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インドネシア

作成年月日:2009年8月15日

雇用労働関係法令

1.1 雇用労働関係法令一覧

 労働力に関する労働基本法として、労働に関する法律2003年第13号があり、民間企業と国営企業に対して適用される。公務員の場合は、公務員基本法に関する法律1974年第8号がある。また、警察官についてはインドネシア共和国国家警察に関する法律2002年第2号があり、軍人については、インドネシア共和国国家警察に関する法律2004年第34号がある。
 インドネシアにおける規則の順位は、法規制定に関する法律2004年第10号に以下のとおり規定されている。

  1. 1945年インドネシア共和国憲法(UUD 1945)
  2. 法律また法律に代わる政令(Undang-Undang / PERPU)
  3. 政令(Peraturan Pemerintah)
  4. 大統領令(Keputusan Presiden)
  5. 地方行政区規定(Peraturan Daerah)

 基本的にインドネシアの第一の基本法は1945年の憲法である。低位にある法律の原理は上位の法律に相反するものであってはならない。それに加え、法律の実施においては、詳細説明のための大臣令があり、また職員に対する指導として大臣規定がある。

  1. 雇用労働関係法令一覧
    • 1958年船員の身分証明書条約(第108条)に関する、2003年ILO条約第185号承認に係わる法律2008年第1号
    • 人身売買犯罪に対する法律2007年第21号
    • 国家安全保障システムに関する法律2004年第40号
    • インドネシア移民労働者の保護と斡旋に関する法律2004年第39号
    • 労使紛争解決に関する法律2004年第2号
    • 工業並びに商業における労働検査官に関する法律2003年第21号
    • 労働に関する法律2003年第13号
    • 労働組合に関する法律2000年第21号
    • 人権に関する法律1999年第39号
    • 職業と地位の差別に関する法律1999年第21号
    • 労働者の最低年齢に関する法律1999年第20号
    • 強制労働排除に関する法律1999年第19号
    • 障害者に関する法律1997年第4号
    • 年金基金に関する法律1992 年第11号
    • 労働者の社会保障に関する法律1992年第3号
    • 女性の差別についての協定承認に関する法律1984年第7号
    • 職場での労働報告義務に関する法律1981年第7号
    • 労働安全に関する法律1970年第1号
    • 男女均等賃金に関する法律1957年第80号
    • CBA交渉への権利と基本的権利の行使に関する法律1956年第18号
    • 労働法承認に関する法律1951年第3号

  2. 雇用労働関係政令一覧
    • 外国での個人の所得税に関する政令2008年第80号
    • 人身売買の参考人又は犠牲者に対する便宜の仕組みと手続きに関する政令2008年第9号
    • 障害者福祉向上の説明に関する政令1998年第43号
    • 国家認証機関に関する政令2004年第23号
    • 三者協力機関の手続きと構成に関する政令2005年第8号の改訂、2008年第46号
    • 国家、州、地方の間の行政に関する政令2007年第38号
    • 社会保障プログラム策定に関する政令1989年第14号の改訂、1998年第79号
    • 労働者の社会保障に関する政令1993年第14号
    • 賃金の保護に関する政令1981年第8号
    • 特定の裁判官の採用と解雇の手続きに関する政令2004年第41号
    • 社会保障プログラム策定に関する政令1989 年第14号の改訂、2007年第76号
    • 公務員採用に関する政令2000年第98の改訂、2000年第11号
    • 労使紛争解決に関する法律2004年第2号の検証延長に関する政令2005年第1号
    • 三者協力機関の作業手続きと構成に関する政令2005年第8号
    • 受理した労働情報と労働予測実施手続きに関する政令2007年第15号
    • 労働者の社会保障に関する政令1993年第14号の改訂、2005年第64号

  3. 労働省令
    • 賃金構造と賃金基準に関する労働省令KEP.49/MEN/2004
    • 職種情報の分類とデーターの特徴に関する労働省令KEP.268/men/X11/2008
    • 2009年国家安全月間推進に関する労働省令KEP.201/MEN/IX/2008
    • 個別企業の海外人事配置に関する労働省令KEP.201/MEN/IX/2008
    • 職業紹介認可を解除する人事任命に関する労働省令KEP.200/MEN/IX/2008
    • 賃金上昇率は経済成長率を上回らないとする共同省令01TAHUN2008、KEP.24/MEN/11/2008、SKB/01/M.PAN/2/2008

1.2 労働基準関係法令

  1. ILO条約
    インドネシアは以下のとおり、17のILO条約を批准した。
    • 第19号条約 1925年均等待遇(災害補償)、1950年批准
    • 第27号条約 1929年重量標示(船舶運送の包装貨物)、1950年批准
    • 第29号条約 1930年強制労働、1950年批准
    • 第45号条約 1935年坑内作業(女性)、1950年批准
    • 第69号条約 1946年船舶料理士資格証明、1992年批准
    • 第81号条約 1947年労働監督、2004年批准
    • 第87号条約 1948年結社の自由及び団結権保護、1998年批准
    • 第88号条約 1948年職業安定組織、2002年批准
    • 第98号条約 1949年団結権及び団体交渉権、1957年批准
    • 第100号条約 1951年同一報酬、1958年批准
    • 第105号条約 1957年強制労働廃止、1999年批准
    • 第106号条約 1957年週休(商業及び事務所)、1972年批准
    • 第111号条約 1958年差別待遇(雇用及び職業)、1999年批准
    • 第120号条約 1964年衛生(商業及び事務所)、1969年批准
    • 第138号条約 1973年最低年齢、1999年批准
    • 第144号条約 1976年三者間の協議(国際労働基準)、1990年批准
    • 第182号条約 1999年最悪の形態の児童労働、2000年批准

