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インド

作成年月日:2012年1月

海外情報プラス

2011年/インド経済・金融の10大ニュース

第1位:ルピー、史上最安値を更新

 ルピーの対米ドル相場は12月15日、日中の取引で1米ドル当たり54.31ルピーを付け、4日連続で史上最安値を更新した。ユーロ圏の公的債務危機について、解決に対する悲観的な見方が再び浮上し、インド国内でも景気の減速が鮮明になる中、外国機関投資家の間で印株式を売却し、安全通貨へ逃避する動きが加速。国内の輸入企業も貿易収支の赤字幅拡大を受けて、一層のルピー安を予想し、米ドルの手当てを急いだ。

第2位:株価、年間で25%下落

 ボンベイ証券取引所の代表的株価指標であるSENSEX指数は12月30日、終値で15,454.92ポイントを付け、1月3日の20,561.05ポイントから24.8%下落して、11年の取引を終了した。下げ相場の主因は最大の印市場参加者である外国機関投資家が3億5,780万米ドル相当の株式を売り越したこと。同投資家はユーロ圏の公的債務危機や米国債の格下げを受けて、リスクの回避傾向を強め、国内景気の減速に直面するインド株を手放した。

第3位:準備銀、合計で2.25%の利上げ

 インド準備銀行(中央銀行)は11年、7回の連続利上げを実施し、代表的政策金利であるレポ金利を合計で2.25%ポイント引き上げた。現在の水準は8.50%。同行は10年中も1.50%ポイントの利上げを行っており、累計の金利引き上げ幅は3.75%ポイントに達している。需要面からの物価上昇圧力を緩和し、インフレを抑制する狙いだが、国内景気の減速が鮮明になってきたところから、12月16日の政策決定会合では利上げを見送った。

第4位:インフレ率、9%台で高止まり

 代表的なインフレ指標である卸売物価指数の上昇率は11年11月には前年同月比9.11%となり、12カ月連続で同9%を上回る水準に高止まりした。中央銀行は大幅な利上げでインフレの鎮静化に努めてきたが、食料価格が供給不足から高騰。国際的な原油価格の上昇を受け、石油製品も値上がりした。

第5位:成長率、9四半期ぶりの低水準

 11年7〜9月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比6.9%となり、世界的な金融危機と同時不況に見舞われた09年4〜6月期以来、9四半期ぶりの低水準にとどまった。インフレ率の高止まりによる所得の目減りと大幅な金利の上昇を受け、製造業の成長率が同2.7%と低迷。設備投資の伸び率は同(-)0.6%と、マイナスに転落した。

第6位:鉱工業生産、2年4カ月ぶりの減少

  2011年10月の鉱工業生産は前年同月比5.1%減少し、09年6月以来、2年4カ月ぶりに1年前の水準を下回った。特に資本財の生産は同25.5%減と急激に縮小。製造業の同6.0%減に加え、鉱業も同7.2%減と落ち込んでいる。

第7位:財政赤字、削減目標の達成は困難に

 中央政府の財政赤字は4〜11月の合計で前年同期比1.9倍に拡大した。税収などの歳入が見込み通りに伸びない中、補助金の支出が膨らんでいるため。名目GDP比は4〜9月で6.7%に達し、今年度(〜12年3月)の赤字削減目標である同4.6%は達成が困難な情勢だ。

第8位:対外的な貿易・経常収支、赤字のファイナンスに懸念の声

 貿易収支の赤字は4〜11月の合計で1,168億3,607万米ドルに達し、前年同期から25.6%増加した。同収支の赤字幅拡大を主因として、経常収支の赤字は4~9月期に名目GDP比3.6%へ膨張。外国資本の流入が細る中、経常赤字のファイナンスに懸念の声が出ている。

第9位:総合小売業への外国直接投資、解禁が頓挫

 内閣は11月25日、複数ブランドを扱う総合小売業に対する外国直接投資を解禁すると決定したが、野党のみならず、連立与党内からの強い反発を受け、12月7日に保留を発表した。銀行や保険、年金など金融分野の改革も、関連法案の成立にめどが立っていない。

第10位:預金金利、自由化が完了

 インド準備銀行(中央銀行)は10月25日、銀行が提供する貯蓄預金の金利を自由化すると決定した。12月16日には非居住者ルピー建て預金の金利決定も自由化。預金金利の自由化が完了した。貸出金利については、10年7月に自由化手続きが完了している。