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インド

作成年月日:2011年3月31日

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シン第2次UPA政権は2014年まで安泰

 2009 年5 月に発足した第二次UPA政権はそろそろ2周年を迎えるが、常に下院の過半数以上の議席を保持し安定した政局運営を続けている。下院の任期は5年で2014年まである。最近二世代通信網のライセンス入札で連立を組んでいる南インド、タミルナド州を地盤とする地域政党DMK党から出ていた通信相の汚職が明るみに出て、通信相辞任、逮捕ということになり、野党はマンモハン・シン首相の辞任を迫っているが、大きく政局が変わることはなさそうだ。     
 第二次UPA連立政権与党は下院(日本の衆議院に当たる)の543 議員の内、263 議員の支持を受けて政権の座に付いている。これに加えて、少数派政党7党と4 人の無所属議員の閣外協力を得ており、支持議員は計320議員で極めて安定している。
 一方、野党はヒンドゥ主義政党のインド人民党(BJP)の116 議席を中核とした国民民主連合(NDA)159議席と共産党を中核とする合計64 議席の第三勢力(Third Front)の2 政党グループに二分されている。これらの野党は、直近の汚職スキャンダルの問題への対応には結束したものの、マニフエスト政策では異なる見解を持っており、今国会で閣外協力の支持政党を離脱させたとしても野党連合が結成される可能性は極めて小さい。

4州の州選挙結果は政権基盤を強化させるだろう

 シン政権は今年(2011年)4-5 月に、タミルナド州、ウェスト・ベンガル州、ケララ州、アッサム州の重要4州の州選挙で信任の試練にさらされる。州選挙は直接、下院の勢力分野に影響を与えることはないが、UPA連立政権の構成党が敗北することになると、中央政界にも波及し、シン政権の存続に影響を与えることは間違いない。
 タミルナド州では、州政権与党はドラヴィダ進歩党(DMK)である。DMKは中央のUPA連立政権に参加しているが、二世代通信網スキャンダルでDMK出身の閣僚が辞任したため、両者の関係は一時不安定な状況にあったが、現在では元の状態に戻っている。UPAの中核党インド国民会議派とDMKは過去7 年間、選挙同盟を結んでいたので、通信相辞任ぐらいでは簡単には壊れるものでなかったようだ。
 同州の主要野党は元首相のジャラリタ女史率いる全インド・アンナー・ドラーヴィダ進歩党(AIADMK)であるが、同党も野党第3勢力であるドラヴィダ復興進歩党(DMDK)との選挙協定締結に失敗し選挙戦略で大きく躓いている。これで、DMK-インド国民会議派連合の勝利が確実になってきたようだ。

ウェスト・ベンガル州で34年の共産党政権が崩壊か

 ウェスト・ベンガル州では、インド共産党マルクス主義派(CPI-M)率いる左翼戦線による34 年に亘る支配が終焉し、UPA連立構成党のトリナムール会議派が率いるUが大差で勝利を収めると予想されている。ケララ州では、通常、2大政治連合の統一民主戦線(UDF、国民議会派が率いるUPAの地域政党)と左翼民主戦線(インド共産党マスクス主義派が率いる)の間で政権が交代している。現政権は左翼民主戦線であるが今回は国民会議派が率いる統一民主戦線が政権を奪回すると見られている。
 アッサム州では、国民会議派が現政権であるが、過半数の議席を取れなくても第1党の議員数は維持するようだ。野党側はインド人民党(BJP)と地方政党のアソム人民会議に二分されているため、三つ巴の選挙戦において国民会議派が勝利する公算が大きいと見られている。特に同州での長年の暴動に対する和平交渉によって、国民会議派の人気が高まることもプラスに考えられる。