  2. 労働基準に関する法令
    • 労働に関する法律2003年第13号
    • 労働組合及び労働者団体に関する法律2000年第21号
    • 人権に関する法律1999年第39号
    • 職業と地位の非差別に関する法律1999年第21号
    • 労働者の最低賃金に関する法律1999年第20号
    • 強制労働排除に関する法律1999年第19号
    • 女性差別排除に関する条約承認法律1984年第7号
    • 労働安全衛生に関する法律1970年第1号
    • 同一労働の男女均等賃金に関する法律1957年第80号
    • 労働者の社会保障に関する法律1992年第3号

1.2.1 労働契約

 労働契約については、労働に関する法律2003年第13号第50〜66条に定められている。労働契約は基本的に書面で交さなければならない。しかしながら、さまざまな事情を考慮した上であれば、口頭での契約も可能とする。労働契約には、有期契約と、無期契約がある。外国企業の場合、労働契約はインドネシア語と外国語の両方で記載する。インドネシア語と外国語の記載により解釈上の相違が生じた場合は、インドネシア語に従う。
 有期労働契約では試用期間を設けることができない。また、恒久的な性質を持つ仕事について、有期労働契約を締結することはできない。有期労働契約を延長しようとする企業は、当該労働者に対し、契約満了の7日前までに書面で通知しなければならない。有期労働契約の更新は、その期間の労働契約終了から30日以上の猶予期間を経過した後、更新することができる。有期労働契約の更新は、2年以内の期間に限定される。
 無期労働契約は、3カ月以内の範囲で試用期間を設けることができる。試用期間も、賃金は定められた最低賃金額を下回ってはならない。企業主が交代する場合、譲渡契約に記載のない限り、新しい企業主が労働者の権利を満たす責任がある。その譲渡契約は労働者の権利を狭めるものであってはならない。無期労働契約が口頭でなされた場合、企業主はその労働者に対して、採用通知を出す義務がある。
 有期契約に関する他の規則は以下のとおり。

  • 労働移住大臣決定234/MEN/2003:特定地域でのエネルギーと鉱物資源業種における労働時間と休憩時間について
  • 労働移住大臣決定KEP.233/MEN/2003:継続的に行われる労働の種類と特徴について
  • 労働移住大臣決定KEP.49/MEN/2004:賃金構造と賃金基準の規定について
  • 労働移住大臣決定KEP.80/MEN/V/2004:シンガポールにおけるインドネシア移住労働者の斡旋について
  • 労働移住大臣決定KEP.100/MEN/VI/2004:有期雇用契約について

1.2.2 解雇規則

 解雇の規則は労働に関する法律2003年第13号第50〜60条に記載されている。雇用の終了は回避すべきであり、回避できない場合は交渉を優先し、その後労働裁判所の決定を仰ぐべきと法律に記載されている。したがって、雇用者と労働者あるいは労働組合、政府は雇用が終了しないようあらゆる努力をしなければならない。あらゆる努力にもかかわらず、雇用契約の終了が避けられない場合は、雇用者と当該労働者が属する労働組合(当該労働者が非組合員の場合は、雇用者と解雇される労働者)の間で、雇用の終了について協議しなければならない。協議で合意が得られない場合は、労使紛争解決機関の決定を受けてから初めて、雇用者は雇用を終了させることができる。雇用関係が終了する場合は、雇用者は解雇する労働者に、退職金又は雇用期間に提供された役務への謝礼、そして資格、権利に対する補償金を支払わなければならない。解雇にあたって紛争が生じた場合は、両者の合意による解決、あるいは労使紛争解決に関する法律2004年第2号に従い、労働裁判所で解決しなければならない。

1.2.3 賃金、労働時間、休憩、休日、年次有給休暇、時間外及び休日労働、時間外の割増賃金

  1. 賃金
     すべての労働者は人間らしい生活をする権利がある。そのために政府は労働者を保護する賃金政策を策定している。その政策には、最低賃金、時間外労働手当、休暇中賃金支払い、実行しなければならない仕事以外の活動に対する賃金支払い、休暇の権利行使時の賃金支払い、賃金の支払い方法、賃金から差し引く罰金、控除分、賃金として計算される他の項目、比例賃金の仕組みと基準、退職金の支払い、そして所得税の計算が定められている。労働者の生計に見合う収入とは、労働から得られる収入で、食料、飲料、衣服、住宅、教育、ヘルスケア、娯楽、高齢者支援等の必要性を満たして、家族の生計を維持できる収入を指す。
     賃金に関する規則には、労働に関する法律2003年第13号第88条〜98条、賃金保護に関する政令1981年第8号、時間外労働と時間外労働手当に関する労働移住大臣決定KEP-102/MEN/VI/2004、最低賃金に関する労働移住大臣決定KEP-226/MEN/VI/2000がある。賃金に関するその他の規則としては、賃金構造と賃金基準に関する労働移住大臣決定KEP.49/MEN/IV/2004がある。

