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作成年月日:2015年10月

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インド情報 2015年9月

モディ首相 国連総会出席
滞米5日間の成果

モディ首相は9月末、国連総会に出席するために訪米した。ローマ法王と周近平中国主席の訪米の時期と重なったため、外国メディアのモディ首相の扱いは大きくはなかった。インドメディアの報道は、シリコンバレーでのIT経営者との会合、フェースブック本社でのマーク・ザッカ―バーグ氏との対談、その中で、モディ氏の母親の話に触れた時、涙声になったことなどに重点を置き、アイドル的扱いであったが、政治、外交的にも一定の成果を挙げたと評価する識者は多い。一つはオバマ米大統領との会談、もう一つはG4首脳会談であった。

米大統領と気候変動で合意

9月28日、モディ首相はオバマ大統領と今年3回目の首脳会談を行った。中心議題は気候変動に関するものであった。会談後の記者会見でオバマ大統領は、「我々の主な議題は2か月後パリで開かれる気候変動プロトコール会議に関するものであった。」と述べた。「この議題は全世界に取って重要問題であり、我々全員が責任を持つべきものだ。クリーン・エネルギーに対するモディ首相の前向きな約束は勇気づけられるものだ。来るパリ会議でインドのリーダーシップが現在だけでなく、今後数十年の方向性を決めるものになると信じている。」とも述べた。

インドは会議を前にして削減目標を提出していない唯一の経済大国。提出期限を幾度も引き伸ばししており、現在の期限は10月2日となっていた。  モディ首相は再生エネルギー分野の強化を強調し、2022年までに175GWの 産出を目標とするとして、「安価なクリーン・エネルギー源を開発して全世界が恩恵を受けるべく、全世界的パートナーシッップを構築すべき、という私の提案に米大統領は前向きに賛意を示してくれた。」と述べ、更に「米国はインドと発展途上国に対し、この分野で資金的にも、また技術的にも援助すべきである。」と述べた。

G4首脳会談で国連常任理事会改革を

9月26日、インド、日本、ドイツ、ブラジルのG4首脳会談がモディ首相の呼び掛けで開かれた。G4が開かれるのは2004年以来2度目。議題は国連常任理事会の改革。ドイツのメルケル首相、ブラジルのロウセフ大統領、安倍首相が参加した。会談後の記者会見で、モディ首相は、「現状は国連が創設された時の状況と根本的に変わってきている。国連加盟国は6倍に増えた。平和に対する脅威はもっと複雑になってきている。新しい脅威は気候変動とテロリズム、それにサイバーとスペース犯罪が加わった。」として、これら脅威に対応するために国連常任理事会の改革の必要性を訴えた。安倍首相は、会談を「ゴールデン・オポチュニティ」と評価して、「4Gは加盟国の過半数の意向を反映したものだ。」と述べた。(了)

労働者保険を小規模企業に
政府 ESICを従業員10人以下にも適用

ダタルヤ労働大臣は、21日、記者会見で、「現在、ESIC (Employee’ State Insurance Scheme) は従業員10人以上の企業に適用されているが、10人以下の企業にも適用することを進めている。メカニズムの改善が必要であり、このために委員会を設置した。」と述べた。まずは2016年4月までにESIC適用を工事現場の労働者に拡大するとしている。大都市のオートリキシャ、タクシー運転手など自営業にも2016年11月末までに適用出来るようにするとしている。 実験的な試みをデリーとハイデラバードで、2015年11月30日までにスタータさせるとのこと。その結果を見てミゾラム、マニプール、アルナチャル・プラデシュ、アンダマンでも12月末までにスタートさせる。

ESICは給与(月額)1万5千ルピー以下の労働者に適用される労働者保険であり、雇用主が給料の4.75%、労働者本人が1.75%、合計6.5%を保険料として拠出する保険。この保険はECI Act 1948に基づいており、労働者とその家族をカバーする医療保険と言って良い。インド全土で830の工業団地を網羅し、145のESI病院(ベッド数19387床)、1398のESI薬局が利用できる。 (了)

給料より職場環境
就活調査

エコノミックタイムス紙によると、調査会社、JobBuzzの調査では、インド人の新卒者、転職者の就活先の選択肢が変わって来ているとしている。

以前は少しでも給料が良いところを狙っていたが、調査では、特に高い技術を持った転職者の場合、90%は給料よりも職場環境の良いところに転職しているとのこと。調査の担当者は、「高い技術を持った候補者で手元に2、3のオファーを持っている者は少なくない。職場環境が魅力的で、人事関連の条件が転職の決め手になっている。」と述べている。一方、新卒、ジュニアレベルでは、いまだ給料の多寡が決め手となっている。

66%の回答者は、悪い職場環境を生み出す責任はトップマネージメントにあるとし、12%は直属上司、11%は人事担当者、残り11%は同僚を挙げている。

65%の回答者は、積極的に広告を出し、会社の存在をアピールしている企業に就職したいと思っている。

調査担当者は、「新卒から熟練者まで、就活者には職場環境の良否が重要であることが調査から分った。今は多くの企業情報がネット上に出ているので、これらを活用できることは有難い。」と述べている。 (了)

8月雇用13%増
銀行金融がリード

調査会社、Naukri .com のNaukri Job Speak Indexよると、2015年8月の雇用指数は前年同月対比13%増加であった。

調査担当者は、「雇用市場は北インドが好調。銀行・金融分野がリードしており、次いで医療関連、製薬、ソフトウエア、テレコム、メディア、サービス産業の順となっている。自動車、自動車部品は横ばい。一方、保険分野は低下している。銀行・金融、IT分野がリードすることにより、他分野も今後数四半期は増加が見込まれており、就活者にとって明るいニュースだ。」と述べている。

大都市の雇用が好調で、ハイデラバードが24%、ムンバイ19%、プネ15% の増加となっている。バンガロールが13%、チェンナイとデリーが10%の増加。しかし、コルカタの雇用は改善されていない。(了)