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インド

作成年月日:2011年3月4日

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政府、来年度予算案を国会に提出

規模、3.4%増に抑制

  ムカルジー財務相は2月28日、2011-12年度(11年4月〜12年3月)の中央政府予算案を国会に提出した。歳出入の総額は12兆5,772億9千万ルピーで、10-11年度(10年4月〜11年3月)の実績見込みに比べて3.4%の増加(表参照)。10-11年度(実績見込み)の09-10年度(09年4月〜10年3月)実績比18.7%増と比較して、大幅に減速した。実質国内総生産(GDP)成長率が10-11年度に前年比8.6%で着地した後、11-12年度には同9.0%と、4年ぶりに同9%台へ達すると予測しており、インド経済が順調な拡大を続けるというシナリオの下、財政の膨張を抑制し、その健全化に力点を置いたものと言えそうだ。

財政赤字は順調に縮小

  結果として、財政赤字は11-12年度には名目GDP比4.6%となり、09-10年度の同6.8%、10-11年度の同5.1%から順調に縮小する見通し。同赤字は08年10月に世界的な金融危機と同時不況が勃発した後、内需刺激策の実施に伴って、09-10年度には急激な膨らみを余儀なくされたが、危機前の赤字水準へと着実に復帰を進めていく姿が描かれている。

物品税、サービス税税率据え置き

  なお、歳入面では、物品税の中心税率とサービス税率をそれぞれ10%で据え置いた。経済政策を平時の体制に戻す「出口戦略」の一環として、10-11年度に続く引き上げを予想する声も多かったが、@中東地域の政情不安とも連動した原油や食糧など国際的な一次産品価格の高騰、A財政の行き詰まりに直面している一部欧州諸国など先進国の景気低迷、といった成長の下ぶれ要因にも配慮した形だ。

インフラ部門支出23.3%増

 一方、歳出面では、インフラ部門への支出を前年比23.3%増やし(歳出額:2兆1,400億ルピー)、持続的な高成長を実現するための基盤整備を進めるとともに、教育や保健衛生を含む社会政策への割当を同17.0%増の1兆6,088億7千万ルピーに増加させ、国民生活の底上げにも焦点を当てている。

2011-12年度予算案の概要

(億ルピー)
年度 09-10
(実績) 10-11
(実績見込み) 11-12
(原案)
  1.経常収入(2+3) 57,281.1 78,383.3 78,989.2( 0.8)
  2.税収 45,653.6 56,368.5 66,445.7( 17.9)
  3.税外収入 11,627.5 22,014.8 12,545.3(-43.0)
  4.資本受取(5+6+7) 45,167.6 43,274.3 46,783.7( 8.1)
  5.ローン返済収入 861.3 900.1 1,502.0( 66.9)
  6.その他収入 2,458.1 2,274.4 4,000.0( 75.9)
  7.借入金等 41,848.2 40,099.8 41,281.7( 2.9)
  8.歳入総額(1+4) 102,448.7 121,657.6 125,772.9( 3.4)
  9.非計画歳出(10+12) 72,109.6 82,155.2 81,618.2( -0.7)
  10.経常歳出 65,792.5 72,674.9 73,355.8( 0.9)
  11.うち利払い 21,309.3 24,075.7 26,798.6( 11.3)
  12.資本歳出 6,317.1 9,480.3 8,262.4(-12.8)
  13.計画歳出 30,339.1 39,502.4 44,154.7( 11.8)
  14.経常歳出 25,388.4 32,692.8 36,360.4( 11.2)
  15.資本歳出 4,950.7 6,809.6 7,794.3( 14.5)
  16.歳出総額(9+13) 102,448.7 121,657.6 125,772.9( 3.4)
  17.経常赤字(11+14−1)
  (GDP比、%) 33,899.8
  (5.2) 26,984.4
  (3.4) 30,727.0
  (3.4)
  18.財政赤字{16−(1+5+6)}(GDP比、%) 41,848.2
  (6.4) 40,099.8
  (5.1) 41,281.7
  (4.6)
(注)11-12年度のカッコ内は前年比伸び率、%
(資料)財務省