  2. 労働時間
     すべての企業は労働時間に関する規定を遵守する義務がある。週6日勤務の場合、1日7時間、週40時間労働、又は週5日勤務の場合、1日8時間、週40時間労働となる。ただし、この規定は特定のビジネスセクターあるいは特定の職種には適用されない。適用外については、特定地域の鉱業セクターの労働時間と休憩に関する労働移住大臣決定PER-15/MEN/V11/2005のような省令に規定されている。

  3. 休暇
     雇用者は労働者に休憩と休暇を取らせる義務がある。雇用者は連続4時間の労働の後労働者に30分以上の休憩時間を与えなければならない。この休憩時間は労働時間に含まない。週当たりの休日は、週6日勤務の場合は1日、週5日勤務の場合は2日である。勤続1年以上で年間12日の休暇が取得できる。

  4. 有給休暇
     同一企業に連続6年勤務した労働者は、2カ月ほどの長期休暇を取る権利が与えられ、7年目と8年目にそれぞれ1カ月間ずつ取得できる。ただし、その年の年次有給休暇の権利はなくなる。8年目には、年休補償金として、2分の1カ月分の賃金を支給する。この規定はそれ以降、勤続6年ごとに適用される。休暇の期間については、労働契約、社内規定、労働協約で規定される。ただし、上記の長期休暇の規定は、古くから進出している特定の企業のみに適用される。特定の企業とは労働移住省、省令で規定されている。

  5. 時間外労働
     労働者は法定休日には働く義務がない。仕事が継続的に行われるものである場合、あるいは労働者と企業の間で契約がある場合は、労働者に対し法定休日の労働を命じることができる。その場合企業は、当該労働者に対して時間外労働手当を支払う義務がある。仕事の種類と性質に関しては、時間外労働と時間外労働手当に関する労働移住大臣決定KEP-102/MEN/VI/2004に規定されている。

  6. 休日労働
     労働者に対して法定休日に労働を要求する企業は、時間外手当を払う義務がある。仕事の種類と性質については、時間外労働と時間外労働手当に関する労働移住大臣決定KEP-102/MEN/VI/2004に規定されている。

  7. 時間外割増賃金
     時間外手当の計算は月給が基準となる。時間当たりの賃金の算出方法は月給の173分の1である。労働者の給料が日払いの場合の月給は、週6日労働の場合は、日給の25倍、週5日労働の場合は日給の21倍の計算となる。歩合制給与の場合、月給は過去12カ月の平均賃金となる。労働期間が12カ月未満の場合、1カ月の給与は労働期間に受け取った賃金の平均となるが、その場合も定められた地域別最低賃金を下回ってはならない。賃金が基本給と定額手当から構成される場合、時間外手当の計算基準は賃金の100%となる。賃金が基本給、定額手当、その他の手当からなる場合、基本給と定額手当の合計が総賃金の75%以下であるならば、時間外手当の計算基準は総賃金の75%になる。時間外手当の計算方法は次のとおりである。
    1. 時間外労働が就労日になされる場合、最初の1時間は時間給の1.5倍、それ以降については、1時間当たり時間給の2倍を支払わなければならない。
    2. 週6日40時間労働の場合、週の休業日あるいは法定休日の時間外手当の計算は、最初の7時間まで時間給の2倍、8時間目は時間給の3倍、9時間目、10時間目は4倍の計算とする。
    3. 法定休日が最短労働日と重なった場合の労働は、最初の5時間分の時間外労働手当は時間給の2倍、6時間目は時間給の3倍、7時間目と8時間目は時間給の4倍となる。
    4. 週5日40時間の労働時間の場合、週の休業日あるいは法定休日の時間外手当の計算は、最初の8時間が時間給の2倍、9時間目は3倍、10時間目と11時間目は時間給の4倍となる。

 時間外労働と時間外手当に関する省令よりも、条件の良い時間外手当の計算基準を実施している企業の場合は、その基準が有効である。時間外手当の計算に相違がある場合は、統治する市の労働調査官が金額について決定権を持つ。もし労使のいずれかにとって、この決定が受け入れられない場合は、州の労働調査官に再度決定を要請することができる。同一の州で1都市以上において企業の時間外手当の計算に相違がある場合は、州の労働調査官が金額を決定する。もし労使のいずれかにとって、この決定が受け入れられない場合は、労働移住省の労働調査官に決定を依頼することができる。州を越えて企業の時間外手当の計算に相違がある場合は、労働移住省の労働調査官が時間外手当の金額を決定する権限を有する。

1.2.4 年少者、女性、民族、外国人労働者、労働安全衛生、アウトソーシング(委託業務や派遣労働)

  1. 年少者
     企業による児童の雇用は許されていない。例外として、児童の精神的、肉体的、そして社会的な発達を妨げない範囲の軽作業においては、13〜15歳の児童の雇用が認められることがある。その場合、企業は以下の条件を満たす必要がある。
    • 雇用者は児童の両親、あるいは保護者から書面による同意を得ること
    • 雇用者は児童の両親あるいは保護者との間で労働契約書を取り交わすこと
    • 1日当りの労働時間は3時間以内とすること
    • 日中の労働は学校の授業時間を妨げないこと
    • 当局が公認する学校の教育カリキュラムあるいは訓練の一環であること
    • 14歳以上の児童に対して、どのように仕事を行うか明確な指示、指導及び監督がなされ、職務上の安全と健康への配慮がなされること
    • 自己の能力と関心を高めるために働くこと
     雇用者が児童を雇う場合、以下の条件を満たす必要がある。児童の能力と興味関心の向上に関する条例は省令に規定されている。
    • 児童は両親あるいは保護者の直接の管理監督の下に置くこと
    • 1日当りの労働時間は3時間以内とすること
    • 労働条件と労働環境が児童の肉体的、精神的、社会的な発達と学校の時間を妨げないこと

