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作成年月日:2017年4月

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インド情報 2017年3月

社会保障制度への生体認証付き個人識別番号制度(アーダール)義務付けに反対 最高裁

最高裁は、政府が普及を進めているアーダールについて、社会 保障制度における受益のためにアーダール番号の提示を義務付けることに反対した。最高裁は2015年10月、アーダールをプライバシーの侵害として訴えた訴訟の判決が出るまでの暫定措置として、政府に対し、社会保障制度でのアーダール提示の義務付け禁止を命令している。政府は食料配給制度、農村雇用保証制度、従業員年金制度など多くの社会保障制度において、アーダール番号の提示を義務付けると発表している。

また、2017年財政法案(新年度国家予算案)の修正案において、7月1日以降、税務申告にアーダール番号提示を義務付けることを提案している。しかし、最高裁は、税務申告や銀行口座開設の身分証明として、アーダール番号の提示を義務付けることは、制度の目的にかなっているとして、認める立場を示した。

デリーでの犯罪、1〜3月は3割増の5万件

インドの首都デリーで犯罪が増えている。デリー警察の資料によると、2017年は3月15 日までの約3カ月間で、前年同月比34.4%増の5万2,109件に達した。最多は窃盗罪(家・自動車の盗難除く)が2万6,381件で、前年同期から2.1倍に増えた。殺人罪は6.2%増の103件だった。一方で、性的暴行など女性に対する犯罪は2,421件で22.0%減った。強盗罪も42.9%減の683件で、大幅に減少した

国内線旅客数、世界第3位に─日本抜く

インドの国内線旅客数が日本を抜いて世界第3位に躍り出た。オーストラリアの航空産業専門シンクタンク、アジア太平洋航空センター(CAPA)の最新リオポートによると、2016年におけるインドの国内線旅客数は約1億人。米国(7億1,900万人)と中国(4億3,600万人)に次ぐ第3位だったという。日本の旅客数は、9,700万人にとどまった。

インドの国内線旅客数は2015年から2016年まで20〜25%で伸び続け、今年1月には最高となる25.1%増を記録していた。

●世界の生活費番付、インド大都市は物価安で上位に

世界の主要都市における生活費ランキングで、物価の安い上位10都市のうち、インドからはバンガロールなど4都市が入った。

英エコノミスト誌系のシンクタンク、エコノミスト・インテリジェス・ユニット(EIU)が発表した「世界の生活費(Worldwide Cost of Living)」2017年版によると、世界で最も物価が安い大都市としてバンガロールが全体の3位に選ばれたほか、チェンナイ(6位)、ムンバイ(7位)、ニューデリー(10位)が上位にランクインした。

EIUは「インド亜大陸は、構造的に物価の安さを維持しているが、不安定さが相対的な生活費を下げる要因になってきている」と指摘。その上で、物価が安い都市には、相当のリスクの要素もあるとしている。

広告料収入、昨年はテレビが印刷物に比肩

インド国内の媒体別広告料収入で、2016 年は「テレビ」が初めて「印刷物」と同水準の 2,000億ルピー(約3,400億円)規模に達した。インド商工会議所(FIC CI)と大手会計事務所KPMGの共同報告書で分かった。具体的な広告料収入は、テレビが前年比11%増の 2,012億ルピー、印刷物が同6.3%増の2,013億ルピーだった。ただ、印刷物は、「電子広告」の急速な普及に押される形で、英字媒体の低調が目立つと指摘。電子広告の 2016年の収入の伸び率は28%で、広告料収入全体の15%を占めた。

●企業の政治献金規制を緩和

政府は3月22日に国会下院で可決された 2017年財政法案(新年度国家予算案)で、企業による政治 献金に関する規制を緩和した。現在、企業の政党への献金は過去3財政年度における純利益の平均額の7.5%を上限とし、献金を行った場合には損益計算書に金額と政党名を記載しなければならないとされている。財政法案の修正案では、献金の上限を撤廃し、損益計算書への記載も不要とされた。ただし、献金は小切手、銀行為替手形、電子決済手段、または政府が定める方法のいずれかで行わなければならないとされた。財政法案はすでに、政治献金専用の電子債の発行を規定している

