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作成年月日:2015年1月

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インド情報 2015年1月

プーチン・ロシア大統領の訪印
モディ首相の磁力は強い

プーチン・ロシア大統領は12月11日インドを訪れた。5月末にモディ政権が誕生して以来、モディ首相は日本、米国首脳とは相手国訪問で、中国、ロシアの首脳とは自国に迎えることで、首脳会談を持ったことになる。

モディ氏は、インド独立以来、ネルー、インディラ・ガンディーに次いで、30年ぶりに国際的に存在感を持つリーダーの誕生と言えよう。

印ロ関係は旧ソ連時代の1960年後半より始まるが、2000年に入ってプーチン大統領が登場し、同年インドを訪れ、2基の商業用原発輸出契約を結んだころから両国関係は再活性化してきた。

ウクライナ危機で欧米との対立を深めるプーチン氏にとって、モディ新首相のインドとの関係強化を図ることは外交的にも経済的にも必要であった。 モディ首相も9月の習近平中国国家主席に次ぐ、大国ロシアのプーチン氏を受け入れることで、国内外にインド外交の伝統である中立非同盟の立場をアピールすることで存在感を示し、特に長年対立関係にあるパキスタンに無言の圧力をかけたとみる有識者は多い。

印ロ首脳会談では7の政府間合意、13の民間契約が結ばれた。

主なものは、経済分野では2国間貿易額を2025年までに300億ドルに拡大。ロシアはクンダンクラムで稼働中の4基の原発の他に原発10基建設。ロシアからの液化天然ガスの輸入拡大。軍事面では軍事・民間用にロシア最新型ヘリコプターのインド生産。特に有識者の注目を引いたのは、ロシア国防省内の訓練施設でインド軍人の教練を行う、という合意であった。

インドメディアは、論調を見る限り、プーチン訪問を冷静な受け止め方をしていた。(了)

オバマ米大統領の訪印
1月26日、共和国記念日主賓

オバマ大統領の訪印がインド国民の話題をさらっている。モディ首相の招待に応えたもので、1月25、26日ニューデリーに滞在する。例年、共和国記念日には近隣諸国の元首が主賓として、大統領官邸とインド門を結ぶ大通りの軍事パレードに招かれる。2014年は安倍首相が招かれた。

オバマ氏の訪印は9月のモディ首相の訪米の答礼であるが、こんなに早く訪印が決まると予想していた人は少なく驚きを持って受け止められている。

オバマ大統領の最初の訪印は2010年に行われた。4日間の滞在であったが、 ムンバイに第一歩を印し、2008年のテロ犠牲者の慰霊碑に参り、デリーに来て当時のマンモハン・シン首相と首脳会談を行った。しかしながら、その後の印米関係は目を見張るほどの進展はなかった。

メディアは今回の訪印を大きく扱っている。今のところ、メディアの関心事は先回同行したファースト・レディーが来るか、タージマハールに行くかなど、庶民レベルの興味の対象になっているが、これは国民がフレッシュなモディ氏とオバマの組み合わせに両国間で経済、政治、軍事面でも大きな成果を期待している表れと見ることができそうだ。

ところで、注目すべき新聞報道がある。オバマ大統領訪印の翌週、米国、日本、インドの3国政府関係者の非公式会議がデリーで行われるとのこと。モディ政権になって、このような非公式会議は初めてである。

消息筋によれば、インドは急速に東南アジア、東アジアに勢力を伸ばしてきている中国とバランスを取る意味で、これら地域に日本、豪州、東南ア諸国と連携して、インドの存在を確立することを数か月前から明言しているので、その件が議題になるとしている。(了)

モディ政権の2015年
蜜月は終り真価が問われる年

モディ氏率いるインド人民党(BJP)の2014年は、5月の総選挙に勝利し、モディ政権の誕生を皮切りに、マハラシュトラ、ハリヤナ、最後のジャルカンド、ジャム・カシミール両州選挙にも勝利し万々歳で終わった。

