から給与を改定するケースが多い。

(イ方式)地場企業との合弁企業の場合、新年度が1月から始まることが多いため、1月から給与を改定するケースが多い。

6.首都圏(JABODETABEK)の給与相場

(単位:円)

職位

就業年数

基本給(平均)

総支給額(手当含む)

一般職員(新入社員)
Junior Staff

0〜3

24,000

36,000

一般職員(リーダー/班長)
Senior Staff

3〜5

30,000

45,000

係長補佐
Assistant Supervisor

5〜7

38,500

57,750

係長
Supervisor

7〜10

55,000

82,500

課長補佐
Assistant Manager

10〜15

73,000

109,500

課長
Manager

15〜20

129,000

258,000

部長補佐
Assistant General Manager

20〜25

193,500

387,000

部長
General Manager

25〜

236,500

473,000

※一般職員クラスから課長補佐クラスまで基本給の1.5倍が目安

※課長クラスより、役職手当や車貸与などの支出が多くなるため基本給の2倍が目安

※JABODETABEK:ジャカルタ、ボゴール、デポック、タンゲラン、ブカシの総称

7.給与相場の動向

@最低賃金の急激な上昇

前述のとおり、2013年の最低賃金の前年度上昇率は、多くの地域で軒並み40%を超えた。過激な交渉によって最低賃金の改定が実現できた事実がある反面、海外からのより安価な労働力流入に対する危惧もあるため、来年以降の最低賃金の改定は不透明である。

A課長(マネージャークラス)の給与高騰

インドネシアでは、外国人が人事・総務・経理に携わることを禁じています。それらの職種を管理するマネージャーは、引く手数多となっており、特に日本企業での就業経験があり、日本的な考え方を理解している人へは多くのオファーが来ます。一般的な話として、インドネシア人は、給与が20%上がれば転職を検討すると言われています。

B日本語人材の給与は相場を大きく上回る

日本語が話せる人材を雇用する場合は、より多くの給与を提示する必要があります。例えば、日本語能力試験の取得級に応じて手当の支給を行うなどです。日本企業の求める<日本企業での就業経験>や<ビジネスレベルの日本語>を満たしている人材の採用は難しいと考えてください。

高い条件を提示し即戦力の人材を採用するか、日本語能力試験3級程度 の人材を育てるかが現実的な選択となります。

 

                                      以 上