  2. 女性
     18歳未満の女性労働者は、夜11時から朝の7時までの労働が禁止されている。また、妊娠中の女性については、その時間帯の労働が本人と子供の健康と安全を損なう危険性がある旨の医師の証明書があれば雇用が禁止される。省令により、夜11時から朝の7時までの間に女性労働者を雇用する雇用者には以下の義務が課せられている。
    • 栄養豊かな食事と飲み物の提供
    • 職場における良識と道徳、安全の確保
    • 夜11時から朝の5時まで勤務する女性労働者への復路、又は往復の送迎の提供
    1. 生理休暇、労働に関する法律2003年第13号第81条
       生理の期間、苦痛を感じ、その旨を企業に伝えた女性労働者は、生理の初日と2日目は出勤しなくても良い。この規定の実施について、労働契約、就業規則、又は労働協約に規定しなければならない。
    2. 出産休暇、労働に関する法律2003年第13号第82条
       女性労働者は産科医又は助産師の診断に基づき、出産前1.5カ月、出産後1.5カ月の休暇を取得する権利がある。流産した女性労働者は、1.5カ月の休暇、あるいは産科医、助産師の診断書に基づき休暇を取得する権利がある。
    3. 労働時間中の授乳 労働に関する法律2003年第13号第83条
       企業は女性労働者に対し、労働時間中に授乳の必要がある場合は、適切な機会を与える義務がある。

  3. 労働安全衛生
     健康と安全に関する法律1970年第1号、労働に関する法律2003年第13号第86〜87条は、労働安全衛生に関する法律である。その2つの法律に加えて労働安全衛生に関しては、以下のように多数の規則がある。
    • 鉱山業における労働安全衛生の取り決めと検査に関する政令1973年第19号
    • 石油とガスの精製と製造における健康と安全に関する政令1979年第11号
    • 運輸と木材伐採における労働安全衛生に関する労働移住省令Per-01/MEN/1978
    • 安全検査官の条件、職務、権限、義務に関する労働移住省令Per-03/MEN/1978
    • 建築業の健康と安全に関する労働移住省令Per-01/MEN/1980
    • 軽消火器の設置と保守の要件に関する労働移住省令Per-04/MEN/1980
    • 加圧型のコンテナに関する労働移住省令Per-01/MEN/1982
    • 溶接工に関する労働移住省令Per-02/MEN/1982
    • 自動火災報知機の設置に関する労働移住省令02/MEN/1983
    • 電力設備と発電に関する労働移住省令02/MEN/1985
    • リフトと輸送機器に関する労働移住省令Per-05/MEN/1985
    • 健康と安全の標識に関する労働移住省令Kep-1135/MEN/1987
    • 健康と安全日に関する労働省移住大臣決定Kep-245/MEN/1990
    • 専門的職務の労働安全衛生の手続きに関する省令RI、Per-04/MEN/1987
    • 蒸気ボイラーオペレーターの資格免許と条件に関する労働省令Per-01/MEN/1989
    • クレーンオペレーターの資格と要件に関する労働省令Per-01MEN/1989
    • 雷電設置検査に関する労働省令Per-02/MEN/1989
    • 健康安全の専門家の職務、義務、権利と権限の手順に関する労働省令Per-02/MEN/1992
    • 石油パイプライン施工の安全に関する労働省令300.K/38/M.PE/1997
    • 鉱山業における労働安全衛生の検査監督に関する政令1973年第19号

  4. アウトソーシング
     労働に関する法律2003年第13号第64〜66条に請負契約と労働者派遣サービスについて記載されている。アウトソーシングの仕事は、非中核的な業務にのみ行われる。

1.2.5 就業規則、労働協約

 10人以上の労働者を有するすべての企業は就業規則を定めなくてはならない。その規則は大臣あるいは指名された政府職員により承認後、発効する。しかしながら、この就業規則を定めるという義務は、労働協約のある企業には適用されない。企業主は自社の規則を策定しまたそれについて責任を持つ。会社の就業規則は労働者代表の意見と提案を考慮して作成しなければならない。既に労働組合が社内にある場合は、労働者代表は労働組合の役員がなる。労働組合が社内にない場合、労働者側の代表は両者が合意する企業団体のメンバーか、労働者の利益を代弁する社内で民主的に選ばれた労働者がなる。
 企業の就業規則には少なくとも次の事柄を包含する必要がある。

  1. 企業の権利と義務
  2. 労働者の権利と義務
  3. 労働条件
  4. 企業の規律と行動基準
  5. 就業規則の有効期間

 就業規則は現行の法律と規則に反してはならない。就業規則の有効期間は2年間で期限到来時に更新される。就業規則の有効期間内に労働組合が労働協約作成の交渉を求めた場合は、企業はそれに応じなくてはならない。もしその交渉が合意に至らない場合は、現行の就業規則がその期限まで有効となる。就業規則と労働協約の作成、延長、変更、登録等の必要条件と手続きに関する条項は、労働移住省大臣決定KEP-48/MEN/IV/2004に規定されている。