インドのメディアは、モディ首相の7か月の業績に及第点を与えているが、真価は2015年のガバナンスにかかっているとしている。

過去7か月、モディ氏は国民に希望ムードを与え、外遊して世界の大国にインドの存在感を認めさせ、権限を官僚から首相府に取戻したことを高く評価している。しかし蜜月は終わり、2015年は政権の真価が問われる年であり、厳しい目を持って監視していかねばならないとしている。

エコノミック・タイムス紙はモディ政権が乗り越えていかねばならない課題として下記の3点を挙げている。

第一は経済政策面で動きが鈍いことだ。保険分野の外国投資の上限上げ、 資源石炭分野の開放などは上院で野党の反対に会い遅れている。BJP(NDA連立)の上院における議決権数は法案の強行採決をするには十分でない。 法案を通すには、トリマモール会議派や共産党のような少数地域政党の協力が必要だが、一筋縄ではゆかない相手である。議会対策は急務である。  

第二は、どの国の政府も同じであるが、政策は発表があって実行に移される。 モディ政権の「発表・実行」のパーセンテージは危険水域に入っている。

長年止まっている、或は新しい巨大プロジェクトを早急に実行に移すことで、 政府の真剣度を示す必要がある。韓国のポスコ製鉄所プロジェクト、電力改革など、候補は多いが、今実行に移さないと国民の失望は大きくなる。

第三は、モディ政権の広報活動は今のところ大成功と言ってよい。しかし、最近、モディ政権にマイナス・イメージを与えるような発言などが内部から出ている。メディアに誘導されたり、個人的にモディ氏にやっかみを持つ者の発言であるが、国民に誤解を与えかねない。特にインドでは宗教問題は避けて通れない政治問題の一つであるが、答えが無い問題だ。これに捉われてはならない。モディ政権は経済問題に全力を集中することで、国民が実際に生活のレベルアップを実感できるようにし、その成果を国民に向け分かり易く発信することだ。(了)

インド人と働くのは難しい?
議論好き 感情的・・・

エコノミック・タイムス紙に、インド駐在の外国人経営者に聞いた「インド人労働者気質」が自省の言葉で載っているので要点をピックアップする。

@ インド人は何時も遅刻する  多くの外国人経営者は、もうお手上げでインド流になっているとのこと。しかし日本人経営者とドイツ人経営者からは、我慢がならないとの指摘があった。会議では15分遅れ、夕食やパーティーの1時間遅れは普通。 

A 議論好き  インド人のノーベル賞受賞者セン博士さえも、インド人の議論好きは生まれ持ったもので、放っておけば止まるところを知らないと述べている。 会議でも自由に発言させると延々と続き、最終的には政治の話になる、と日本人経営者は述べている。

B 混乱するほど地域性が強い  インドの北部、南部、東部、西部でインド人が持っている言語、文化、風俗習慣が違うので、インド国内で移動した外国人経営者は戸惑うことが多い。インドは簡単に一つの国とは言えない。それだけに巨大外国企業が進出してきても、金太郎飴的なマーケット戦略は通用しない。頭を使えば誰にでもチャンスはある、と指摘する外国人経営者もいる。

C 一つの仕事を大勢で  外国で、一人で出来る仕事にインドでは多くの人手が必要。電球一つ代えるのに、インドでは3人必要。

D 感情的  インド人管理職は部下の勤務評定にプラスだけ載せ、批判的なコメントはしない傾向が強い。悪いニュースはストレートに話さない。

E なかなか相手を信用しない   ビジネスの世界においても、担当者個人の信用を得ない限り上手くゆかない。組織間の信用よりも個人間の信用を重視する。

一旦信用を得ると家族のように扱ってくれる。

インドの顧客は非常に疑い深いが、信用されると忠実な買い手になってくれる。(了)