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インドネシア

作成年月日:2009年2月25日

職業能力基準、職業能力評価制度

4.1  職業能力基準

2003年新労働法第13号に基づき、職業訓練プログラムは職業能力評価基準に適合するものでなければならない。「2006年第13号国家職業訓練制度に関する大統領による決定」においても、職業訓練及び職業能力認定は、SKKNI(Standard Kompetensi Kerja Nasional Indonesia:国家職業技能適性基準)及び特定技能基準に基づかなくてはならないと明記されている。SKKNIは、知識、技術及び国内において、同職種に就くための最低限の職務遂行能力に分類することができる。SKKNIの根拠となる条文は以下のとおりである。

  1. 2003年新労働法第13号
  2. 2003年国家教育制度に関する新労働法第20号
  3. 2004年国家職業評価機関に関する大統領決定第23号
  4. 2006年国家職業訓練制度に関する大統領決定第31号
  5. 2007年国家職業能力評価基準作成手順に関するMoMT(Ministry of Manpower and Transmigration:労働移住省)大臣決定第21号

4.1.1 制度概要

【職業技能適正基準の構造について】
SKKNIの編纂において、いくつかの注目すべき重要事項がある。

  • SKKNI編纂において、RSKKNI(Rencana Standard Kompetensi Kerja Nasional Indonesia:SKKNI計画)の骨組みとなる職業部門、分野、職種等については事前に分類する必要はなく、すべての職業分野がRSKKNIの作成の対象となるため、後々重複することがない。さらに監督機関は、RSKKNIがSKKNIと認定された後、監督及び継続管理しやすくなる。
  • 職業部門、分野、職種での分類は、BPS(Badan Pusat Statistik:統計局)によって出版されているKBLI(Klasifikasi Baku Lapangan Usaha Indonesia:職業分野、分類ガイドライン)に沿って行われる。
  • 職業部門、分野、職種の分類は、能力別ユニット数に関連するわけではなく、それぞれ職業分野におけるRSKKNIに適合した一連の職業能力範囲内で決定される。
  • RSKKNIの標準化のための編纂チームの構築及び運営責任者として、専門委員会を通じて、職業部門の監督者で構成された専門的部門が、監督機関としての責務を担う。
  • SKKNIの構造は、以下のように順序付けられている。
    1. 職業部門
    2. 職業サブセクター
    3. 職業エリア
    4. 職業サブエリア
    5. 職種、専門分野、技能
    6. 能力別ユニット
    7. 基礎能力
    8. 職業遂行基準
    9. 職業上制約
    10. 評価基準
    11. 主要な能力
    ※出典:
    MoMT, Standardization of Competency and Training Program Directorate <www.skkni.com> accessed on 25 February 2009.

4.1.2 整備状況

【SKKNI作成手順】
専門委員会で作成されたSKKNI案は、更に専門家で構成された専門委員会で研究され、最終的に決定された後、RSKKNIとなる。そこで作成されたRSKKNIは、更にRSKKNI専門委員会が運営するワークショップ、RSKKNI事前会議で議論される。このRSKKNI事前会議は3回開催され、その結果は専門委員会からBNSP(National Board of Profession Certification:国家職業能力認定庁)へ提出され、職業能力認証手順として適正だという認証を受ける。
BNSPより認証を受けた草案は、専門委員会により追記され、専門委員会はRSKKNIがSKKNIになるための議事項目を作成し、協議会での審議を準備する。
専門委員会によって開かれる協議会では、各産業界の意見も重要な要素になることを考慮に入れられなくてはならない。この各産業界というのは、専門家集団、企業団、産業界、職業訓練機関、専門家、その分野での活動家、労働者組織、関連専門組織及びBNSPのことである。
RSKKNIの編纂は、適正な製造過程もしくはサービスの連続した分析、職務分析、産業界又は企業界での需要に見合った職業の分析及び職業能力を優先した労働市場に関しての分析に基づき、RSKKNIの草案の準備から始められる。