1.3 労使関係法令

1.3.1 労働組合

 1998年にインドネシアは結社の自由に関するILO条約第87号を批准し、労働組合に関する法律2000年第21号、そして労働組合の登録手続きに関する、インドネシア共和国労働移住大臣決定KEP.16/MEN/2001を発表した。あらゆる労働者は、労働組合を結成、加盟する権利を有する。労働組合は最小10人で結成できる。労働組合は、労働組合連盟を結成、加盟することができる。労働組合連盟は最小5つの労働組合で結成することができる。また労働組合連盟は、労働組合連合を結成、加盟することができる。労働組合連合は、最小3つの連盟により結成できる。労働組合と労働組合連盟と労働組合連合の階級的な取り決めは、組合規約か定款に規定される。労働組合、労働組合連盟、労働組合連合は、雇用者、政府、政党等から圧力や干渉を受けることなく労働者の自由意志で結成できる。労働組合、労働組合連盟、労働組合連合は労働者の意志に従い、産業別、また職種別、あるいは他のカテゴリー別に設立が可能である。すべての労働組合、組合連盟、組合連合は規約と定款を備えなければならない。規約は少なくとも次の事項を包含しなくてはならない。

  1. 名称と紋章、シンボル
  2. 公式の信条、組合の法定基準と目的
  3. 結成日
  4. 住所、所在地
  5. 会員、運営陣営
  6. 資金源
  7. 規約と定款の変更に関する条項

 ILO条約第87条の批准と、職場における労働組合に関する2000年の政令第21条が発令されて以来、92の労働組合連盟と3つの労働組合連合が登録された。2008年5月15日の経済産業省局長の実証報告によれば、全インドネシア労働組合連合(KSPSI)には16の労働組合連盟が加盟、組合員数は160万1,378人である。インドネシア労働組合連合(KSPI)には7つの労働組合連盟が加盟、組合員数は45万8,345人である。インドネシア福祉労働組合連合(KSBSI)には12の労働組合連盟が加盟、組合員数は33万7,670人である。いかなる連合にも加盟しない労働組合連盟は26あり、その組合員数は91万318人となっている。また、437の組合の9万7,924人は企業内労働組合にとどまり、いかなる労働組合連盟にも加盟してない。

1.3.2 労働争議解決システムに関する法令

  1. 労使紛争のタイプ
     労使紛争解決については、労使紛争解決に関する法律2004年第2号に規定されている。労使紛争には、権利に係わる紛争、利害に関する紛争、解雇に関する紛争、一企業内での組合間紛争の4つのタイプがある。労使紛争解決に関する法律2004年第2号によると、労使紛争は両者間の交渉で合意、解決を図らなければならない。この両者の交渉による解決は交渉開始から30日以内に行われなければならない。30日以内にどちらか一方でも話し合いを拒否した場合、あるいは交渉が決裂した場合は、両者の話し合いは不調とみなされる。
     両者間の交渉が不調に終わった場合、その一方が、紛争解決のために両者間の交渉がなされたという証明書を添付の上、地方の指定労働事務所に紛争内容を提出する。証明書が添付さていれない場合は、指定労働事務所から関係書類が返却され、その後7日以内に完全な形での再提出が求められる。地方の指定労働事務所は、書面での報告を受理した後、当事者双方に対し、調停又は仲裁による解決を選択するよう提案がなされる。もし両者が調停と仲裁による解決を7日以内に選ばない場合は、労働事務所はその紛争の解決を調停者に移管する。調停による解決は、利害に関する紛争、解雇に関する紛争、あるいは労組間の紛争解決のために行われる。仲裁による解決は、利害に関する紛争、又は一企業内での組合間の紛争解決のために行われる。調停あるいは斡旋による解決が合意に至らない場合は、両者のいずれかが産業関係裁判所に提訴することができる。

  2. 二者協議による解決方法
     交渉はすべて、両者が署名した議事録を証拠として残す必要がある。交渉議事録には少なくとも、両当事者の住所と氏名、交渉の日付と場所、紛争の元となる交渉議題、あるいは理由、両者の各々の立場、交渉結果の要約、そして交渉に関与した各当事者の署名と日付を載せなくてはならない。交渉により解決の合意が得られた場合は、労働協約が起草され、当事者により署名される。労働協約は法的拘束力を持ち、当事者は実行しなければならない。
     労働協約は、協約を締結した地方裁判所の産業関係裁判所へ当事者が登録しなければならない。登録した労働協約には、その協約と一体となる労働協約登録証書が与えられる。労働協約が一方の当事者により履行されない場合、損害を受けた側は、労働協約を登録した地方裁判所にある、産業関係裁判所に提訴し、履行命令を得ることができる。もしその履行の申立人が、労働協約を登録した地方裁判所の管轄外に居住する場合は、当該申立人の居住地の産業関係裁判所を通じて、執行権限のある産業関係裁判所の命令を求めることができる。

