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インド

作成年月日:2012年9月

海外情報プラス

今年度の成長率、5.5%へ
スタンダード・アンド・プアーズ

米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は24日、2012-13年度(12年4月〜13年3月)の印実質国内総生産(GDP)成長率を前年比5.5%と予測した。従来の見通しである同6.5%から1.0%ポイントの下方修正(6.5%−5.5%=1.0%ポイント)。予測値を引き下げた要因は、@6月に始まったモンスーン(雨季)の降雨量が平年を下回っており、農産物の収穫に悪影響が出ると見られる、Aユーロ圏における公的債務危機の継続と欧州地域の景気後退を受け、同地域向けの輸出が落ち込んでいる、B外国投資家が印政府の政策立案・遂行とインフラの不足に対する警戒の姿勢を強めている、の3点だ。同社はまた、13-14年度(13年4月〜14年3月)の印成長率を前年比6.5%、14-15年度(14年4月〜15年3月)については同7.0%と予想。印経済が次第に回復へ向かうとのシナリオを描いている。

国内乗用車販売台数、0.61%増
9月、大手7社の合計

 インドの国内乗用車販売台数は2012年9月には自動車メーカー大手7社の合計で19万2,424台となり、1年前(11年9月)の19万1,257台に比べて0.61%増加した。伸び率は1カ月前(12年8月)に大幅なマイナス(前年同月比マイナス8.13%)へ転落した後、再びわずかながらプラスに復帰。しかしながら、自動車ローンの金利高やガソリンの高値が続いている上、政府が9月13日にディーゼル燃料の小売統制価格を引き上げており、成長の鈍化やインフレ率の高止まりなど印ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の悪化に伴い、消費者のセンチメントが弱気に傾いている点も加わって、乗用車への需要は引き続き低調に推移した。
  メーカー別では、数字が報告されている7社のうち、販売台数が1年前を上回ったのは業界最大手のマルチ・スズキ(MSIL)と、販売ランキングで前月の4位から3位に躍進したマヒンドラ・アンド・マヒンドラ(M&M)の2社のみ。残る5社では前年割れした。増加を記録した企業のうち、MSILはマネサル工場の生産再開で出荷が回復。M&Mについては、ディーゼル・エンジン搭載のスポーツ多目的車(SUV)などが売上をけん引している。メーカー別の販売台数と変化率は下表の通り。

マルチ・スズキ、労働者の給与引き上げ
今後3年で70%増

 マルチ・スズキは労働組合に労働者の給与引き上げ案を提示し、組合側もこれを受け入れた。
  今回の給与引き上げ案は、労使双方の代表からなる委員会が原案を作成し、会社側と組合側で約40回にわたる交渉を重ねた末、合意された。給与に関する労使の合意は約3年ぶりとなる。引き上げ案によると、会社側は労働者の給与を平均で1万5,800ルピー、現在の水準から約70%引き上げる。引き上げは今後3年間に段階的に実施される。そのほか、労働者は2万ルピーまでの無利子個人貸付が受けられる。また、技術者の訓練期間を3年から2年に短縮する。引き上げ案は、グルガオン工場、マネサル工場の労働者に適用される。
  マルチ・スズキのマネサル工場では、7月18日に労働者による暴動が発生し、同社の人事担当部長が死亡する事件が起きた。暴動後、同社は暴動に関与した労働者を解雇する一方、これまで契約労働者として雇用されていた労働者を正規労働者として雇用し直すなど、労働者の待遇改善を進めていた。

スズキ、8月の海外生産17%減少
インドの労働争議など響く

スズキは2012年8月の四輪車生産に関する統計を発表した。
8月の日本国内生産は、輸出向けが減少したことで、前年同月比7.1%減の8万82台にとどまり、13カ月ぶりに前年を下回った。一方、海外生産は、インドの労働争議による生産減少が響き、同16.9%減の9万9,619台と低調、2カ月連続で前年を下回った。この結果、8月の世界生産は同12.8%減の17万9,701台にとどまり、7カ月ぶりに前年を下回った。
1〜8月累計の国内生産は、前年同期比28%増の73万3,230台と二桁増加。一方、累計海外生産は同0.2%減の121万9,790台とわずかに落ち込んだ。この結果、累計世界生産は同8.8%増の195万3,020台だった。

高裁で保留・係争中の裁判、430万件
法務省資料

インドも米国と並んで「訴訟好き」の国民と知られているようだが、判決を受けるのに10以上の年月がかかることは常識化している。訴えることにより紛争を一時的に棚上げすることが出来るので、特に家族間の相続争いなどの「解決方法」として多く利用されている。
  全国の高裁で保留または係争中の裁判が合計で約430万件に上っている。
情報公開法に基づく資料請求で明らかになったもので、法務省の資料によると、2011年12月現在、全国の高裁で保留または係争中の裁判は合計で432万2千件。高裁別にみると、保留または係争中の裁判件数が最も多かったのはウッタルプラデシュ州のアラハバード高裁で約100万件、これにマドラス高裁の46万件、ボンベイ高裁36万件、カルカッタ高裁34万件が続いている。
政府は昨年、議会において、下級裁判所を含む全国の裁判所での保留または係争中の裁判が3,200万件に上ることを認めている。

グーグルのインド事務所、米以外では最大
毎月広告7億5千万件

ハリヤナ州グルガオンをはじめインドの3カ所に拠点を持つグーグルのインド事務所は、毎月7億5千万件の広告を処理しており、米国以外では同社世界最大の事務所になっている。
  グーグルのインド事務所は、技術部門を担当するバンガロール事務所と、世界中からの広告を処理するグルガオン事務所とハイデラバード事務所の3カ所からなり、従業員は合計で約1千人。これはグーグル全体の従業員数の約5%にあたる。
アリジット・サルカル・インド事業ディレクターは「インド事務所は2005年初め、非常に小規模の事務所としてスタートし、その後拡大を続けている。インド事務所がなかったら、グーグル自体、今のような成長はなかっただろう。現在、インド事業は約40の言語で毎月7億5千万件の広告を処理している。世界中でのグーグルへの広告主数は約200万社で、インド事業はそのうち約50%に携わっていることになる」と話す。
  インド事務所にはグーグルの世界中からの広告が行き交う。米大統領選挙のオバマ、ロムニー両陣営の広告もインド事務所を経て、グーグルのサイトに掲載されているという。

以 上