各国・地域情報

インド

作成年月日:2016年11月

海外情報プラス

インド情報 2016年10月

●祝祭期の臨時雇用、前年比25%増の見通し

毎年10月から新年までの数ヶ月の祝祭シーズンでは、EC(電子商取引)や物流、日用消費財、サービス、小売、交通などの業種に対する需要が増える。得に売り上げ全体の40〜50%をディワリ(今年は10月下旬〜12月初旬)やクリスマスなど祝祭期にあげており、この時期にインターンや学生を含む臨時の人員を雇用する。

ヘッドハンティング会社のグローバル・ハント社によると今年の臨時雇用は、少なくとも前年比20〜25%増が見込まれるとのこと。また、人材派遣大手チーム・リース・サービシズも20%アップすると予想し、例として小売大手フューチャー・グループが祝祭期に前年より20%多い1,000人近くを追加で雇い入れる予定があることを挙げた。

EC大手スナップディール社は「当社では祝祭期に備えて、物流・配達業務のため1万近い臨時ポストを設けた。

中央政府職員の物価上昇手当、2%引き上げ

インド政府は、中央政府職員の物価上昇調整手当Dearness Allowance)を2%引き上げる方針を発表。物価上昇手当は、物価上昇率に応じて支給される手当。今年に入ってすでに6%引き上げられ、現在は基本給の125%に設定されている。新たな手当は7月1日にさかのぼって適用される見通し。

一方、中央政府職員の労働組合は「昨年7月1日からの1年間で都市工業労働者の消費者物価指数は2.92%上昇している」と指摘し、3%の引き上げを要求している。政府はまた、年金受給者を対象とした物価上昇補填手当(Dearness relief)も2%引き上げる予定だ。

向こう1 年のキャリア形成、大半が楽観視

英国を拠点とする人材紹介大手マイケル・ペイジは、インドで働く580 人を対象に職場環境に関する調査を実施した。この結果、約84%が「向こう1年間に仕事に関連した技能を開発・向上させる機会を得られると思う」と回答。今後1年間の「報酬水準」と「昇進」に関して「見通しは明るい」と答えた人も、それぞれ73%、68%に達した。「現在の仕事に満足している」という回答者も59%に達し、アジア太平洋地域全体(53%)を上回っている。

●「柔軟な勤務形態」、大企業にも浸透─報告書

フレクシング・イット社は、「インドで柔軟な勤務形態の動きが広がりつつあり、あらゆる形態・規模の企業団体が自営のコンサルタントやフリーランスを取り込んでいることが分かりとても興奮している」とコメント。「企業団体はプロジェクトや新たな取り組みの推進、繁忙期における質の高い人材の確保、柔軟性の維持、また非常に特殊な技能や専門知識の獲得を目的として、自営の専門職を取り込みつつある」と分析している。

同社の調査によると、フリーランスを対象とする期間3カ月未満の募集案件の61%は、 重要な取り組みを成功させる上で短期的な推進力を得たり、特定の目的を満たしたりするため、優れた人材やノウハウを求めていると言う。

フリーランスや自営のコンサルタントを募集する企業のうち、約5割を中小企業と新興企業が占めた。案件を業務内容で見ると、新興企業ではマーケティングが21%と最も多く、これにクリエーティブ・デザイン関連サービスとセールスが17%で続いた。一方、多国籍企業や大企業では、財務が26%と最も多く、ITと戦略・コンサルティングが15%ずつを占めている。

上場企業のCSR拠出額、昨年度は28%増

調査会社プライム・データベースによると、国内上場企業の2015年度のCSR(企業の社会的貢献)活動に対する拠出額は前年度比28%増の835億ルピー(約1,300 億円)だった。

インドでは大手企業に、純利益などの金額に応じてCSR活動への資金の拠出が義務付けられている。分野別の拠出額は「教育」が204億ルピーで最も多く、全体の4分の1近くを占めた。2番目に多かったのは「疾病・感染症対策」の164億ルピー。「首相の国家救済基金(PMNRF)」に対する拠出額は5倍の87億ルピーに拡大した。

●IITハイデラバード校でアカデミック・フェア開催―JICA、奨学金について発表

インド工科大学ハイデラバード校(IIT−H)を卒業する30人の学生に対し、国際協力機構(JICA)が日本留学のための奨学金を贈る。このプロジェクトは、日本の研究機関や産業界とIIT−Hの研究ネットワークを発展させる目的でJICAが実施している。IIT−Hの学生は奨学金を得て、東北大、東大、慶大、早大、名大、京大、立命館大、阪大、九大など国際的にも知名度の高い大学の博士課程などに進学できる。

●50年までに700万人規模の雇用縮小も─調査

インドでは過去4年間で1日550もの仕事が消失しており、このままでは2050年までに700万人規模で雇用が縮小する。デリーを拠点に活動するNGO「プラハル(PRAHAR)」によると、農家や商店経営者のほか、契約労働者や建設作業員といった職種は、未曽有の危機に直面しているという。