  3. 斡旋による解決
     斡旋による解決は、法律2009年第2号第8〜16条に規定されている。斡旋人による紛争の解決は、地方、又は市レベルの労働事務所に所属する斡旋人により行われる。労使紛争解決の責務を受けてから7日以内に斡旋人は問題を調査し、斡旋公聴会を準備しなくてはならない。斡旋により、労使紛争解決の合意に達した場合、労働協約が作成され、当事者が署名し、斡旋人が証人となる。労働協約は、登録証書を得るため管轄内の地方裁判所の産業関係裁判所に登録する。
     斡旋により労使紛争が解決しない場合は、斡旋人は最初の調停委員会開催から10日以内に書面で提案書を作成し両当事者に伝えなければならない。両当事者はその提案書を受け入れるか否かを、受理後10日以内に斡旋人に書面で回答しなくてはならない。回答がない場合は拒否したものと考えられる。両当事者がその提案書を受け入れた場合は、合意後3日以内に斡旋人は、労働協約の作成を手伝い、また登録証明を得るため管轄区内の地方裁判所の産業関係裁判所への登録を行わなくてはならない。

  4. 調停による解決
     調停による紛争の解決は法律2004年第2号第17〜18条に規定されている。調停による紛争解決は、地方、市レベルの労働事務所に登録された調停人により行われる。利害に関する紛争、解雇に関する紛争、あるいは一企業内における労働組合間の紛争は、労働者の勤務場所をカバーする地域で働く調停人により行われる。インドネシアの労使紛争の慣習では、調停人による解決という手段は、その費用を雇用者又は労働者が負担しなければならないため、ほとんど利用されない。費用のかからない方法として、地方の労働事務所の役人による斡旋がある。

  5. 仲裁による解決
     仲裁による労使紛争の解決は、法律2004年第2号第29〜54条に規定されている。労使紛争を解決する権限を有する仲裁人は、大臣から任命されなければならない。仲裁人の仕事の領域は、インドネシア全域である。仲裁による解決もまた、両当事者に利用されない。

1.4 労働保険関係法令

 労働保険の基本法は、労働者の社会保障に関する法律1992年第3号で定められており、労働者社会保障制度(JAMSOSTEK:インドネシア語でJaminan Sosial Tenaga Kerjaから由来)と呼ばれる。
 他の関連法規は以下のとおりである。

  1. 労働者の社会保障に関する政令1993年第14号、及び労働プログラムのための社会保障の実施に関する政令1998年第79号の更新
  2. 労働関連の疾病に関する1993年大統領令第22号
  3. 労働移住省令:加入登録、保険料、支払い給付金、労働者社会保障サービスのための技術的ガイドラインPER-05/MEN/1993

 JAMSOSTEKのプログラムは次のとおりである。

  1. 労働災害保険
  2. 死亡保険
  3. 老齢保険
  4. 医療保険

1.4.1 労働者災害補償保険

 労働者災害補償保険は労働者の社会保障に関する法律1992年第3号第8〜11条に規定されており、その施行に関しては、政令2008年第79号に規定されている。

  1. 労働災害保険料
     労働災害保険料は全額企業が負担し、金額は職種により定められている。職種グループ別保険料は、月給の0.24%、0.54%、0.89%、1.27%、1.74%の5段階がある。
  2. 労働災害保険の給付金
    1. 一時的な就労不能に対する給付
      • 最初の4カ月 :月給の100%
      • 次の4カ月 :月給の75%
      • それ以降 :月給の50%
    2. 障害補償
      • 部分的障害 :障害の程度に応じて、規定に基づき60カ月分の賃金を乗じた金額
      • 全体的障害 :60カ月分の賃金の70%を一括払い
                 :24カ月間、毎月2万5,000ルピアを分割払い※1
      • 脳機能障害 :60カ月分の賃金に重症度別の割合を乗じた金額を一括払い
    3. 死亡給付金
      • 一括払い :60カ月分の賃金の60%
      • 分割払い :24カ月間、毎月2万5,000ルピア
      • 葬儀費用 :40万ルピア
※1
1,000インドネシアルピア=9.3546日本円(2009年8月17日現在)

1.4.2 雇用保険

 現在雇用保険の規定はないが、PT. JAMSOSTEKという失業保険がある。

1.4.3 健康保険

 労働者の健康保険料は、既婚の場合は月給の6%、独身の場合は3%を全額企業が負担する。JAMSOSTEKのプログラムよりも優れた独自の健康保険制度を持つ企業の場合は、このプログラムを適用しなくても良い。健康管理は労働の生産性を高めるとの考えから、健康管理も保険給付の対象となる。保険適用対象者は、3人以内までの21歳以下又は未婚の子供と妻、あるいは夫のいる労働者に与えられる。以下、保険給付の対象事項である。

  1. 健康管理
    • 第一段階での健康管理
    • その後の段階の健康管理
    • 入院
    • 妊娠の際のケアと出産
    • 診断のサポート
    • 専門的なケア
    • 緊急のケア

  2. 健康管理の施設
    • クリニック
    • 村落にある地域の医療センター
    • 個人のドクター
    • 病院 
    • 出産のための病院
    • 薬局
    • 眼科
    • 医療器具

1.4.4 年金

 年金は民間企業における労働者の年金に関する法律1992年第11号に規定されてる。公務員の年金は公務員積立保険制度(TASPEN)による年金貯蓄プログラムで運営されているが、民間企業の場合は他の年金取扱業者、あるいは企業自身が開発した企業年金プログラムにより運営が可能となっている。そのほか多数の年金取扱業者によるプログラムがある。

