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作成年月日:2016年3月7日

海外情報プラス

海外情報−中国2月分

作成者:中国 上海 佐藤 忠幸
分野:人事・労務、その他(企業経営)

子会社管理

2月に東京都にある商社Aを訪問し、上海の子会社Bの経営管理についてご相談を受け協議した。主な内容は、B社の社長や副社長などの高級幹部がものを決められない。決断できないことの改善をどうするかである。

上海のB社は、一昨年から昨年にかけて管理監督者研修を行ない、公平公正な人事賃金制度も改定した。これらにより知識も意欲も増したことは確かである。しかも、人事制度改訂に合わせて人事異動と格下げや抜擢などを大胆に行ない、やっとまともな会社となった。

しかし、社長など高級幹部が新任者も含めて経営者としての行動が伴っていないという課題が目立ってきたというわけである。

A社との協議では、その為の研修を追加しようということとなったが、具体的にはB社との協議に一任された。

親会社は方向を示すのみ

上海の子会社Bは製造販売会社であるが、親会社のA社は冒頭に示した如く商社であり、製造方法や工場管理は教えられない。しかし、A社は、B社については気になることは全て「指導」してきた。これは、中国で唯一の子会社であり、将来を期待してのことである。

しかし、その指導は現場の向かうべき方向や重心がズレていることも多々あった。しかし、歴代の担当役員は指導したという実績重視で細部にまで「口先介入」を続けてきた。結果は介入すればするほど経営内容は悪化した。現地と遊離した指導が続いたからである。

2年前に変わった海外事業担当取締役は「人材の現地化」を徹底することとした。その為にB社社長(中国では総経理という)も外部から適任者(工場経験者)を採用し、前記のごとく幹部教育や制度改定に費用をかけることを承認したのである。

あくまでB社からの提案であり、A社は承認するだけ。最近は更に進化し、A社は方向を示すのみであり、それに沿った具体的な経営はB社の幹部に一任している。

もちろん、大きな変更事項や高額投資については、株主総会や役員会の機会を通じて親会社としての責任は全うしている。

具体策は現地子会社に任せる

親会社は見ているといっても、あくまでも間接的に日本から見ているだけある。毎日・毎時間現場で見ている者の判断とは異なるのが当然である。

数カ月に一回訪問し見るだけで細部まで口出ししたのでは、現地法人経営者のヤル気を削ぐだけでなく間違った指示が出ることも多々ある。それも良かれと思って出したことが逆効果になっていることが多いのである。

A社役員は、B社の高級幹部に対する教育の必要性を感じたので、そのことをB社社長に概略を説明し理解させた。

B社はそれを納得し、誰を対象とするか、何を学ぶか、いつ学ぶかと具体的な内容を考えコンサルタント会社と協議し、研修計画全体を作成し、実施した。

全てを同様に進めることで決定が早くなったことはもちろん、決定が3現主義(現場・現実・現物)に則した内容と変わりつつある。これからは、3即(即時・即座・即応)、3徹(徹頭・徹尾・徹底)も導入し、根本的にB社を生まれ変わらせたいと改革が始まった。

考えられる幹部に育てる

親会社の最大の責任は、子会社を直接経営することではなく、任せられる社長を派遣し、その者を中心として経営させることである。

A社、B社の様に、親子で性格が異なる経営をしなければならないときなどで、適任者が社内に不在で派遣できなければ、中途半端な者を派遣せず、外部から適任者を採用し、親の期待に沿った経営をさせるべきである。

そして、最も難しいことは、親会社すなわち投資者の期待に応える経営をできる幹部を育てることである。現地でこの期待にそえる人材を採用することは不可能であり、自社で育てるしか方法は無いのが中国の現実である。

それが出来る社長を派遣し、教育できる研修制度と予算、そしてその結果を評価できる人事制度の構築は、親会社が主導して途を付けなければ現地だけでは出来ないだろう。

 

以 上