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インド

作成年月日:2011年9月

海外情報プラス

インドの消費者市場

外食産業が伸長

 

外食人口が増加 特にピザ・レストランが人気

 

 外食をするインド人の割合が増えている。所得水準の向上、共働き夫婦の増加などが要因のようだ。メディア会社の米スターコム・メディア・ベストの2010年度の調査によると、インド各都市の外食人口の割合はムンバイ63%、バンガロール53%、ニューデリー44%だった。アーメダバード85%、コチ59%など、大都市圏以外の中都市の数字も高かった。スターコム社は、「外食の習慣があるインド人は、月に23回は外食をする」と指摘している。インド料理「パンジャビ・グリル」や欧米料理 「フレスコ」を運営する飲食チェーン「ライト・バイド・フード」のブルマン会長は、「消費者は高級レストランではなく気軽に外食できるレストランを求めている」と話している。「ピザ・ハット」や「ケンタッキー・フライドチキン」を運営するヤム・レストランのマーケティング担当のカタリア氏は「インドの娯楽は映画観賞か外食に限られており、映画館に足を運び、その前後に外食をするインド人が増えている」と話している。カタリア氏の指摘は、インド人・家族のレジチャーに関する現況を的確に表していると言える。

 12億の人口を抱えるインドでは、特に外食産業に関しては、ピザ・レストランが人気のようだ。現在のピザ市場トップはジュビラント・フードワークスが運営する「ドミノ・ピザ」でシェア45%。同社は数年前に35ルピーのピザを発売している。他にも「ピザ・ハット」や「オム・ピザ」、「シカゴ・ピザ」などがあり、「ピザ・ハット」はセット・メニューが99ルピーからと低価格で展開している。コンサルティング会社テクノパークのカプール氏は「各企業の低価格戦略が功を奏し、ピザ・レストランで外食する中間層が増えている」と話している。「ドミノ・ピザ」はオンライン上での注文サービスを開始、「オム・ピザ」は13年までに100カ所、「カリフォルニア・ピザ・キッチン」は14年までに1025カ所のレストランの新設を発表している。

 

ピザ・ハットでアルコール販売 画期的な試み

 

 ピザ・ハットは全店舗でアルコールを販売提供する。社会的にアルコール・アレルギーが強いインドで、外食レストランでアルコール飲料を販売提供することは画期的なことだ。

 現在デリーの2店舗とバンガロールの5店舗で試験的にアルコール販売を開始、順次店舗数を拡大していく方針とのこと。同社は201010月に酒類販売の許可を申請していた。

現在の店舗数は34都市120カ所。マーケティング事業責任者のバシン氏は、「15年までに16都市に6080カ所の店舗を新設予定で、特に中小都市圏への出店を強化する。ピザ・ハットのイメージを“クイック・レストラン”から“カジュアル・ダイニング”へ転換を図る」と話している。

 

欧米サンドイッチ・チェーンの進出も

 

 ピザ以外の外食産業にも欧米の外食チェーンの進出が目立つ。サンドイッチ・チェーンの米クイズノスはインドに参入する。クイズノス・インドはハイデラバードに第1号店をオープン、ハイデラバード拠点のアポロ・エリクシルとフランチャイズ提携している。初期計画では南部地域に30店舗をオープンする。クイズノスのバラ国際事業担当者は「北部地域でも同様に展開していく。現在フランチャイズ契約先を探している」と話している。

 クイズノスは現在30カ国4千店舗を運営している。うち米国内の店舗数は3,350カ所で、今後米国外への進出を強化するという。バラ氏は「進出国を10カ国増やす。インドの次はロシア、ジャマイカ、スリランカ、フィリピンへの参入を予定している」と話している。

 インドの飲食業界に占めるファストフード店の割合は7%。年間2530%増で利益が伸びている。マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、ドミノピザなどがシェアを占めており、クイズノスはサンドイッチチェーンのサブウェイと競合する。サブウェイは10年前にインドに参入、現在250店舗を運営している。

 

現地企業も負けてはいない パン事業で提携

 

 日用消費財大手のヒンドゥスタン・ユニリーバ(HUL)は小売大手のフューチャー・グループとパン事業で提携する。現在、HULは「モダン」ブランドで、フューチャー・グループは「フレッシュリー・べイクド」ブランドでパンを販売している。共同開発ブランドのパンはムンバイのハイパーマーケット「ビッグ・バザール」の数店舗で発売される予定だ。欧米系でも、米P&Gが英国のスーパー大手、テスコとスナック菓子「プリングルス」の英国特別味を共同開発、共同販売している。P&Gは米ウォルマート、米クロガーとも同様の業務提携をしている。小売業務コンサルタント会社のワジール・アドバイザーの創業者サニ氏は、「小売企業の自社ブランド製品の課題は、安定した供給先との提携だ。HULは品質の高い製品を国内数カ所で生産でき、フューチャー・グループは全土に販売網がある。両社にとってメリットのある提携だ」と指摘している。HULの年間売上高のうち、量販店からの売り上げは10%以上を占める。HULは今回のパン事業の提携で、量販店でのさらなる売り上げ増を狙う。(了)