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インド

作成年月日:2012年10月

海外情報プラス

シン首相、大臣人事を刷新
若手を登用

シン首相は10月28日、大臣評議会の人事異動を実施した。 重要職では、クリシュナ前外相の後任にクルシド前法務相が転任。チダンバラム財務相、シンデー内相、アントニー国防相は留任した。 全体としては若手の昇格が目立った。大規模な人事刷新は、14年の総選挙前では今回が最後になるとみられており、総選挙を見すえての人事となったようだ。ジョティラディティヤ・シンディア前商工担当国務大臣が電力相に、サチン・パイロット前通信・情報技術担当国務大臣が企業相に昇格した。また、マニーシュ・ティワリ国民会議派報道官は情報・放送相に就任した。

しかし、入閣の可能性があるとされていたラフル・ガンディー国民会議派総務幹事の大臣就任はなかった。ガンディー氏は今後、党内の重職に登用されるとみられている。 トリナムール会議派の政権離脱で空席となっていた鉄道相(C.P.ジョーシー陸運・国道相が兼任で代行)にはバンサル前議会相が転任した。このほか、人材開発相にパッラム・ラジュー前国防担当国務相。クルシド前法務相の後任にはアシュワニ・クマール前科学技術担当国務相。石油・天然ガス相にはモイリー企業相が転任した。また、インド映画俳優で元プラジャ・ラジャム党(国民会議派と合併)党首のチランジーヴィ氏が観光相に就任した。


(注)インド政府の大臣職
インド中央政府の大臣は全員が大臣評議会(Council of Ministers)に所属し、果たす職務により以下の3種類に分類される。

(1)閣内大臣(Cabinet Minster)

各省の長で、かつ内閣(Cabinet)の構成員である大臣。本紙では(1)を「〜相」と表記する(例:チダンバラム財務相)。

(2)国務大臣(独立職)(Minister of State [independent charge])

各省の長だが、内閣には属さない大臣。各省の長である点で(1)と変わらないため、本誌では「〜相」と表記する(例:ムニアッパ中小・零細企業相)。ただし、文脈により、下に記す(3)と同様の表記をする場合もある。

(3)国務大臣(Ministers of State)

閣内大臣がいる省で、その補佐的役割を果たす大臣。他の国における「副大臣」に近い。同じ省を担当する(1)の閣内大臣と区別するため、本紙では「〜担当国務相」と表記する(例:ミーナ財務担当国務相)。

 

外国直接投資の流入、60.4%減
4〜8月、82億米ドル

商工省産業政策推進局(DIPP)が30日付で発表した統計によると、インドに対する外国直接投資(FDI)の流入額(株主資本のみ、以下同じ)が2012年4〜8月の合計で81億6,600万米ドルとなり、1年前(11年4〜8月)の206億3,300万米ドルに比べて60.4%減少した。主因は、@印経済成長が鈍化し、投資の期待収益率が低下した、A海外の景気減速や金融市場の混乱を受けて、外国企業の資金調達が難しくなるとともに、投資に伴うリスクを回避する傾向が強まった、B印ファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)の悪化や政府による政策立案・遂行の混迷、改革の停滞を背景として、海外のインドに対する信頼感(コンフィデンス)が悪化し、外国投資家は印国内への資本投下に消極的になった、など。

12年4〜8月の内訳を見ると、投資元の上位5カ国は、@モーリシャス(25億3,300万米ドル)、A日本(11億6,300万米ドル)、Bシンガポール(9億6,100万米ドル)、Cオランダ(9億2,300万米ドル)、D英国(5億7千万米ドル)、の順。また、投資先の上位5産業は、@サービス(22億8千万米ドル)、A自動車(6億1,700万米ドル)、B建設・住宅・不動産・インフラ(6億100万米ドル)、C金属(5億9,500万米ドル)、D医薬品(4億8,700万米ドル)、だった。

なお、12年1〜8月を合わせたFDIの流入額は140億900万米ドル。前年同期(11年1〜8月)の259億7,700万米ドルと比較して46.1%減っている。

財政赤字、20%増
4〜9月

 財務省の歳出局会計収支検査部(CGA)が10月31日付で発表した「中央政府勘定(暫定値)」によると、2012年4〜9月合計の財政赤字(歳出>歳入)は3兆3,690億4千万ルピーとなり、1年前(11年4〜9月)の2兆8,081億ルピーに比べて20.0%増加した(下表参照)。補助金や利払い費などの非計画支出が前年同期比16.6%増、計画歳出が同14.0%増にそれぞれ膨らんだため。個人所得税や法人税に関する還付額の大幅な減少や物品税・サービス税率の引き上げなどを受けて、税収(還付金を除いたネット・ベース)が同15.3%増へ続伸し、歳入は同12.2%増と二ケタ台の伸びを示したものの、拡大幅で歳出(9,492億6千万ルピー増)が歳入(3,883億2千万ルピー増)を大きく上回った。

財務省は3月16日に公表した12-13年度(12年4月〜13年3月)の国家予算で、同年度の財政赤字を5兆1,359億ルピーと見積もり、名目国内総生産(GDP)比では11-12年度(11年4月〜12年3月)実績の5.8%から5.1%へ削減する目標を設定したが、12年4〜9月の実績は6カ月間で既に同見積もりの約3分の2(65.6%)に達している。そこで、チダンバラム財務相は10月29日、12-13年度について、財政赤字の削減目標を名目GDP比で5.3%へ0.2%ポイント引き上げた(5.3%−5.1%=0.2%ポイント)。しかしながら、経済成長の鈍化が先行き税収の減速をもたらすと見られる一方、食糧や燃料向け補助金への支出が予算計上額を顕著に超過する可能性が濃厚であるところから、11-12年度に続いて、2年連続で財政赤字が削減目標を突破する公算が高まっている。

 

 

マルチ・スズキ、5.4%減益
マネサル工場暴動が影響

マルチ・スズキは10月30日、2012-13年度第2四半期(12年7〜9月)の決算(速報値)を発表した。第2四半期の営業収入は前年同期比8.5%増の807億110万ルピー、純利益は5.4%減の22億1,530万ルピーだった。

7月にハリヤナ州マネサルの同社工場で労働者の暴動が起き、その後しばらくの間、特にディーゼル仕様車が減産になったことが利益に影響した。 値引き競争の激化や為替相場も不利に働いた。同社のアジャイ・セツ最高財務責任者は、「1台当たりの値引き額は1万4,750ルピーと過去最高。前4四半期は1万2,600ルピーだった。為替相場の影響は売上高の2.1%。値引きの影響は1%。このうち2%はコスト削減と値上げで補ったが、なお売上高の1.1%の影響が残った」と説明している。