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作成年月日:2016年3月

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インド情報 2016年3月

16年度予算案 歳出11%増
インフラ・農村投資に重点

ジェイトレー財務相は、29日、国会で2016年度(16年4月〜17年3月)の予算案を発表した。歳出総額は2015年度に比較して、11%増の19兆7,806億ルピー(約32兆6千億円)。モディ政権が2014年5月に発足して以来、3年振りに2桁増の歳出予算となった。

有識者は、インド政府は財政政策の重点をインフラ投資、農村開発に置き、7%台の高成長を持続させる政策として一定の評価をしている。予算案は財政赤字の縮小にも配慮して、赤字の割合はGDPに対する割合を15年度の3.9%から3.5%にするとしている。 歳出拡大の一方、財政健全化の方針は維持しており、財源として、2016年度の税収を11%増の10兆ルピーと見込んでいる。

予算案は国会での審議の後、概ね政府案通りに実施される見通し。

 

インフラ投資に2兆1,800億ルピー

予算案の目玉の一つはインフラ投資。道路、鉄道、空港、港湾などの整備に2兆1,800億ルピーを計上。官民パートナーシップ(PPP)を重点的に推進。民間企業のノウハウを活用することで効率的なインフラ開発を進めたいとして、民間業者が協力し易い形の格付け制度を導入することを発表した。国土の広いインドで経済発展を加速化させるためには交通網の整備が急務であるが、実施面でモディ政権の思い通りに進んでいないのが現状。

 

農村対策に4,791億ルピー

農村・農民対策は、モディ政権として、連敗続きの地方州選挙対策もあり、財務相は予算案演説の中で特に力を入れていた。今年5月に、西ベンガル、タミルナドゥ、アッサム、ケララ、ポンディチェリ、5州の州議会選挙が行われる。特に、農民票の多い東海岸州の西ベンガルとタミルナドゥ両州の選挙結果はモディ政権にとって重要。この辺を考慮しての予算案と指摘する有識者は多い。灌漑整備など農業関係予算は4,791億ルピーで、前年度比84%の大幅増。

 

法人税を25%に

税制面では法人税を現行の30%から、2019年度までに25%にする方針を発表した。 中国や東南ア諸国の法人税は20%台であり、海外企業誘致の点でインドは見劣りすることが以前から指摘されていたが、これに配慮したもの。3月から国内に新設される製造業を対象に原則25%の法人税が適用される。

モディ首相は政権発足時、モディミックスと呼ばれる経済政策を発表した。

海外からの投資を促進し、高速鉄道網などのインフラ整備を進め、製造業とサービス産業を中心に雇用を拡大させ、高い経済成長を実現するというものであるが、法人税を引き下げることで、海外企業のインド進出を促進させる狙い。

 

モディミクスの正念場

モディミックスは、当初からその有効性に懐疑的な見方が強かった。直接投資に対する規制緩和や投資税制の見直し、電力や用地、人材の確保を容易にする規制緩和などの必要性が指摘されていた。連邦制度の下、自治権の強い州は工場設置許可一つを取っても、独自の権限を持っており、中央政府といえども強制させることは出来ない。

国政選挙では大勝したモディ政権であるが、デリー首都圏を始めとして、反対党が政権を握っている州が多く、未だモディミクッスの実効性が目に見えていない。

モディ首相は、予算案発表の前日、高校、大学の統一試験を受ける学生に対し、ラジオ番組で、「諸君も試験に立ち向かわなければならないが、予算案は私にとって12億5千万人の試験である。十分自信を持っている。」と予算案にかける決意を述べた。

政権3年目の本年度の実績がモディ政権の長期政権のカギを握るとして、予算の実効性が重要と指摘する有識者は多い。

(了)

印・ネパール首脳会談
「誤解は解消した」 ネパール首相

モディ首相は、20日、オリ・ネパール首相とニューデリーの迎賓館で首脳会談を行った。

昨年10月に首相に就任したオリ氏にとっては初外遊。ネパールにとって、インドは歴史的にも伝統的にも最も重要な友好国であったが、オリ氏は中国寄りの姿勢を見せていた。

特に、昨年9月、ネパールで公布された新憲法の中で、親インド民族「マデシ」の権利が侵害されているとして、インドは不満を表明。マデシはインドとの国境を実力行使で封鎖して両国間の関係が悪化していた。国境封鎖の為にインドからの燃料を含む物流がほぼ全面的に止まっていた。ネパールは燃料輸入の95%をインドに頼っている。