現金取引上限額、20万ルピーに引き下げへ

インド政府は3月21日、現金取引の上限を20万ルピーに引き下げる方針を示した。国家予算案では30万ルピーを上限としていた。政府は同日、この案を予算案の一部である財政法案の修正案として国会下院に提出した。 アルン・ジャイトリー財務相が2月1日に発表した予算案には、不正資金のための特別捜査チーム(SIT)創設とともに現金取引の上限を30万ルピーとすることが盛り込まれていた。

マルチ・スズキ工場暴動事件、13人に終身刑

マルチ・スズキ・インディアのマネサール工場で2012年に発生した暴動事件でハリヤナ州の地方裁判所は3月18日、殺人罪で有罪となった31人のうち13人に終身刑を言い渡した。

検察側は13人に死刑を求めていた。残る18人については、殺人未遂や暴動への関与で4人が禁固5年。このほか14人に関して同裁判所は、すでに4年半にわたって服役しているとし、2,500ルピーの罰金の上、釈放する。弁護側は高等裁判所に上訴するとしている。同工場(ハリヤナ州)で発生した暴動ではマルチ・スズキの人事部長が死亡したほか、警察官や外国人など約100人が負傷している。

インドで事業を拡大する日本企業の割合、18.5%に ジェトロ

日本貿易振興機構(ジェトロ)が発表した 2016年度「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」結果によると、既に海外拠点があり、今後も海外進出をさらに拡大する方針がある企業のうち、インド事業を拡大すると回答した企業の割合が18.5%となり、2015 年度調査時点の20.1%と比べて縮小した。

インドは同割合で、前回と同じ全体の第8位。拡大を図る国・地域については、中国(前回:53.7%→今回:52.3%)とタイ(同 41.7%→38.6%)がそれぞれ第1位と第2位を占めたものの、前回よりはどちらも割合が縮小した。

トヨタとスズキのトップ、モディ首相と会談

トヨタ自動車の豊田章男社長とスズキの鈴木修会長が3月9日、ニューデリーでナレンドラ・モディ首相と会談した。首相府の発表によると、会談では両社の提携や将来の技術開発動向などが話し合われたという。トヨタとスズキは2月に環境技術などで業務提携すると発表している。

首相府は、「世界トップの座にあるトヨタの技術・製造とスズキの小型車製造という強みを提携で結びつけることができる」との意見を表明。「インドが新技術を利用できるようになり、大量の部品が必要となれば、地元で製造できる」とした上で、この提携がメイク・イン・インディアの促進、ひいては雇用の創出、新技術を用いた自動車の輸出につながるとして歓迎した。

男性の給与、女性を67%上回る─アクセンチュア

インドの男性労働者の給与は、女性を67%上回る──コンサルティング大手の米アクセンチュアがこのような調査結果を明らかにしている。調査によると、インドでは男性の平均給与が167ドルだったのに対して、女性は100ドル。インドの男女差は全世界平均の40ドル(男性140ドル、女性100ドル)を上回る水準となっている。アクセンチュアは、「男女差の多くは、男性の方が給与水準の高い職務やリーダーの地位に就く機会が多いために生じている」と説明。さらに、教育水準や属する産業部門、労働時間の違い、有給の仕事に就く女性が少ないことなども影響しているとの見方を示している。

報告書ではこのほか、女性が給与差を埋める上での「アクセル」として、デジタル能力の高さ、キャリア戦略、テクノロジーに関する集中訓練の3つを挙げている。

インド企業の女性幹部、過去8年で25%増加

ビジネス向けの米交流サイト大手リンクトインの調 査で、2008年から2016年までに、インド企業で取締役以 上の役職に就く女性が 25%増加したことが分かった。リンクトインは、インドなど10カ国で同社サイトに登録されているデータを基に調査を実施した。

インドは 女性幹部の増加率で首位だったが、国内企業の幹部全体 に占める女性の比率は17.1%にとどまり、最下位だった。10カ国の幹部全体に占める女性の割合の平均は約 25%。カナダと米国が同率(32.9%)で最も高く、これにフランス(32.4%)、オーストラリア(31.7%)が続いた。

イケア現法、半年間の産・育休制度導入

家具販売大手イケアは、インド法人で26週間の出産・育児休暇制度を今月から導入した。男性を含む全従業員が対象。新制度では女性社員の場合、休暇後16週間は規定時間の50%での短縮勤務も認められる。親代わりの社員や片親、養子縁組した場合でも同様。

