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インド

作成年月日:2013年1月

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総選挙を視野に入れた2013年度予算案

2月28日、チダムバラム財務相は2013年度予算案を国会に提出した。

景気後退と財政赤字に悩まされているインド政府が来年の総選挙を控えて、どのような
予算案を提出するか注目されていた。過去5年間、財政赤字が増大してきたインドに対する格付け機関の見る目は厳しく、格付けが引き下げられた場合、外資の逃亡、ルピー安が60年代にまでレベルまで下がり、インフレ率は15%にまで上がることが懸念されていた。

その結果、来年の総選挙では現与党のUPAの惨敗を予想する向きもあった。

チダムバラム財務相の予算案は、来年の総選挙をにらみながら財政赤字の改善を図るという難しい使命を持った予算としてはぎりぎりの線を保ったように見える。特に裕福層や優良企業にターゲットを絞った増税は財源確保と同時に有権者の大半を占める農村や都市部の貧困層にアッピールする選挙対策として一石二鳥の効果を狙ったようだ。

歳出は16%増の16兆6529億ルピーとして、3年ぶりの増額を提示した。歳出増で目立つのは農村向けの46%と女性児童向けの18%。これだけ見ても女性票と農村票を取り込む狙いがあるとみられ、総選挙を視野に入れた予算案と見る向きは多い。

予算案発表前、市場は緊縮財政を予測していたが、積極財政は想定外であったようだ。28日のムンバイ証券取引所のSENSEX指数は2%安であった。

2013年予算案、富裕層増税で財源確保

2月28日、国家予算案と同時に税制改正が発表された。今年度の改正は小規模なものとなっており、多国籍企業が関心を持っている移転価格についての改正はなかった。注目を引いたのは財源確保として富裕層を対象に所得税率が従来の30%から33%に、年間純利益が1億ルピー超の企業の法人税が1%弱増税されたことだ。

主な改正点は下記の通り。

1. 課税所得が1億ルピーを超える内国法人に対する付加税率が5%から10%に引き上げ

2. 配当分配税に係る付加税率が5%から10%に引き上げ

3. 租税回避行為否認規定(GAAR)は15年4月1日から適用

4. 外国法人に支払うロイヤリティ又は役務提供に係る源泉徴収税率が10%から25%に引き上げ

5. 製造業者への投資インセンティブの導入 ―製造業者が2013年4月1日から2015年3月31日までの間に10億ルピー超の工場の新築又は機械の導入をした場合には、その投資額の15%相当が所得控除される。

6. 不動産取得の際の1%源泉徴収義務の導入

7. 課税所得が1千万ルピーを超える個人に対する10%付加税の導入

1月、8主要産業の成長率僅かながら上昇

2013年1月の原油生産、石油精製、石炭、電力、セメント、鉄鋼を含む8主要産業の成長率は3.9%であった。前年同月の2.2%対比伸びを示した。しかしながら、2012年4月〜13年1月期の伸びは3.2%で、前年同期の5%対比落ち込んでいる。 2012年11月は1.8%、12月は2.6%であり、前年度の7.8%、4.9%から落ち込んでいる。

 

以 上