  1. 計画
    RSKKNIの編纂は、各職業部門の専門家が主導する。ここでの専門家組織とは、各産業界の専門家により指定された規則に従って運営されているRSKKNIの主要部分を作成する組織のことである。ここでの主要な計画は、少なくともその労働部門の人材育成に必要なSKKNIを編纂するために、さまざまなタイプと数の労働分野を含むこととする。
    人材育成の必要性というのは、その分野の成功を担う能力を持つ人材の育成の必要性のことを指している。この主要な計画は、特定された優先順位に沿って、それぞれの労働部門で必要な能力に併せた短期、中期、長期といった期間全体を描いたものである。
    RSKKNIおける主要計画の作成については、その部門の専門家組織がすべての投資家を視野に入れ、その労働部門の、公的技能集団、産業界、企業団からの要望に注意を払わなくてはならない。
  2. RSKKNIの編纂
    RKKNIの編纂は、2003年新労働法第13号もしくは、旧労働法で規定されているSKKNIの条項に含まれていない。職業標準化に関するものとは別の規定に根拠をおいた専門的基準に基づいて国内の制度は運営されており、国家職業能力評価基準として位置付けられ、より高度で新しい規定を根拠としているものである。
    また、更に国際機関に提出することにより、この基準が信頼性の高いものとなり、世界規模のMRA(Mutual Recognition Agreement:相互承認協定)フォーラムで既に承認を受けている職業能力評価基準と比較することができる。RSKKNIは、SKKNI制作委員会もしくは、知識人、専門家、活動家、産業界及び産業部門の専門機関から構成された専門委員会によって組織されたRSKKNI編纂チームによって編纂される。
    RSKKNIの草案は、事前会議により討議される。事前会議での討議の結果、RSKKNIはBNSPへ持ち込まれ、職業能力評価過程の適性について承認を受ける。BNSPでの承認審査は、専門委員会もしくは産業分野の専門機関から議事項目が記載された書類と共に提出され、BNSPに草案が受理された日から起算して、長くても14稼働日以内で行われる。
  3. RSKKNIの決定
    産業部門の専門機関におけるRSKKNI専門委員会によって計画されたコンベンション・フォーラムを運営することを通して、RSKKNIは決定される。コンベンション・フォーラムは、知識人、専門家、活動家、訓練機関、産業界、監査人の各団体、MoMT及びBNSPにより運営されている。RSKKNIは、産業界といった各方面の要望に見合った基準であるということを前提に、コンベンション・フォーラムにおいてSKKNIとして承認される。
  4. SKKNIの承認
    コンベンション・フォーラムにて決定されたRSKKNIは、産業部門の専門機関によって、産業部門の機関の長を通じてMoMT大臣に提出されると同時に、その控えはコンベンション閉会後、BNSP長官に提出されることによってSKKNIとして承認される。
    RSKKNIがSKKNIとして職業能力基準を承認する産業部門の機関の長によって承認を受けるには、議会で審議した日付が付記された書類が産業部門の専門機関に提出された日から、長くても20稼働日内で承認される。その内容について、否認事項、修正事項、加筆事項がある場合は、段階を踏んで、口頭又は書面で行われる。
    SKKNIが議論を重ねて、MoMT大臣より承認された後、産業部門の専門機関へ提出され、国内の基準として受入れられる。
    国内で承認を受けたSKKNIは、教育機関、職業訓練、技能検定、職業能力認証等を運営する際の基準となる。MoMT大臣より認証を受けたSKKNIは、各産業分野の専門機関を通して専門家からの要請に応じて、5年に1度見直される。