ネパールは、1月にマデシの要求の一部を受け入れる形で憲法改正を行い4か月半ぶりに封鎖が解かれ、オリ氏の訪印が実現した。

 

誤解を解かれ、関係は修復された

オリ首相は、記者会見で「過去5か月間の両国の厳しい関係は誤解に基づくものであった」として、今回の訪印は「誤解を解くためであり、両国の関係を2014年にモディ首相がネパールを訪れた時と同じ状態に戻すことにあった」と述べた。オリ首相は、更に「ネパールの憲法は“歴史的な”意義を持つものである」と述べた。

モディ首相は、「ネパールの憲法制定は評価すべき業績だ。制定までの道のりは多難なものであったはずだ。ネパール国民と政治リーダーに敬意を表したい。しかし、成功はコンセンサスと対話に基づくものでなければならない。これらの原則に基づき、政治的対話を通して、全ての民族が一つになり、オリ首相のリーダーシップの下、ネパールは憲法に関する全てのことを解決し、繁栄と安定の道を歩んで行くだろう」と述べた。

 

2億5千万ドルの震災復興支援援助

両首脳は、インドからの2億5千万ドルのネパール震災復興支援援助を含む7つの覚書を交わした。また、両首脳は会見の席上、インドからネパールへの送電線使用を開始するセレモニーを行った。インド国境に近いネパール南部の道路整備に関する合意文書にも署名した。

(了)

デリー 偶数・奇数番号市内乗り入れ制限
第2回目 4月15日から

ケジリワル・デリー首都圏首相は11日、第2回目の偶数・奇数番号市内乗り入れ制限を4月15日から15日間行うことを発表した。同首相は、記者会見で「第1回目の偶数・奇数番号乗り入れ制限に対する州民の反応は良かった。81%が賛成してくれた。4月15日から第2回目を始めるのは12日に学生の統一試験が終わるからだ」と述べた。更に、「毎月、15日間、乗り入れ制限を行うという考えを真剣に検討している。これも4月の第2回目の結果を見てから決めたい」と述べた。

 

バス専用レーンを高架に

ケジリワル首相は、根本的な解決策としてバス専用レーン(BRT)の充実の必要性を強調した。現在のBRTは平面道路上にあるので、渋滞の影響を受けている。BRTを地下鉄と同様に高架にすれば解決できる。2層にして自動車とバスを別々のレベルで走らせる。 現在、地下鉄を使えば、ラジブ・チョウク〜マンディ・ハウス間を7〜8分で行ける。高架のBRTが出来れば州民にとって間違いなく便利になる。

 

州民からの提言

第1回目の偶数・奇数番号乗り入れ制限実験の後、州民から次のような提言が寄せられている。

・ 4人乗っている車は対象外

・ 政府機関の就業開始時間を午前8時〜11時のフレックス・タイムにする。

・ オート3輪車料金のオーバー・チャージを規制する。料金が高騰した。

・ 空気汚染の厳密なデータが必要。

・ バス サービスの充実。

・ 他州からデリーを通過して空港に向かう車は対象外。

・ ディーゼル タクシーの禁止。

(了)

1月、輸出は13.6%減
輸入も15.46%減 貿易赤字幅縮小

インド商工省が15日発表した2016年1月の貿易統計によれば、輸出は210億7千ドル。14カ月連続で減少した。前年同月の243億9千万ドル対比13.6%減。

世界経済後退の影響を受け、特に石油製品、工業製品の輸出が鈍かった。

一方、輸入も1月は287億1千万ドルで、前年同月の322億6千万対比11%の減少であった。この結果、インドの貿易赤字幅は過去11か月最低の76億3千万ドルとなった。 前年同月の貿易赤字は78億7千万ドルであった。

石油輸入は前年対比39%減  1月の石油輸入は50億2千万ドルで、前年同月比対比39.01%の減少であった。

その他の輸入は1.4%減の236億8千万ドル。しかしながら、金の輸入は85.16%増えて29億1千万ドル。インドは世界一の金輸入国。

 

世界主要国と同じ減少傾向

商工省は、「輸出の減少傾向は他の世界主要国と同じ流れだ。WHOの統計によれば、2015年11月の場合、米国では10.51%、EUは9.48%、中国7.01%前年同月対比減少している」と述べている。

2015年4月〜2016年1月の10か月間を見ると、輸出総計は2,176億7千万ドル。前年度の2,643億2千万ドルに比較して17.65%減少している。10か月間の輸入総計は3,245億2千万ドルで15.46%の減少であった。

結果として、10か月間の貿易赤字幅は、1,195億5千万ドルから1,068億ドルに改善された。

(了)