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作成年月日:2016年4月

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インド情報 2016年3月

モディ首相 サウディ・アラビア訪問
インド首相として歴史上4回目

モディ首相は4月2日、サウディ・アラビアを訪問した。1956年のネール首相、1982年のインディラ・ガンディー首相、2010年のマンモハン・シン首相の訪問に次ぐインド首相として4回目の訪問であった。インドは独立して68年になるが、中東の石油大国サウジをインド首相が今までわずか4回しか訪問しなかったのも珍しい。インディラ・ガンディーとマンモハン・シン訪問の間には28年のブランクがあった。

 

今まで両国のつながりが薄かった

中東諸国・アフリカではインド商人の存在感は大きく、草の根レベルでのインドとのつながりは多岐に渡っており強い。しかし、サウジの場合は事情が違っているようだ。インドの有識者は、歴代のインド首相が今までサウジと積極的に接近しなかった理由として、サウジがイスラムの宗主国であることを第一に挙げている。

ヒンドゥのインドにとって、巨大な石油資源を持ち、特に王政を維持しているイスラム強国と緊密な外交関係を持つには躊躇するものがあったようだ。しかし、近年石油価格が下落し、巨大な石油輸入国のインドの重要性が各段に上がっているため、サウジ側もレッドカーペットで迎えた。

モディ首相としてはインド国民に対し、モディ外交は格好の良い欧米向けだけではなく、石油輸入国として経済面でも重要であり、隣国パキスタンへの牽制が期待出来るサウジとの関係緊密化をアピールできる機会と考えたようだ。

 

副皇太子との会談実現

モディ首相はサウジのサルマン国王と宮殿で3時間に渡って会談した。

その後、モハメッド・ナイフ皇太子とモハメッド・サルマン副皇太子と会見した。有識者は、モディ首相が防衛相を兼務し、次期国王が有力視されている30歳の副皇太子との会見を重視している。副皇太子が病弱な国王に代わって、実質的にサウジの外交政策を取り仕切っているのは周知の事実。

有識者の中には、今回の副皇太子との会談が、今後の両国関係のカギを握っていると見ている者もいる。

 

テロ対策を最重要事項に

両国は、テロ資金源の根絶、両国間の相互投資推進、インド人労働者の福利厚生、文化遺産保存、工業製品の品質基準化などについて協定を交わした。特に共同声明の中で強調されたのは、テロ対策の項目であった。従来のような通り一遍のテロ撲滅宣言でなく、5項目に渡って具体的な対策が盛り込まれた。

サウジ政府高官は、「インドがイラン発のテロを理解してくれたことを評価する。共同声明はインドにとっても対パキスタン政策でプラスに働くだろう。サウジはインドが長年主張している包括的国際テロ会議(CCIT)の開催を支持する。」と述べた。

 

全員女性従業員のオフィス訪問

モディ首相のサウジ訪問の中で、メディアが大きく取り上げたのは、全従業員が女性のビジネス・センターを訪問したことだ。サウジは女性が車を運転することが禁じられているほどの保守的な国。そのような国で、国王との会見前に、全員が女性従業員のオフィスを訪問したことは外国首脳の訪問にしては異例のことであった。

モディ首相はインドのITソフト企業、タタ・グループが運営するTCS・ビジネス・プロセッシング・センターを訪れた。センターは2014年1月に20人の女性従業員でスタートした。今日、センターは1千人超の女性従業員を雇用しており、大多数は20才台とのこと。

TCSの話によればサウジの労働市場の18%は女性。10年前に比較して10%増加している。サウジにも民主化の風が吹き始めたようだ(了)

 

ウイスキーを24時間飲める
デリー 酒税法改正

ンド社会は伝統的に飲酒に対して厳しい見方をしている。モディ首相の出身州グジャラート、日産自動車が進出している東海岸の大州タミル・ナドゥなどが禁酒の州として、外国人の中では良く知られている。一般人に対し禁酒が適用されるが、外国人に対しては特例として、ライセンス制度の下、限定された場所での飲酒が認められている。 モディ首相のBJP(インド人民党)が中央政権を握って以来、支持母体であるRSS(民族義勇団)の影響力が各地で大きくなり、ヒンドウ主義が社会の前面に出て来るようになった。ヒンドゥは牛を神聖化し、牛肉を食べないことは知られている。

