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インド

作成年月日:2017年9月

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インド情報 2017年8月

●日系企業の海外コンサル受注、インドが首位

2016年度の海外全体での受注総額は、前年度比32.7%増の1,377億3,000万円と過去最高額を記録し、インドは291億5,000万円と全体の2割超を占め国別トップだった。日本の新幹線方式を採用して建設される高速鉄道での大型受注が貢献した。

外資小売りの現地調達規則、当局が撤廃検討

インド政府は、外国の小売企業に適用される外資規制の一部を撤廃する。単一ブランドの直営店を開設したい企業に対して、現地調達規則を除外する検討に入った。インドでは現在、外資の出資比率が51%を超える企業が単一ブランドの直営店を置く場合、商品の30%以上をインドで調達しなければならない。専門委は、この規則を撤廃する考えだ。

インドの問題は失業ではなく不完全雇用─NITIアーヨグ

インドの抱える問題は失業ではなく、深刻な「不完全雇用」であり、生産性と給与の高い雇用が必要だ──。こうした見解を政策立案機関のインド変革国家機関委員会(NITIアーヨグ)が示した。

インドの経済成長は“雇用なき成長”との指摘があることに触れながら、「全国標本調査局(NSSO)による雇用失業調査では30年以上にわたり失業率が安定的に低く収まっていることが示されている」と反論。「失業はインドの問題の中では小さなものであり、むしろ不完全雇用のほうが深刻だ」と述べた。

その上で、人件費が高騰している中国で労働集約的な製造業を行っている多くの大企業がより賃金の低い国を検討していることを指摘し、インドはそうした企業の自然な進出先となり得ると強調。「輸出に向けた製造業のための戦略を採用することは時宜を得ている」としている。

インド準備銀行(RBI)、インド初の200ルピー紙幣を発行

インド準備銀行(RBI)は8月25日、インド初となる200ルピー札の発行を開始した。新札の色はオレンジ。目の不自由な人のために独立の父マハトマ・ガンディーの肖像やインドの国章「アショカの獅子柱頭」を隆起印刷で立体表現している。

新札は同日からRBIの一部支店で交換が始まった。印刷が進めば、一般の銀行への供給も開始する。

政府は昨年11月、1,000ルピー札と500ルピー札を突然廃止し、貨幣の86%を消失させる措置を断行。その後、RBIは2,000ルピー札を発行したのに続き、新500ルピー札を導入した。新1,000ルピー札はまだ供給されておらず、100ルピーや50ルピーといった小額貨幣が逼迫(ひっぱく)している。今回の200ルピー札発行で、小額貨幣不足の緩和が期待される。

最高裁、「3 度のタラーク」に違憲判決−イスラム教の離婚規定

最高裁はイスラム教の離婚規定である「3度のタラーク」は違憲であるとする判決を下した。「3度のタラーク」は、イスラム教の男性は妻に対し、「タラーク」という語を3回唱えるだけで、妻と離婚できるとする慣習で、イスラム宗教法に規定されている。

しかし、男女平等や個人の尊厳に反する慣習であるとして、イスラム教内外から批判を受けており、現在のBJP政権も同慣習の廃止を訴えている。最高裁の5判事法廷は判決については、5判事中で意見が分かれた。結局、3対2の多数決による 判決により、「3度のタラーク」は禁止された。

トイレ設置拒否は「虐待」、裁判所が離婚認める

インド西部ラジャスタン州の裁判所は夫が自宅にトイレを設置してくれないと訴えていた20代の女性の離婚を認めた。女性は人目のない夜間を待って、屋外で排せつせざるを得ず、虐待に当たると判断した。女性は2011年に結婚。夫に何度もトイレ設置を求めていたが「村の多くの女性は屋外でトイレをしている」と拒絶されていた。2015年に裁判所に訴えたという。人口約13億人のインドでは、カースト制度の影響でトイレ掃除を嫌う人が多く、約半数が屋外で排せつをしているといわれる。裁判所は「携帯電話や酒を買う金があるのに、家族の尊厳を守るためにトイレをつくる意思はみられない」と、同国社会でのトイレ軽視の風潮を批判した。

