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作成年月日:2014年8月

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インド情報2014年7月

モディ政権、初の予算案
目標は2〜3年後、7〜8%成長

モディ政権は2014年度の予算案を発表した。2月に前政権が出した暫定予算を修正する位置付けで、モディ政権の本格的な予算は来年度になる。予算案を発表したジャイトリー財務相は2〜3年後に「7%〜8%の成長を取り戻す」スタート・ラインであることを強調した。予算案では財政健全化、外資導入を含めた規制緩和・民営化、インフラ整備、農業分野の強化、若者の技術力向上の分野に予算を重点配分する姿勢を示した。

財政健全化では前政権の2014年度の財政赤字目標GDP対比4.1%を容認したが、原油価格の高騰、少雨のモンスーン、歳入不足が予想され目標達成は難しいかもしれない。15-年度の3.6%、16年度の3%に引き下げる目標も示した。

もし、目標が達成されるならばインフレが収まり、中銀も金利引き下げができ、経済成長復活が期待できる。経済成長が早まれば消費税の早期導入も可能になり、財政健全化が図られると指摘する識者は多い。

外資導入と規制緩和・民営化は財政健全化、経済成長に不可欠なもの。初めて軍事産業への外資参入(49%)が示された。しかし、外資導入には、投資上限を上げるだけでなく、速やかな認可、レッドテープの撤廃、充実したインフラが必要。国公企業の民営化は国庫歳入が増えるだけでなく生産性向上、最新技術の導入が期待できる。

インフラ整備について、予算案は基幹道路整備、高速鉄道、空港、港湾、内陸水路分野に多くの予算を振り分けている。火力発電用の石炭開発、e-ガバナンス、IT分野の充実も重要としている。

農業分野はインド経済のバクボーンとして重点強化するとしている。食糧価格安定基金、農産物の全国的市場の設立、灌漑プロジェクト、農業大学の設立、食糧流通倉庫建設を挙げている。

財務相は若者の技術力向上を図るため「スキル・インディア」というプログラムを発足させるとした。

予算案がビッグバン改革を示さなかったことに失望した識者も多く、市場のリアクションも冷めたものであった。新政権は出来上がったばかりであり、補正予算の性格を持ったものであるので、大きな期待は無理であっただろう。

しかし、消費者物価指数は6%台と落ち着いてきており、卸売物価指数も下がり始めており、今後2回の本予算次第では、「GDP7%台達成」は可能と、モディ政権に期待をかけるメディアの論調は多い。

雇用34%増加、1億2千7百万人に
2005〜13年、8年間で

最近発表された国立統計局の暫定第6次経済調査によると、2005年〜13年の8年間で、インド全土の就業者数は34.35%増加して、1億2千7百7十万人となった。年平均4%の成長率である。

一方、その間の人口増加率は2%。

この統計には農業関係、一般公務員、軍隊、警察は含まれていない。もし、これら分野が包含されると、雇用成長率は下がる。州別でみると、ムンバイを州都に持つマハラシュトラ州の雇用が全国の11.26%を占め最も多い。次いでウッタル・プラデシュ州、西ベンガル州、タミル・ナドゥ州、グジャラート州の順になる。4分の一は女性。調査対象は5千8百47万か所の事業所。事業所数は8年間で41.7%増え、ウッタル・プラデシュ、マハラシュトラ、西ベンガル、タミル・ナドゥ、アンドラ・プラデシュ、5州で48%を占める。

一事業所当たりの雇用人員は8年前の平均2.3人から2.1人に下がった。

このことは労働集約型の事業所が減っていることを示しているとしている。

今次調査で初めて手織繊維、木工事業所が対象に入れられた。

IT産業で男女格差
女性の賃金は33%減

経済団体のNasscomの調査によると、インドのIT産業は一般的に男女格差が最も小さい分野として知られているが、賃金に関しては格差がある。

女性の賃金は男性の3分の2。 男性従業員の平均時給は359.25ルピーであるが、一方、女性は254.04ルピー。女性従業員は全IT分野従業員の約30%を占めている。一般従業員レベルで女性は65%を占めるが、中間管理職レベルで27%、上級管理職レベルで9%となっている。女性従業員の問題点は家庭の拘束が多く長期勤務が出来ないことを挙げている。

インド最大のITソフト企業TCSの広報担当者は「女性を差別したことは無い。タタ・グループは性別、宗教、人種、文化で差別はしない」と述べているとのこと。TCSの場合、従業員30万5千人の内、32.7%が女性。

NasscomはインドのIT産業は2015年度6%成長を果たし、新たに18万人の雇用を創出すると予想している。

 

(了)