各国・地域情報

インド

作成年月日:2013年9月

海外情報プラス

会社法改正案成立
大統領署名、発効へ

会社法改正案は2012年12月に下院を通過し、上院で審議されていたが、2013年8月8日、上院で承認可決された。大統領の署名も取得され正式な法律となった。今後新しい法律の施行に必要な規則規定が会社関係省から発表される運びとなるが、もうしばらく時間がかかりそうだ。

新会社法は29章、470条、7表から構成されており、近代の経済状況の変化に対応したものになっている。

新会社法では特に社外取締役、監査法人、企業の社会的責任や、外国企業による印企業の吸収合併などに関する企業ガバナンスの規定が強化されている。

 

スズキ、ホンダが好調
    8月の国内自動車販売

インド経済の減速の中、経済動向を図るバロメーターとして注目されていた8月の国内自動車販売が発表されたが、マルティ・スズキ、ホンダ、現代は前年同月対比プラスとなったが、トヨタ、タタ、マヒンドラはマイナスとなり、明暗を分けた。

マルティ・スズキの場合、昨年8月はマネサール工場の労働暴力事件で生産停止の時であったので比較出来ないところがあるが、51.6%増の76,081台であった。前年は50,129台であった。

ホンダは新型小型車のアメーズの健闘もあり、63%増の8,913台、現代自動車は28,311台で前年の28,257台に比較し微増、フォルクスワーゲンは4,805台(前年4,410台)で9%増。フォードは8,008台(7,840台)で2.14%増であった。

一方、マイナス成長となったメーカーは国内メーカー代表のタタ自動車で、11,564台、前年の22,311台と比較し48.16%の大幅減となり、同じく国内メーカーのマヒンドラは35,159台(42,826台)で17.9%減、GMは6,673台(7,510台)で11.14%減、トヨタは14.2%減の12,007台(13,995台)であった。

面白いのは二輪車販売で、各社とも成長を示したことだ。リーダーのヒーローが459,996台と前年対比3.64%増、ホンダ・モータサイクルが308,932台で38.77%の大幅増、ヤマハは67.4%増の60,996台であった。TVSは155,532台で0.57%増で、唯一、バジャジが278,583台で8.46%減であった。

新興国の経済を見る場合、公表される統計は実体経済を反映していないという意見がある。インドの場合も表面に表われた統計指数に基づく経済と実体経済では大きな違いがあるとする意見がある。ある識者は贅沢品の自動車よりも一般庶民の必需品である二輪車の販売統計を見ると、その時点での実体経済が分るとしている。この説に従えば、現状は、ミニバブルは消えたが、一般庶民の実体経済はまだ健全であると言えるのではないか。

 

ボーイング787の就航延期
    エアインディア デリー〜東京路線

消息筋によると国営航空のエアインディアが計画していたボーイング787、ドリームライナーのデリー〜東京路線の就航は6月初めの予定から大幅に遅れている。原因は日本の航空監督当局から要求されていたB―787S機の機体変更工事の詳細をエアインディアが提出していないからとのこと。

従って、同型の機体を使用する予定であったデリー〜香港〜大阪、デリー〜香港〜ソウル路線にもB−787Sは就航出来ない状態だ。

現在、このルートにはB777−200LRが就航しているが、燃費が高いため赤字路線となっている。B−787Sを使用した場合燃費を20%節約出来るという。

エアインディアは現在、B−787ドリームライナーを7機保有しているが、更に7機が12月に加わる。合計でB−787を27機発注している。

 

インドの経済減速不透明に
     ルピー、対米ドル最安値

インドルピーは史上最安値を2日連続で更新した。28日は1米ドル=68.80ルピーであった。

統計局の発表によると、2013年4月〜6月のGDP成長率は、この4年間で最低の4.4%であったが、1月〜3月の成長率、4.8%より更に下がった。

政府は、2012年度に10年ぶりに5%と下がった成長率は2013年度には6%台に上昇する、としてきたが、その達成は難しくなった。

シン首相は、30日、国会で「8%成長に戻す努力を諦めていないが、13年度は5.5%成長になるだろう」と述べた。この5.5%達成も難しいとみる向きは多い。3月の予算編成時に13年度のGDP成長率は6.1〜6.7%と予測したばかりであるが、6か月もしない内に下方修正したことは、中銀の利下げなどの政府の景気持ち直し対策が効果を表しておらず、ルピー安によるインフレ懸念が強くなり、政府としても難しい経済政策のかじ取りを迫られている。

ルピー安を受けて、輸入に80%依存しているガソリン、ディーゼル価格が9月1日より上昇した。2013年に入って、1月17日の値上げ以来8回目の値上げ。

物価は上がり始めており、7月の卸売物価は5.79%と4か月振りに5%を上回った。来年度に総選挙を控えている与党コングレス党にとって、インフレ対策と景気回復対策の正念場と言えよう。