プラハルは職業数に関する労働局のデータを例示。15年に創出された仕事の数は13万5,000に過ぎず、90万だった11年はおろか、13年(41万9,000)からも減少していると指摘。その上で「インドでは生計手段が増えるどころか、日々減っているという恐るべき姿が浮かび上がっている。

BtoB企業、採用人数が3 割増

インドで企業間取引(BtoB)事業を展開する企業の新規採用が増加している。求人関連のソフトウエア開発を手掛けるビロングによると、2015 年11 月〜16年4月の採用人数は、15 年5〜10 月に比べて32%伸びた由。

●政府、アパレル産業での期間雇用を承認 〜労働組合は反対

労働省はアパレル産業で期限を決めた雇用形態である期間雇用を実施できるよう、1946年産業雇用(就業規則)中央規則の改正を公示した。

改正の目的は季節による生産の増減が大きなアパレル産業において期間を定めた雇用形態である期間雇用を可能にすることであり、改正には「アパレル製造業」と明記されている。

改正によると期間雇用とは期間を固定した雇用であると定義されている。しかし、「労働時間、賃金、手当その他が正規雇用に比べて劣るものであってはならない」とされる。また、期間雇用の労働者は正規雇用の労働者が受けることができるすべての法定給付を、雇用期間に応じて受けることができる。

ただし、期間雇用は期間終了時に契約を更新しない場合の雇用終了は、正規雇用における離職(労働者側からの辞職、雇用者による解雇の両方を含む)にはならないため、離職にともなう諸種の支払いや手当は受けられない。

与党インド人民党(BJP)の関連団体民族奉仕団(RSS)系列の労働組合全国組織であるバーラト労働組合(BMS)を含む主な労働組合全国組織は、反労働者的であるとして期間雇用に反対している。

高齢者の65% 、経済的に不安定な状況= 調査

インドで高齢者の支援活動を手掛ける非政府組織(NGO)エイジウェル・ファンデーションによると、国内の高齢者の65%が経済的に不安定な状態にあることが分かった。

エイジウェルは全国の60 歳以上の高齢者1万5,000人を対象に経済状況に関する調査を実施。この結果、65%が「経済的に困難な状況にある」、または「自立できず家族などに依存している」と回答した。「経済的な安定を確保している」と答えた人は約3割。高齢者の収入源としては「年金」が41.4%と最も多く、これに「貯金の利子」や「家賃収入」などが続いた。インドでは12 億人以上とされる人口のうち、60 歳以上の高齢者は約1割を占めている。

バジャジの西部工場、2日に終日ストへ

インドの二輪・三輪車大手バジャジ・オートの従業員が10月2日に終日ストライキを計画しているもようだ。給与交渉に進展が見られないことに対する抗議が目的で、西部マハラシュトラ州プネ近郊のチャカン工場で実施する見通し。ストを予定している2日は日曜で、休業日となるチャカン工場では生産への影響がない。同工場では量産モデル「パルサー220」「アベンジャー」のほか、オーストリアの「KTM」ブランドの機種を製造している。労組側の代表者は「われわれは2016年4月〜2019年3月の給与について交渉していた。半年間にわたって協議を続けてきたが、改定に向けた進展はみられない」と説明した。労組側はバジャジ社に書簡を送付したものの、現時点で回答はないという。

飲酒規制強めるインド、売り上げ減を懸念

【共同】インド各地の州政府が飲酒規制を強めている。健康や犯罪抑止のためとして政党が選挙公約にするケースが多いからだ。業界は売り上げの減少を懸念するが、規制を導入する州は拡大しつつある。 南部タミルナド州は6月、州営の酒販店を500店閉鎖。5月の州選挙で勝利した地域政党が飲酒規制を公約した結果だ。州政府が酒販を独占し、日系の駐在員は「一部の高級ホテルだけしか飲めない」とこぼす。 東部ビハール州は4月から飲酒を全面的に禁止。観光地で名高い南部ケララ州もバーなどの酒販免許を再発行せず、段階的に禁酒政策の導入を目指す。主要州では独立の父ガンジーやモディ首相が出身の西部グジャラート州も禁酒政策を取る。 国民の8割が信仰するヒンズー教はイスラム教のように聖典で飲酒を禁じていないが、飲酒は品がなく好ましくないとの社会通念は強い。 背景には飲酒が原因の強姦や暴行事件が絶えないことがある。交通死亡事故の7割が飲酒運転によるとの試算も。政党は有権者からの支持を取り付けるため、飲酒規制を公約にすることが多い。 現在、商都ムンバイがある西部マハラシュトラ州、東部・西ベンガル州も州首相が禁酒政策に関心を持つとされる。両州とも人口1億人前後で、実現すればメーカーや飲食店には大打撃だ。 ただ、規制強化は酒税収入に響くため、州財政には痛手。「社会保障やインフラ整備に回す金がなくなる(金融筋)」と懸念する声も強い。現地の税制に詳しい公認会計士は「各地で密造酒の流通が増えるだけだろう」と話した。

(了)