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インドネシア

作成年月日:2013年9月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2013年8月

「インドネシアの食文化」について

1) はじめに

「インドネシの食文化」は、熱帯の気候や、イスラム教の影響で豚が禁止されていることもあり、我々日本人にとって、最初は戸惑う事も多い。

インドネシアの食材に馴染むことができず、駐在の食生活に苦労する人も少なからずおられる。
今回は、その習慣も含めて、インドネシアの食文化について考察する。

2) 日本人よりもお米を好む

驚くことに、インドネシア人は、現在の日本人よりもお米をよく食べる。一般的な家庭では、いつもお米が炊かれており、それを絶やすことは、稀である。

これは、大家族制度が残っていること、近所付き合いが密であること、急な来客でも快く持て成さねば恥ずかしいという社会的背景があるのかもしれない。

熱帯気候で、米作の3期作も可能なことにより米価は廉価で、また、子供たちには「お米をたべさせねば、力がでない。」と母親たちは、3食必ずお米を用意している。

焼き飯(=Nasi Goreng)は、当地で最も代表的なメニューであるが、その種類は日本より豊富である。例えば、Nasi Goreng Ikan Asin (=塩味の小魚が入った焼き飯)は、小魚の塩味が効いておすすめである。

インドネシアでも、昨今のファーストフードブームで、ジャカルタ近郊では、Mcdonald's(マクドナルト)が盛況である。そこで、インドネシア人がNo.1に好むメニューは、ハンバーガーではなくご飯と鶏の唐揚げのセットである。インドネシア人は、ファーストフード店でもご飯がなければ食べた気がしないのであろう。

3) 豊富な果物

熱帯気候であり、果物の種類は豊富である。例えば、ドリアンやランブータンは、日本でも最近手に入るようであるが、本場は安くて美味しい。因みに、ドリアンのドリは、インドネシア語で「刺=とげ」の意。これは、ドリアンの表面に刺がたくさん出ていることから。

また、ランブータンのランブットは、インドネシア語で、「髪の毛」の意。これは、ランブータンの表面に髪の毛があるようにみえるからである。

バナナは、ジャカルタでも、少し郊外へ行くと道端で求めることができる。ゴルフ場でも近隣の子供たちが、天然のバナナをもってプレー中に行商しに来ることがある。彼らの小遣い稼ぎである。ひと房10,000ルピア〜20,000ルピア(日本円で100円〜200円)で、これも安く美味しい。

4) 胃腸を掃除してくれる香辛料―"にんにく"と唐辛子

インドネシア料理では "にんにく"は、欠かせない存在である。生活実感としては、韓国料理よりも使うのではないかと思うほどである。我が家ではたいていの料理に、にんにくを細かく刻んで隠し味としている。 

唐辛子もインドネシア料理には欠かせない。歴史的に、西洋諸国がインドネシアに香辛料を求めて東インド会社を設立し、輸入貿易を繁栄させた。

インドネシアの庶民的な大衆食堂(当地では、Kantinと呼ばれている)へ行くと、お皿に唐辛子がおいてあり、インドネシア人はそれを生で平気でかじる。はじめて見たときは、大変驚いた。

にんにくも唐辛子も腸内の細菌を消毒する効用があるとされている。唐辛子は、食欲増進の効果もある。衛生環境が十分といえない当地で、これらの香辛料はインドネシア人の健康維持に貢献しているのではないかと考えられる。

マクドナルドや、KFC(ケンタッキーフライドチキン)等、ファーストフード店は、隆盛である。そこでのメインのソースは、トマトケチャップではなく、サンバル(唐辛子をこねた赤いソース)である。家庭でもレストランでも、このサンバルは食卓の中央に常備されている。

5) インスタントラーメンの旺盛な需要


  日本が、発祥の地とされるインスタントラーメンは、当地では、廉価で簡単に調理できる事より、その需要は、旺盛である。

 

2007年

2008年

2009年

2010年

2011年

2013年

150億食

137億食

139億食

144億食

145億食

141億食

(ジャカルタジャパンクラブ、インドネシアハンドブック2012年版等より)

  世界的にみても、インドネシアの消費量は、中国(2012年 440億食)に次いで 第2位。第3位の本家日本(2012年 54億食)を大きく引き離している。

日本のインスタントラーメンでは質を求める時代であるが、昨今、インドネシアでもMie Cabe Hijauが発表された。これまで、スパイスとしては一般的な赤唐辛子が主流であったが、これは少し上品でマイルドな青唐辛子(Cabe Hijau)をベースとしたものである。

イスラム教の影響で、豚骨味がスープとして使いにくい状況であるが、インドネシアの麺類の消費意欲に注目して、日本のラーメンチェーン店が相次いで進出して来ている。

 

6) 日系飲料メーカー躍進

日系飲料メーカー躍進は、目を見張るものがある。例えば、ヤクルトはスラバヤに第2工場を建設し、東部ジャワの需要にも対応している。

どこのスーパー、小売店でもヤクルトは手に入れることができるほどにインドネシアのマーケットに浸透している。同様のことが、大塚グループのポカリスエットについてもいえる。

最近、サントリー―が地元企業と合弁し、本格的にインドネシアのマーケットへ攻勢をかけている。今年7月3日、サントリー食品インターナショナルが東京証券取引所上場したのも、その一因かも知れない。

7)  最後に― SMPなど

インドネシアには、Suda Makn Pulang(食べたらすぐに帰る、以下SMPと表示)の文化があり、我々日本人は最初戸惑う。

結婚式でも開始時間は案内されるが、自由集合・自由解散が基本で、SMPのインドネシア人が大半である。最初のころ、筆者は結婚式がどこで始まり、どこで終わるのか戸惑うことが多かった。

普段の食卓でも、かつての日本のように、家族全員が食卓を囲んで皆がそろってから「いただきます。」という習慣は、当地では無い。

筆者は、当地に駐在して、10年以上になるが、どうもこのSMPの文化には未だ違和感があり、どこかに、日本人の礼儀を忘れたくないという思いがあるのかもしれない。

 以 上