政府、工場法の規制緩和に熱意 労組、国会委員会は反対

ダッタトレヤ労働・雇用相が議長を務める労使および政府による労働問題に関する三者会談が17日行われ、政府が提案している工場法の適用範囲変更の改正が話し合われた。政府は国会委員会や労組の反対にもかかわらず、同提案を主張し続けている。工場法の適用範囲縮小は政府が2014年に行ったもので、現在、工場法の規定は電力を用いない工場の場合は労働者10人以上、電力を用いる工場の場合は労働者20人以上を雇用する工場に適用されるが、政府の提案は州政府にこの上限を引き上げる(適用範囲を縮小する)権限を付与するもの。引き上げは最大で40人以下とすることが可能。

国会の労働問題常設委員会はすでに政府提案に反対している。同委員会はもし政府提案の改正が行われれば工場の70%は工場法の適用対象外になってしまうと主張し、むしろ適用対象を拡大すべきだと主張した。労働組合は、すべての労働組合全国組織が政府の提案に反対している。

19年までに全照明をLEDに切替、政府方針

インドのゴヤル電力相は16日、国内のすべての照明を2019年までに発光ダイオード(LED)照明に切り替える方針を明らかにした。

同計画が実現した場合、年間4,000億ルピー以上の電気代が 節約できるという。

女性の労働参加率が減少

ゴウダ統計・計画実施相はニューデリーで開催される会合「持続可能な開発目標(SDG)のためのジェンダー指標のデータ生成に関する国家会議」の開会式に出席。

「雇用市場における懸念のひとつは、女性労働力が低レベルかつ減少しつつあることであり、対処する戦略が必要」としながら、過去10年で女性の労働参加率が29%から22.5%に減っていることを明らかにした。

政府、賃金法案を国会下院に提出  賃金関連法を統合

政府は10日、2017年賃金法案を国会下院に提出した。同法案は政府が進めている労働関連法改正の一環で、これまで分散していた賃金関連の法律を統合するほか、最低賃金の決定などに関する改正を盛り込んでいる。同法案は、1936年賃金支払法、1948年最低賃金法、1965年賞与支払法、1976年平等報酬法を統一する。
主な改正点としては、従来、最低賃金の決定は州政府の専管事項とされてきたが、同法案では、中央政府が業種ごとに全国統一の最低賃金を決定できることが規定されている。

対象業種には、これまで最低賃金が設定されていなかった非組織部門の業種も含まれており、最低賃金の拡大を図る。昨年末に政府が布告した賃金の銀行振り込みを認める政令も法案に取り込まれている。政府は労働関連法の改革として、現行の44法を賃金、労使関係、安全、健康の4法に統合する計画。

アマゾン、新たな人材活用システムを導入

アマゾンは9日、柔軟な働き方を求める経験者をコスト効率よく雇い入れる取り組みを始めたことを明らかにした。アマゾンはこの取り組み「バーチャル・カスタマー・サービス(VCS)」でより大きな人材プールにアクセスして多様性を高めるとともに、さまざまな理由で定期的にオフィスに来ることが難しい人材を引き入れ、熟練した顧客サポートの促進を目指す。

利用者の負担を減らし、問題を素早く解決するほか、ニーズ予測、関連商品やプログラム、サービスの情報伝達などを行っていく。まずはハイデラバード、プネ、コインバトール、ノイダで開始し、新人向けのほか、管理職も募集する。

通信業界向け技能研修、実施へ−IBM

IBMはこのほど、通信業技能協議会(TSSC)と提携した。学生や通信業界の若手従業員を対象として、ビッグ・データやクラウド、モノのインターネット(IoT)、モバイル・アプリケーション開発、データ・サイエンス、ビジネス・アナリティックスなどの新興技術に関する研修を実施するためだ。IBMとTSSCは共同でプログラムを作成し、1週間の有料研修コースを開設する計画。