最近では外国企業が多く進出しているハリヤナ州で、牛肉を売買することを禁じてしまった。ヒンドゥでは飲酒に対しても牛肉と同様な扱いをしている。

 

牛肉と飲酒がタブー

インドのヒンドゥ教徒にとって牛肉と飲酒の二つがタブーといえる。これに追い打ちをかける形で、人口1億人のインド中部のビハール州で、4月1日から国産酒の販売が禁止され、禁酒州の仲間入りをすることになった。

インドのヒンドゥ化の一連の流れが強まったと解説する評論家がいるが、地元の酒販売店や運送業者はじめ、一般州民からも抗議の声が出ている。女性票を意識したクマール州首相のスタンドプレーとの批判も出ている。

 

ヒンドゥ化の流れに歯止め

このようなヒンドゥ化の流れの中に逆行する形で、デリー首都圏州ではホテル、レストラン・バーの酒類販売が7日/24時間認められることになった。

従来、デリーでは5星以上のホテル、レストランでは、年間4百万ルピーを支払えば午前1時まで営業が認められていた。更に4時間の延長も認められていた。

しかし、現実的に4百ルピー支払って収支が成り立つホテル、レストラン・バーは数少なく、この制度は有名無実のものになっていた。

ケリジワリ州首相のAAP(庶民党)は、汚職撲滅、反既成政党を旗印に、教育程度の高い大都市の中間層の支持を得て、BJP、コングレスを抑えて、州選挙に勝利した。

有識者は、「インド各地に拡がりを見せているヒンドゥ化に歯止めをかける意味合いを持って飲酒の7日/24時間許可方針を打ち出した。」と政治的な意味合いの強い決定と見ている。

 

500のホテル、レストランで24時間

新しい酒税法では7星ホテルの場会、年間126万ルピー、5星ホテル、レストランは105万ルピー支払えば24時間営業が出来ることになる。大幅な減税。オールド・デリーのモーテルにも適用される。現在、対象となるホテル、レストラン、バーは5星以上が150軒。モーテルを含む5星以下が300〜350軒。

今回の措置は、観光、飲食産業振興にプラスになると共に、「Ease of doing business in Delhi」に寄与するものと、ミシュラ州観光相は述べている。(了)

 

雇用市場ナンバーワン州
カルナータカ IT分野が寄与

16年1月〜3月の雇用市場は、カルナータカ州がインド全州の24%を占め最大であることが、経済団体Assochamの調査で分かった。次いで、マハラシュトラ州(23%)、タミル・ナドゥ州(10.5%)となっている。

分野別で見た場合、全インドでIT分野が90万人の雇用を生み出し57%を占めている。 次いでサービス業が19%、製造業11%、金融8%、建設・不動産3.5%となっている。

カルナータカ州の場合、IT分野が65%、サービス業16%、製造業8%、金融6%、 建設・不動産2.5%となっている。

 

15年4月〜6月の雇用

15年4月〜6月、カルナータカ州は21万6千人の雇用を生み出している。次いで、マハラシュトラ州20万人、タミル・ナドゥ州9万3千人、アンドラ・プラデシュ州並びにテレンガナ周辺8万2千人、ハリヤナ州7万2千人となっている。

分野別に見た場合、IT分野では全インドで50万人の雇用があったが、その内カルナータカ州が28%を占めている。次いでマハラシュトラ州20.5%、タミル・ナドゥ11%、アンドラ・プラデシュ/テランガナ州10%、ウッタル・プラデシュ州8%となっている。

サービス分野は16万9千人の雇用が生み出されたが、マハラシュトラ州がトップで24%を占めている。次いでカルナータカ州21%、ハリヤナ州8.4%、ウッタル・プラデシュ州8.2%、アンドラ/テレンガナ州8.1%となっている。

製造業分野では全インドで9万9千人の雇用の内、マハラシュトラ州が22.5%、カルナータカ州19%、タミル・ナドウ州12%、アンドラ/テランガナ州9%、グジャラート州8%となっている。

金融分野ではマハラシュトラ州が31%を占め、また、建設・不動産分野でも31%で、 両分野で首位。次いで、カルナータカ州のそれぞれ18%、17%となっている。 上記の数字を見る限りはインドの雇用市場は南高北低と言えよう。(了)