1.4.5 その他、独自の保険や基金に関する法令

 公務員の健康管理と年金プログラムを監督する多数の規則がある。最新の規則は国家社会保障制度に関する法律2004年第40号である。この法律は既に公布されたが、いまだ実施されていない。将来この法律は、社会保障と健康管理、年金、そして障害と死亡保険プログラムを包括するものとなろう。おそらくJamsostekは単に労働者のための障害保険となり、健康管理はASKES(Asuransi Kesehatan)と呼ばれる公務員健康保険制度に独立すると思われる。ただし、この制度の実施には、更なる行動計画が必要である。

1.5 職業能力開発法令

1.5.1 職業能力開発制度

 職業能力開発については、労働に関する法律2003年第13号第9〜30条、さらに国家職業訓練制度に関する大統領決定2006年第31号がある。職業訓練の目的は生産性と福祉の向上、また職務能力を高めることにある。実施については雇用関係の内外の領域で、労働市場とビジネス社会のニーズが勘案される。それぞれの職務能力に適した訓練プログラムを用意し、段階的に行われる。職業能力基準の作成手続きの条項は省議決に規定されている。労働者は職業訓練を通じて、自己の特性、興味、素質に適した職務能力を高める権利がある。また企業は、労働者の能力を高め、向上させる責任を有している。すべての労働者は自己の職務に関連する職業訓練に参加する平等の機会を有している。職業訓練は政府又は民間の職業訓練機関により実施される。職業訓練は訓練所、あるいは職場でも行われる。政府の職業訓練機関が民間部門と共同で行うこともできる。
 民間の職業訓練機関は、法人組織の形をとることも、個人経営の形をとることも可能である。地域の労働を管轄する政府機関の認可を受け、登録する義務がある。政府機関が運営する職業訓練機関は地方と都市において労働を管轄する政府機関にその活動を登録しなくてはならない。第2、3条にある職業訓練機関による当局許可の取得と登録手続きについては、省令で規定されている。
 職業訓練の提供者は次の要件を満たしているか確認する義務がある。

  • 訓練指導員を擁すること
  • 職業訓練のレベルに応じたカリキュラムがあること
  • 職業訓練のための施設と設備があること
  • 継続的に職業訓練活動を行うための資金を調達できること

 許可を受けた民間の職業訓練機関、あるいは登録済みの政府の職業訓練機関は認証機関から認定を受けることができる。認証機関は独立した機関で、地域社会と政府との混成からなり、大臣決定により設立される。第2条にあるその認証機関の組織と業務手続きについては大臣決定で規定されている。
 地域の労働を管轄する政府機関は、職業訓練の組織と運営に関連する活動において、実施する職業訓練が本来の方向に向かっていない場合、又は要件を満たしていない場合に、その訓練を一時的に停止させることができる。組織と運営活動を一時的に停止させる際は、その理由と併せ、是正のための提案が必要であり、その停止期間は6カ月以内とする。その職業訓練の運営の一時的な停止は、第9条と第15条にある必要条件を満たさない訓練プログラムに限定される。6カ月以内に第2条区分にある是正の行動を終了しない職業訓練の提供者は、訓練の終了を採決する制裁を免れない。第4条にある終了命令に従わず訓練プログラムを続行した場合は、職業訓練提供者としての許可が取り消され、登録も抹消される制裁を受ける。訓練プログラムの一時停止、停止、許可の取り消し、登録の抹消の手順については大臣決定で規定されている。
 労働者は政府の職業訓練機関、民間の職業訓練所による職業訓練の参加後、あるいは職場での職業訓練の参加後に、職務能力が認定される。認定に際しては、職業能力認定証が発行される。認定のための独立した専門認証機関を設立することが可能である。認証機関設立の手続きに関する条項は、大統領令で規定されている。
 なお、職務経験のある労働者も、職務能力認定書を取得するために職業訓練に参加することができる。また、仕事が可能な身体障害者に対する職業訓練の規定は、障害の種類と重症度、及び本人の能力が考慮される。
 人材開発における職業訓練の改善を支援するために、あらゆる分野の職業訓練の運営に役立つ国家職業訓練制度を開発しなければならない。その国家職業訓練の形態、仕組み、制度的な取り決めは、政令で規定される。見習制度による職業訓練も実施する。見習訓練は、訓練生と雇用者の間で見習契約の書面を取り交わして実施する。見習契約には、少なくとも期間、訓練生と雇用者双方の権利と義務を織り込む必要がある。書面により見習契約がされていない場合、契約なしでの見習訓練は非合法であるため、見習訓練生の地位は企業の労働者としてみなされる。

1.5.2 職業能力評価制度

 見習訓練プログラムを終了した労働者は、企業又は証明機関に承認された職務能力と資格を得る権利を有する。見習訓練は企業内、職業訓練所、あるいはインドネシアの国内、国外を問わない他の企業においても実施することができる。インドネシア領域外で行われた見習訓練については、大臣あるいは任命を受けた政府職員から認可を得なくてはならない。その認可を得るためには、見習訓練の主催者は現行の法律と規則に沿う、インドネシアの合法的な法人でなければならない。インドネシア国外で実施される見習訓練の許可取得については、以下の点を考慮する必要があると、省令で規定されている。

