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作成年月日:2015年3月

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インド情報 2015年2月

インド15年度予算案発表
法人税減税 経済活性化へ

モディ政権は2月28日、国会で2015年度(15年4月〜16年3月)の予算案を発表した。

最も注目すべき点は、法人税を4年かけて、現行の30%から25%にするというものだ。これによりアジア諸国の課税水準に近づけ、外資誘致を容易にし、政権の目玉政策の「メイク・イン・インディア」の早期実現を図り、経済成長に結びつける意図だ。

インフラ整備投資を拡大し、予算は前年度比28%増の7千億ルピー。

電力不足解消に向け4千MWの巨大発電所5か所建設、クダンクラム原発2号機の稼働が盛り込まれている。インド全土で10万キロの道路建設に1千4百億ルピーを投じる。港湾整備も官民共業で進める。

一方で、サービス税を12.36%から14%に引き上げ、16年4月までに物品税を12.36 %から12.50% に引き上げという発表は中間層の消費に打撃を与えそうだ。

ジャイトレー財務相は、健康保険と年金加入を奨励するとして、加入者に優遇を与えている。有識者は、予算は「貯蓄を多く、消費を少なく」というメッセージを一般市民に送っているとしている。内需が冷え込むことを懸念する向きもある。

歳出は17.8兆ルピー、歳入は11.4兆ルピー。財政赤字のGDP比率は3.9%に下がる見込み。GDP成長率見込みは8〜8.5%。 派手さが無い健全な予算案と見る向きが多い。(了)

数百万人分の職を創出 資格から技能へ
15年度予算案

2015年度予算案で、ジャイトレー財務相が強調したのは「職の創出」である。モディ政権の目玉政策「メイク・イン・インディア」を成功させるために、財務相は予算案の中で、教育を「資格重視から技能重視」へ転換させることを提案強調している。学位や資格よりも、手に着いた技能の重要性を強調している。具体的には、技能開発・起業省の中に「国家技能ミッション」を発足させるとしている。現在、関係各省に31分野に渡り技能開発ミッションが存在するが、それらの技能開発方法・評価などの手続きや結果を一つのミッションの下で標準化するとしている。

財務相は「若者に対し適切な職を確実なものにするために、インドを製造業の世界的ハブにしなければならない」と述べている。

「政府は、道路などインフラ整備、発電所、製造業振興、武器製造分野に力を入れ、予算付けするので、職の創出は確実」と有識者は歓迎している。(了)

ジャム・カシミール州で歴史的連立政権
北極と南極が合体 ムフティ州首相

ジャム・カシミール州はインドの北西部に位置し、パキスタンと領有権争いをしており、大幅な自治権が認められているインドの州の中でも特別に扱われている州。

現在でも日常的にパキスタンと武力小競り合いが起きており、インド精鋭軍が長期駐屯して厳戒態勢を敷いている。インドのスイスと呼ばれるほど風光明媚で、夏は避暑地として、冬はスキーが楽しめる観光地として有名であるが、一歩州都スリナガルを離れると、何時起こるかもしれないパキスタン側からの潜入テロに備えて、村単位の外来者に対する警戒厳重さに異様感を感じる特別な州だ。州の人口はイスラム教徒が優勢で、独立以来、イスラム政党が州政権を握って来ていた。

2か月前に行われた州議会選挙で、中央で政権を握っているモディ首相率いるBJP(インド人民党)が躍進した。選挙結果は、定数87の内、地域政党のPDP(人民民主党):28、BJP:25、前州政権党のNC:15、国民会議派:12であった。PDPとNCはイスラム政党。

各党間の連立政権交渉は2か月続いたが、紆余曲折の末、PDPとBJPは連立政権に合意した。今回初めてイスラム政党とヒンドゥ右派政党の連立政権が誕生することになった。

州首相に就任したPDPのムフティ氏は、「北極と南極が合体した」と表現し、モディ首相も「歴史的」と述べたほどの宗教の違いを超えた合意であった。

オバマ米大統領との会見で自分の名前入りの制服を新調、誇示し、「お前も従来の政治家と同じレベルになったのか」と批判され、デリー州で大敗を喫したモディ氏にとって、支持母体のRSSや党内右派の抵抗を押し切って、この連立政権合意をまとめたことは、失地挽回に成功したと見る向きが多い。 モディ氏のカリスマ性、指導力は健在と見るべきだろう。(了)