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インドネシア

作成年月日:2013年12月
インドネシア共和国

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インドネシア国情報2012年12月

インドネシアの魅力

はじめに
1.黄金の5年間を迎えた国.
2.「イスラム大国にして、民主化を成し遂げた有力新興国」として、世界的評価が高まっている。
3.報道されている事実を元に、客観的なインドネシアの魅力を素描
4.当地で、2003年3月から、約10年過ごしてきた生活実感を元に、主観的なインドネシアの魅力を考察

目次
T.客観的な魅力
@政治面、A経済面、B社会面、C地理/自然、D国際的評価
U 主観的に生活実感として感じる魅力 
@インドネシア人の魅力
Aインドネシア人の親日性
Bインドネシアの居住性
C生活実感としての魅力−日米との比較
Dインドネシア語の魅力
V おわりに

T 客観的な魅力

T-@政治面
(a)2期目のユドヨノ政権の安定性 (5年任期〜2014年まで)
(b)オバマ政権も注目(対米関係の改善、反米感情の緩和)している。
オバマ大統領は、インドネシアで少年時代を過ごした。(6歳から10歳までジャカルタの公立メンテン第一小学校、
義理の父親は、インドネシア人、ロロ ソエトロ−地質学者
オバマ大統領の来イは、大変注目され、2010年11月に実現。

T-A経済面 
(a)リーマンショックからの早期回復(内需主導型経済)
(b)新興経済大国へ★
(1)1人当たりGDP 2,400ドル(09)→約4,000ドル(2014)
(2)GDP規模 約5,000億ドル(08)→1兆ドル(2014)
(3)中間層人口 約8,000万人(08)→1億人(2014)
(中間層とは、年収が、750ドルから、1500ドル)
(c)日系企業の増設、新規投資も活発
(例) 日清紡生産拠点をインドネシアへ移転、また、ヤクルト、ダイハツ、大塚(ポカリスエット)、ヤマハ、味の素等、増設企業多数ある。(消費関連企業が強い)
(d)大きな国内市場と層の厚い若年労働力
人口は、約2億3千万人。民主主義国として、世界第3位に位置する大きな国内市場である。人口は若年層に厚みがあり、生産人口は63%に達する。
また、低所得者層の生活水準を上げようと努力しており、中間層には、より高みを目指している。
★出所;2009年11月19日、佐藤百合博士 三菱東京UFJ銀行経済講演会資料より

T-B 社会
(a)イスラム色は強いが、民主主義国家として西洋の価値観が定着しつつある。
(表現の自由、報道の自由が保障されている。スハルト時代に禁止されていた漢字も開放された。2009年の民主的総選挙も成功した。)
(b)国家標語でもある、「多様性の中の統一」が、行われている。多民族、多言語、多宗教の中で、お互いを尊重していく社会が形成されている。
(c)着実なインフラ整備の推進
(少々スピードは遅いが、10年前に比べ明らかに整備は進んでいる。)
(d)テロ事件は少なくなり、銃社会では無い。
(e)フォーマルな民族衣装として、バティックが2009年10月、ユネスコから、世界無形文化遺産に認定された。
(これで、インドネシアの世界無形文化遺産は、2003年のワヤン(影絵芝居)、2005年のクリス(短剣)に続いて3件目となる。
(d)食糧自給可能な農業(含む、多様な果物)

T-C 地理的優位性と豊かな自然
(a)広大な国土 190万?、(日本の約5倍)
(b)温暖な気候 熱帯に位置しているが、最高気温は、35度を超えることは稀、朝夕は涼しい。
(c)赤道にかかる真珠と称される、1万を超える大小の美しい島々。
(d)豊かな天然資源 (石油、LNG,ゴム)
(e)食糧自給可能な農業(含む、多様な果物)
(f)バリの観光資源、ボロブドゥ−ル等の世界遺産。
(g)豊富な水産資源もあり、海洋国家としての発展も推進中。

T-D 国際的評価の上昇★
(a)外交は地域から世界へ
「ASEANの盟主」→「イスラム大国にして民主化を成し遂げた世界の有力新興国」→国際フォーラム主催国(バリ民主主義フォーラムを主催)
(b)グローバル危機下で、国際的評価が急上昇
(1)“BRIICs” (Morgan Stanley 2009.6)
【理由】資源・人口の優位性/政治・政策改革/資本コストの構造的低下
(2)“Chindonesia” (CLSA: Nicholas Cashmore 2009.7)
【理由】若年労働人口と都市大市場/中印へのパーム油と燃料炭の供給
(3)格付け2段階アップ(Fitch /Moody`s/S&P 2009.6-9)
(4)G20 の一員へ(2008.10〜) ASEAN の中で、タイでもマレーシアでもなくインドネシアが選ばれた。
(5)2009年の選挙の成功を欧米メディアが高く評価
★出所;2009年11月19日、佐藤百合博士 三菱東京UFJ銀行経済講演会資料より

U 主観的に生活実感として感じる魅力

U-@ インドネシア人の魅力(実感する特徴)
(a)紳士的‐挨拶は必ず(毎朝握手)大声で人前で、怒ることは嫌われている。
(b)プライドは高く、上司を必ずしも、尊敬することは無い。冷静に人を観察する。
(一番尊敬するのは神のみ)
(c)高級携帯電話(たとえばカナダ製ブラックベリー)の急速な普及。新しくて高品質なものに敏感
(d)生産現場での実感 → 手先は器用で、我慢して根気強く作業を続ける人が多い。
(e)愛想が良い。(「微笑みの国」とも言われる由縁)
(f)清潔−1日3回の入浴(水浴)が原則、元祖ウオッシュレット(トイレ後、必ず水で洗浄)
(g)早寝早起き(イスラム教徒のお祈りは、毎朝4時から)
(h)肥満の人は少ない。(賄賂を長く受けている中年警官、官僚には、肥満が多いが。)