4.1.3 利用状況

MoMT省令によって認証されたSKKNIは表4-1のとおりである。

表4-1 産業別能力ユニット数
産 業 職 種 省 令 ユニット数
農業及び漁業 汽水養殖業 Kep.190/2005 79
船舶 Kep.191/2005 32
海藻漁 Kep.203/2005 38
鮮魚陳列容器 Kep.212/2005 65
海洋漁技能 Kep.213/2005 39
海洋漁法 Kep.195/2005 43
果樹園 Kep.192/2005 74
野菜栽培 Kep.196/2005 67
クリサン式農業 Kep.171/2007 84
アグロメナ式農業 Kep.172/2007 76
細胞組織培養 Kep.99/IV/2008 70
電気、鉱業及び
エネルギー
電気設備工事 Kep.170/2007 157
陸地採掘 Kep.241/2007 50
ガス及び石油研究所での調査 Kep.242/2007 45
採掘営繕 Kep.243/2007 50
環境管理システム Kep.244/2007 9
昇降機・輸送機の運転 Kep.245/2007 56
航空 Kep.246/2007 12
職業安全及び健康 Kep.248/2007 25
生産 Kep.250/2007 91
地震調査 Kep.251/2007 47
ボイラー Kep.254/2007 16
電気配線・配管 Kep.268/VI/2007 145
送電・導電 Kep.269/VI/2007 220
長期採掘計画 Kep.27/II/2008 26
水力発電所 Kep.107/V/2008 73
ディーゼル発電所 Kep.110/V/2008 66
製造業 衣類 Kep.157/2004 24
小型乗用車 Kep.116/2004 131
オートバイ Kep.95/2005 58
金属機械 Kep.240/2004 233
塗装 Kep.102/2007 81
被覆アーク溶接 Kep.342/X/2007 31
自動車工場 Kep.45/II/2008 44
洋裁 Kep.91/1V/2008 26
非被覆アーク溶接 Kep.105/V/2008 59
通信 コンピュータ操作 Kep.94/2005 27
コンピュータ・プログラマー Kep.142/2005 91
コンピュータ・ネットワーク 管理システム Kep.269/2005 74
コンピュータ技術サポート Kep.272/2006 80
マルチメディア Kep.115/2007 95
広報 Kep.39/II/2008 70
衛星通信技術 Kep.114/VI/2008 50
文化、旅行及び芸術 旅行業 Kep.238/2005 103
ホテル及びレストラン Kep.239/2004 265
スパ Kep.141/2005 56
船舶乗員用料理人 Kep.41/2005 19
健康 研究員 Kep.271/2004 71
看護師 Kep.148/2007 102
金融 銀行 Kep.263/2004 10
銀行リスク管理 Kep.234/2006 32
金融サービス協力・斡旋 Kep.133/2007 52
財務・資産管理 Kep.100/2007 34
宝石商・両替商 Kep.274/VII/2007 28
会計士 Kep.43/III/2008 25
建設 調査 Kep.131/2007 51
サービス、コンサルタント及び商業 家事サービス Kep.43/2005 86
理容師 Kep.93/2005 57
警備保障 Kep.112/2006 29
事業及び管理コンサルタント業 Kep.109/2007 18
被服デザイン Kep.116/2007 25
フラワー・デザイン Kep.130/2007 63
ヨギャカルタ式婚礼 Kep.132/2007 87
スンダ式結婚 Kep.134/2007 92
ベタウィ式結婚 Kep.142/2007 92
ソロ式婚礼 Kep.173/2007 92
訓練及び評価 Kep.196/IV/2007 16
秘書 Kep.195/IV/2007 46
輸出・輸入業 Kep.247/2007 50
介護 Kep.249/2007 60
飲食業 Kep.318/IX/2007 77
健康及び安全 Kep.42/III/2008 30
※出典:
MoMT, Standardization of Competency and Training Program Directorate <www.skkni.com> accessed on 25 February, 2009.