  • インドネシアの国民としての地位と尊厳
  • より高いレベルでの職務能力の習得
  • 宗教的な義務を行う権利を含む見習訓練生の保護と福祉

 大臣あるいは指名を受けた政府職員は、上記の点に従っていないことが判明した場合、見習訓練の終了を命令することができる。大臣は適任の企業に対して実習プログラムを作成させることができる。要件を決定するにあたっては、大臣は企業の利益と社会、そして国家の利益を考慮しなければならない。職業訓練及び見習訓練活動の方針、調整の提案と検討のために、国家職業訓練調整機関が設立される。その機関の組成、メンバー、仕事のやり方については大統領令で規定される。
 職業訓練行政と生産性の妥当性、品質、有効性を直接改善することで、中央政府と地方政府は職業訓練と見習制度を促進する。生産性向上の努力は、生産文化、労働倫理、技術、そして国家生産性に向けた経済活動の効率化によるものでなければならない。生産性の向上のために、国家生産性機関が設立される。その協会は公、民を越えて、横断的な地域活動プログラムを支援する、組織化された生産性向上のためのサービスネットワークとなる。国家生産性機関の設立、メンバー、また実施方法については、大統領令で規定される。

1.6 その他の雇用労働関係法令

1.6.1 職業紹介制度

 労働に関する法律2003年第13号第31〜38条に、労働者の派遣に関する規定がある。すべての労働者は、国内外を問わず、職業選択、職業の取得、職業の変更、そして適切な給料を得る平等の権利と機会を有する。職業紹介は差別なく、透明性、自由、客観性、公明性そして平等な機会に基づいて実施されなければならない。その目的は労働者の人間としての権利と尊厳を守り、法的保護を与え、本人の技能と職業能力、素質、関心と能力に合った適切な仕事と地位を紹介することにある。職業の紹介は国家と地方の開発プログラムの需要により、同等の機会そして利用可能な労働者を考慮して実行しなければならない。労働者の紹介は、国内でも海外でも実施される。
 職業紹介機関は、労働を管轄する政府機関と法的地位を持つ民間の機関からなる。職業紹介のサービスを提供するために、民間の機関は大臣あるいは他の指名を受けた政府職員から受領した書面による許可証を所持することが義務付けられる。職業紹介機関は、紹介した仕事に就く者から、直接、間接、一部ないし全部の紹介手数料を徴収してはならない。第37条に規定された民間職業紹介機関のみが、そのサービスの利用者と彼らが紹介した特定の地位と職業に就く労働者から紹介料を徴収することができる。その地位と職業については、省令で規定されている。

1.6.2 外国投資法により進出した企業で、海外から招聘され就労する者の労働許可条件

 労働許可条件は労働に関する法律2003年第13号第34〜38条、また外国での職業紹介に関する労働移住省令KEP-104A/MEN/2002に規定されている。
 外国での人材紹介に関する条項は法律で定められている。労働者を必要とする企業は自身で募集するか、職業紹介機関を通じて募集を行う。職業紹介機関は、募集を始めてから、紹介が終了するまで、労働者に保護を与える義務を負う。また、雇用するにあたっては、雇用者は精神と肉体の両面で労働者に福祉、安全と健康を含む保護を与える義務がある。職業紹介会社による労働者の紹介は、職業紹介サービスの条項に従い実施されなければならない。職業紹介サービスは、a)求職者、b)欠員、c)労働市場情報、d)仕事間のメカニズム、e)職業紹介の制度的取り決めなどの要素を総合的に加味して、労働者の就職の実現を目指す。

1.6.3 その他雇用労働に関する法令

 その他の法律として、海外でのインドネシア人労働者の職業紹介と保護に関する法律2004年第39条がある。インドネシア共和国2005年官報第133号と官報第4,445号に記載されている。この法律は移民労働者の保護を目的としている。


参考文献

  1. Ministry of Manpower and Transmigration of the Republic of Indonesia. (2009).
    http://www.nakertrans.go.id
  2. Subekti dan Tjitrosudibio. (2001). Kitab undang-undang hukum perdata / burgelijk wetboek, revised edition. Jakarta: Pt Pradnay Permita.
  3. インドネシア経済産業省局長報告(2008年5月15日)
  4. 国際労働財団(JILAF). (2009).
    http://www.jilaf.or.jp/
  5. 業務委託の条件に関する労働移住大臣決定KEP.220/MEN/X/2004
  6. 時間外労働と時間外労働手当に関する労働移住大臣決定KEP.102/MEN/VI/2004
  7. 児童の能力及び関心を高めるための労働保護に関する労働移住大臣決定KEP.115/MEN/2004
  8. 特定の企業のための長期休暇に関する労働移住大臣決定KEP.51/MEN/IV/2004
  9. 夜間労働に従事する女性労働者を雇用する企業の義務に関する労働移住大臣決定KEP/224/MEN/2003
  10. 労働移住大臣決定KEP.48/2004
  11. 労働組合に関する法律2000年第21号
  12. 労働者の社会保障に関する法律1992年第3号
  13. 労働者の社会保障に関する政令1993年第14号
  14. 労働者の社会保障の施行に関する政令2008年第79号
  15. 労使紛争解決に関する法律2004年第2号
  16. 労働に関する法律2003年第13号

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