U-A インドネシア人の親日性
(a)日本が戦後最大で最長の経済援助国。
(b)相対的に薄い反日感情
日本は、第2次大戦中一時(1942年3月〜1945年8月)占領しているが、他のアジア諸国(例えば中国、韓国)に比較して、反日運動は少ない。
(c)華僑、韓国人に比較して、日本人により親近感がある。
華僑 : 投下資本の果実を海外へ逃避。(日本人は、製造業の進出が中心で、当地に投資し、インドネシア人に技術を伝授し、丁寧に教育し、それぞれの工業団地で感謝される事が多い。)
韓国人 : 気性が激しく、ゴルフ場、カラオケでも過剰なサービスを要求。
(在留邦人が、1万人に比較して、韓国人は、5万人を越えているといわれている。人数が多いので、様々な人がいるからかもしれない。)

U-B インドネシアの居住性
(a)時間に鷹揚。(Jam Karet−伸び縮みするゴムの時間の意。)
(着任当時は、この習慣に苛立つことも多かった。)
(b)お手伝いさんを雇う習慣。下着までアイロンをする。幼児を抱える家庭、単身赴任には快適である。
(c)温暖な気候。厚着をする必要は無く、また、熱帯でも朝夕は、涼しい。
(d)米が主食。日本人より米を食べる。朝食にパンを食べる習慣は無い。インスタントラーメンの大消費国。麺類の消費は多い。
(e)礼儀正しい。これは宗教の影響もあると考える。イスラム教徒は、ソラマレク、キリスト教徒はシャローンと言って毎朝握手で、しっかりと挨拶する。
(f)物価は日本と比較して安い。

U-C 生活実感としての魅力−日米と比較
【アメリカとの比較】 (筆者は、87年から92年まで、ニューヨークに駐在した)
(a)比較的安全−銃社会ではない。
(b)車は日本と同じ左側通行。単位も日本と近い。インドネシアでは、m、s、℃を使用。アメリカでは、ft、オンス、華氏で、単位の換算が手数。
(c)人種差別は相対的に少ない。(アメリカでYellow Jap と言われたことはあるが、当地では、無い。)ただし、黒人はOrang Hitam と呼んで、恐れられている。
(d)インドネシア人は、一般的に英語があまり、上手ではない。日本人も英語コンプレックスを感じなくてすむ。
(e)ウーマンリブではない。男尊女卑とは、いかないまでも男を立てる雰囲気は残っている。
(f)概して、インドネシア人は小柄。アメリカでは、男女を問わず体格に圧倒されていた。
【日本との比較】 
(a)時間に追われず、鷹揚である。
(b)宗教の尊重、役所への届けで、無宗教は受理されない。
(c)経済的合理主義(金儲け優先主義)が、日本より、ゆるいと感じる。
(d)近所、職場での助け合いの精神が高い。
ゴトン ヨロン(=ジャワ語で相互扶助の意味)とインドネシアで言われているが、アチェ地震の時、鋭く感じた。運転中脱輪して、近くに居た数人がすぐに助けに来てくれた。
(e)伝統的公設市場、Papa-mama shop (日本で言う田舎のよろずやが残っている。)
(f)暴飲・暴食はしない。イスラムでは、アルコールは原則禁止。 飲酒運転は稀有。
(g)薬物に対する厳しい取締り。(日本より厳罰である。)
(h)職場より、家族を重んじる。(大家族主義が残っている。)
(i)若年層が多く、高齢化が進んでいない。街に活気が満ち溢れている。

U-D インドネシア語の魅力
(a)日本人には、導入しやすい。(駐在員も1〜2年で日常会話ができる人が多い。)
【理由】ローマ字読み、発音が容易、文法も動詞の活用が無く、時勢の変化も無い。
(b)アラビア語、オランダ語、英語等を語源とする言葉も多く、学習者にとっても興味深い。
(c)東南アジア諸国では国際性もある。マレーシアのマレー語と90%、フィリピンのタガログ語20%は、共通の単語がる。
(d)統一語として、全国で通じる。

V おわりに
1.インドネシアの魅力について、客観的な面と、10年間の生活実感を元に、考察してきた。
2.2003年3月、初めてイスラム教の国に赴任して、宗教が日常生活に大変な影響をもたらしていることに、驚いた。
3.その後、当地で結婚するために、プロテスタントに改宗して、当地の少数派(少数派と言うものの、3千万人はいるし、華僑の中では多数派である。)のプロテスタントの宗教心の高さを目の当たりにして、大変、感銘を受けている。
4.仏教徒とは名ばかりで、殆ど無宗教と言える自分の人間としての弱さを認識した。
礼儀、神の前での平等、困難に直面しても粘り強く努力する(神が最終的には救ってくれると信じる)インドネシア人の人々を目のあたりにした。
87年から92年まで、アメリカに駐在した時も、宗教的な刺激は受けたが、インドネシアの方が、宗教がより、人生の、生活の中心にあるように感じる。
4.インドネシアに対して今までは、その欠点に私の目がいきがちだった。これは日本人としての偏見的、優越感がどこかにあった事は否めない。この国の魅力を考察すると潜在的能力の高い点を再認識した。
5.世界的にも注目されてきたインドネシア、佐藤百合博士が言う「イスラム大国にして民主化を成し遂げた有力新興国」インドネシア、その魅力に対する興味をこれからも探って生きたい。

以 上