4.2 職業能力評価・資格制度及び実施状況

4.2.1 制度概要

  1. 資格制度の枠組み
    資格制度の枠組みは、基本的にはRSKKNIに組み込まれる職業分野ごとに段階的資格制度として作成されるものである。
    国家職業訓練制度に関する2006年第31号インドネシア共和国大統領決定第5項によると、KKNI(Kerangaka Kualifikasi Nasional Indonesia:インドネシア国家職業資格制度)枠組みは、レベル1から最高レベル9までの9レベルに分類されると記載されている。資格制度の枠組みについては、表4-2のとおりに分類される。
    表4-2 インドネシア国家職業資格制度枠組み分類
    資格
    レベル
    実施内容 知 識 責 務
    1 ・制限された範囲
    ・平常化のための繰り返し
    ・一定の内容内
    ・表現化
    ・制限された知識の応用
    ・新しいアイデアは不必要
    ・ガイドラインに沿った実施
    ・直接監視下での実施
    ・他人への責務なし
    2 ・更に広い範囲内
    ・確立化による平常化
    ・一般常識をふまえた制限付き選択肢
    ・知識の応用
    ・運営上の基礎
    ・必要な情報の活用
    ・基本的な問題解決への適用
    ・新しいアイデアの必要性
    ・ガイドラインに沿った実施
    ・間接的監視下でのクオリティーコントロール
    ・量及び質に対する一定の責任
    ・他人を指導する責務
    3 ・広範囲での実行及び基本となる必要な技術
    ・さまざまな手順の選択
    ・平常化したさまざまな内容
    ・関連した専門的知識の応用
    ・有益な情報の解釈
    ・予測と検討
    ・基本的なさまざまな解決法の適用
    ・自主的なガイドラインに沿った実行
    ・間接的監視下でのクオリティーコントロール
    ・成果における数量に対する適当な責務
    ・他人の職務遂行成果に対する責務
    4 ・広範囲での実行及び特別な技術と一般常識
    ・さまざまな手順の選択
    ・異常事態での対応と平常化した内容
    ・多くの関連した専門的コンセプトを基礎とした広い知識の応用
    ・有益なデータに対する分析及び解釈
    ・具体的問題もしくは異常事態でのさまざまな問題解決法
    ・自主的計画の実施
    ・広い指導及び評価の下での実施
    ・成果における数量に対する完全な責務
    ・他人の職務成果の質量に関する責務
    5 ・広範囲での実行及び専門的な共通した技術
    ・基本的手順もしくは基本的ではない手順に対する現実的な幅広い選択肢
    ・習慣化した内容、習慣化していない内容
    ・職業分野における十分な深い研究に基づいた幅広い知識の応用
    ・多岐にわたる有益なデータの分析及び解釈
    ・論理的要素を含む問題解決のための正しい方法と手順の決定
    ・自主的活動並びに他人への指導
    ・ガイダンスに基づき、さまざまな共通機能での実施
    ・高い成果と質に責務を負う活動
    ・チームワークの成果に対する責務
    6 ・広範囲における実行及び特別な専門的共通技術
    ・基本的手順もしくは基本的ではない手順、またはその基本的ではない手順の組み合わせに対する実践的な幅広い選択肢
    ・安定な非合法的な習慣化した状態での速やかな対応
    ・いくつかの職業分野の環境に特化した知識
    ・広範囲の情報の再生と評価
    ・具体的もしくは抽象的問題の解決のためのステップ構築
    ・実行と実行プロセスに関するマネイジメント
    ・実行に対する幅広い分類
    ・個人もしくはチームの仕事の成果目標の決定に対する完全な責務
    ・組織での職務成果に対する責任
    7 下記に関するスキル、知識、他人に対する責務
    ・職業分野における主要な人物に対する系統的で論理的な説明
    ・職業分野における研究、学術的調査、自主的な活動を通して鋭き、他人にも理解できる分析の中で独自の理論を展開
    8 下記に関するスキル、知識、他人に対する責務
    ・職業分野の包括的理解
    ・国際的に認知されたスタンダードに基づいた学術的研究及び活動プロジェクトの計画及び実行
    9 下記に関するスキル、知識、他人に対する責務
    ・国際的スタンダードに基礎をおき、独立した専門家に評価を受け、学術的調査及び活動を通して得た、更なる知識の発展
  2. 資格制度の枠組みの決定
    資格制度の枠組みの決定は、各職種、職業の下から上のレベルまでの資格分類に基づいて、それぞれのセクター、サブセクター、職業分野及びサブ職業分野ごとのRSKKNIの中で行われる。国家職業訓練制度に関する2006年第31号インドネシア共和国大統領決定第5項によると、KKNIは、必ずしも9レベルに分類される必要はないとのことである。
    各職業部門のRSKKNIの編纂においては、それぞれのセクター、サブセクターでの同意に基づいて、職業分野、ポジション又は職業の必要性の面で妥当であることを前提に、下から上までのレベルが決定されるべきだということである。
    ※出典:
    MoMT, Standardization of Competency and Training Program Directorate <www.skkni.com> accessed on 25 February, 2009.

4.2.2 評価の実施状況

調査中

4.3 相互認証

調査中


参考文献

  1. Ministry of Manpower and Transmigration, Standardization of Competency and Training Program Directorate <www.skkni.com>

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