また、女性はさらに育児中の時短労働や妊娠・出産に起因する疾病での最長1カ月間の休暇なども付与される。

失業率、過去半年で大幅改善

インドの失業率が2017年2月に4.8%となり、2016年8月時点の9.5%から大幅に改善していたことが、国営銀行最大手インドステイト銀行(SBI)の調査機関の調べで分かった。

政府の雇用創出政策などが奏功し、北部ウッタルプラデシュ州で大きく低下した。

ウッタルプラデシュ州では17.1%から2.9%に改善。このほか、中部マディヤプラデシュ州が10.0%から2.7%に、東部ジャルカンド州が9.5%から3.1%に、東部オディシャ(オリッサ)州が10.2%から2.9%に、東部ビハール州が13.0%から3.7%にそれぞれ改善した。

来年度の印成長率、7.3%に OECD、再来年度は 7.7%へ

経済協力開発機構(OECD)は7日に発表した「経済展望(中間見直し)」の中で、2017-18 年度 (2017年4月〜2018年3月)の印実質国内総生産(GDP)成長率を前年比7.3%と予測した。2016年11月時点の見通しである同7.6%から0.3%ポイントの下方修正(7.6%−7.3%=0.3%ポイント)。一方、 2018-19年度(2018年4月〜2019年3月)の印成長率は同7.7%と予測し、予測値を2016 年11月時点の同 7.7%から据え置いた。

進出日系企業が1300社突破、最多はハリヤナ州

インドの進出日系企業が2016年10月時点で1,300社を超えたことが在インド日本大使館および日本貿易振興機構(ジェトロ)の調べで分かった。進出日系企業数は1,305 社で、前年同月比で76 社増加。州別で最も多かったのは北部ハリヤナ州の341社 で、36社増えた。ジェトロは、ハリヤナ州への進出が増えていることについて、グルガオンが国際空港や近郊の工業団地へのアクセスが良く、デリー中心部に比べて不動産賃料などの コストが割安で、駐在員の生活環境も向上していることが背景にあると分析している。業種別では、製造業が50.3%を占めた。内訳は輸送用機械器具が最多の13.7%。電気機械器具が6.2%、化学工業が4.8%で続いた。その他の業種では卸・小売業が18.6%、サービス業が17.5%だった。自動車関連を中心とする製造業が過半を占める一方で、卸・小売業、サービス業の割合も年々増加している。 2016年10月時点の進出日系企業の拠点数は4,590カ所で、前年同月比で173カ所増えた。拠点数では西部マハラシュトラ州が709カ所で最多。前年同月からの増加数では西部グジャラート州が41カ所で最多だった。

タタ・ドコモ紛争、賠償金支払いへ

NTTドコモがインド事業からの撤退をめぐりタタ・グループに11億7,200万ドルの支払いを求めている問題で、タタ側が賠償金を支払うことで合意したもようだ。

NTTドコモは2014年4月にタタとの通信合弁事業の解消を表明。出資先のタタ・テレコミュニケーションズ(TTSL)株式を1株当たり58ルピー(総額720億ルピー)で買い取るよう要請したが、タタ側はインド準備銀行(RBI)のガイドラインに沿って同23.34ルピーを提示し、紛争になった。

NTTドコモの訴えを受けたロンドン国際仲裁裁判所(LCIA)は昨年6月、タタ側に11億7,200万ドルの賠償を命じる裁定を下したが、タタはインドの国内法を盾に、この裁定を拒否。海外資産の差し押さえを求めるNTTドコモ側と国内外で対抗していく構えを見せていた。

タタ・グループの持ち株会社タタ・サンズは昨年10月、会長だったサイラス・ミストリ氏を突如解任。ミストリ氏がNTTドコモとの係争を主導したとするタタ側に対し、同氏は全て取締役会の同意を得ていたと反論するなど、NTTドコモとの法廷闘争をめぐる応酬もなされた。

タタ自、人件費削減へ希望退職を提案

インドの自動車大手タタ・モーターズは、人件費削減に向けて希望退職者を募集する方針だ。対象者は約500人とみられる。同社の担当者は、希望退職者の募集を計画していることは認めたが、対象者については「現在選定中」と述べるにとどめた。このほか、人員の配置異動や役職の合理化など、財務状況の改善を進めているという。タタ・モーターズは2018/19 年度(2018年4月〜2019年3月)までの黒字化を目標に掲げている。2016/17 年度第3四半期の決算は、連結では11億ルピー(約19億円) の純利益を確保したものの、単体で105億ルピーの赤字 を計上していた。

 

以 上