大企業のセクハラ被害、IT企業で増加傾向

インドの大手企業で、セクシャル・ハラスメントの被害報告が増えていることが分かった。主要企業の報告をみると、IT大手インフォシスでは2016年度の報告数は88件と、前年度の62件から増加。うち72件が懲戒対象になった。同業タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)では2016年度に65件(前年度は34件)、ウィプロでは2016年暦年に116件(同111件)と、IT大手各 社とも前年よりセクハラの報告が増えている。

銀行労組、年金改革求め22日に全国ストへ

インドの銀行労働組合連合フォーラム(UFBU)は、今月22日に全国でストライキを実施すると通達した。インド銀行協会(IBA)と連携し、政府が推し進める国営銀行の民営化に反対。合併・統合についても阻止する考えだ。

銀行規制法案を可決  国会下院

国会下院は3日、2017年銀行規制(改正)法案を可決した。銀行の不良債権問題解決を促進するために政府が布告した政令に置き代わるもの。同法案は、中央政府がインド準備銀行(RBI)に対し、債務不履行者に対する破産手続きを開始することを銀行に指示する権限を付与する。

最低賃金算出方法の変更を検討  労働・雇用省が委員会を設立

インド政府の労働・雇用省は、最低賃金の算出方法の変更を検討する。労働者の家族構成などを考慮するように変更し、実質的に最低賃金の引き上げにつなげる意向とみられる。同大臣は、「委員会は最低賃金算出の新基準を勧告するため、家族の人数、両親の扶養、家族の女性・子供の男性と同等の取り扱いなどの要素を考慮する」とした。

企業幹部のキャリア形成、8割が楽観視

英国を拠点とする人材紹介大手マイケル・ペイジの調査で、インドの幹部社員は向こう半年間のキャリア形成に関し、アジア太平洋地域で最も楽観視していることが分かった。国内企業の上層部で働く681人から回答を得た。今後、半年間のキャリア形成の見通しについて「良い、極めて良い」と答えた人は 84%だった。

RBI、金利引き下げを決定―7年ぶりの6%に

インド準備銀行(RBI)は8月2日の金融政策決定会合で、主要政策金利のレポレートを0.25ポイント引き下げ6.0%とした。およそ7年ぶりの低水準となる。金利引き下げは昨年10月以来、10カ月ぶり。インフレリスクが減少したことが決定の理由で、住宅や自動車のローン、企業への融資の金利が下がると期待される。

労働者の43%が非公式部門に─政府

バンダル・ダッタトレヤ労務・雇用相は、国内で働く人の43%が非公式部門の職に従事しておりうち4,700万人が建設業で働いていることを明らかにした。

同氏によると、最低賃金の引き上げのほか、従業員積立基金機構(EPFO)や労働者保険機構(ESIC)からの手当てが受けられるような取り組みを進めているという。
さらにダッタトレヤ氏は、職場での体調管理や労働災害の発生減少など社会福祉の向上に取り組んでいるとしたほか、母子手当の拡充をはじめ、出稼ぎやパートなど非正規従業員向けの特別プログラムの導入など、労働者の待遇改善に努める姿勢を強調している。

IT大手5社の従業員、4〜6月は1,821人減

インドのIT企業大手5社の従業員数は、4〜6月に前期から1,821人減少し、98万4,913人になったことが分かった。5社のうち3社で従業員数が縮小した。内訳は、最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)で1,414人減ったほか、インフォシスが1,811人減、テック・マヒンドラが1,713人減だった。

タタ自が幹部の報酬引き下げ、業績不振受け

インドの自動車大手タタ・モーターズは、2017年度の幹部の報酬を引き下げたことを明らかにした。業績不振の責任を明確にする狙いとみられる。報酬が最も下がったのは、商用車部門のトップを務めたラビンドラ・ピシャロディー氏で、前年度比17%減の2,310万ルピー(約4,000万円)だった。このほか、6月に最高執行責任者(COO)に就任したサティシュ・ボルワンカル執行役員が12%減の2,150万ル ピーなどとなった。

 

以 上