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作成年月日:2013年12月8日

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海外情報−中国11月分

作成日:2013年12月8日
作成者:中国 上海 佐藤 忠幸

システムの導入圧力で改革を

上海の電子機器製造業B社より、ERPシステムの導入に関して現状の問題点のご相談を受けた。ソフト会社お仕着せの管理システムに乗っかってしまおうという、危険なやり方である。

本来は社内でエクセルなどを使ってのシステムを固め、それを繋ぎ合理的に流すシステムを導入すべきであるが、既成のシステムソフトに乗っかることで会社改革を進めようという決意である。中国ではそのような逆の発想でシステムを導入することもあるのだという事例である。

ERPとは企業資源計画のこと

ERPとは、Enterprise Resource Planningの略称であり、企業資源計画のことである。企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念のこと。これを実現するための統合型(業務横断型)ソフトウェアを「ERPパッケージ」と呼んでいる。ERPはMRP (Material Requirements Planning)すなわち資材所要量計画) から派生した名前である。ERPが一般的に扱うものは企業における製造・物流・販売・調達・人事・財務会計であり、ERPパッケージはこれらの基幹業務に関する業務活動の情報管理を支援するものである。

昨今では中堅・中小企業向けのERPソフトウェアが各社より活発にリリースされており、ERPソフトウェア市場は拡大と激しい競争をしている

ERPは各資源の結合・統合のためのもの

個々の経営資源・経営管理のためには会社の性格や規模・管理水準などに応じた自社独自のシステムを各社は持っている。既製品ソフトの活用もあればエクセルなどで簡単に作ったものもある。そして毎年のように変えて発展成長させているのが通常である。これがある程度固まったと判断した場合、それらを結合・統合しさらに合理的なものを求める。これがERPの本来の姿であろう。

ISOに振り回される会社と同じことをするな

ISOの認証を受けている会社でも「ISO認証」は看板だけという会社が中国には多い。品質管理や生産管理に対する意識がゼロ、コンサルタント会社の言いなりで既成の管理手法をISO本部に届け出てそれに振り回される会社が多い。結果はISOに振り回されるのが嫌で、その制度をお蔵にしまいこみ審査の時だけ取ってつけたようにそれに従ったようなフリをしてその場を逃れ、「わが社はISO認証を受けています」という看板だけを掲げて済ます会社も多い。ISOは、届け出たシステムや制度は改訂・変更手続きはいつでもできる、横着してその手続きをせずお蔵入りさせているのである。コンサルタントを改訂変更手続きのために振り回せばよいのである。

しかし、ERPは活用しなければシステム代金を捨てるだけでは済まない。大きな混乱が生じその終息には時間と費用が莫大であることを自覚すべきである。

ERPに振り回されるな!

「わが社の管理手法はこうである」という固い信念が無い状態でERPを導入した場合、導入したERPシステムに振り回されてしまう。

特に製造系は、前述のMRP (資材所要量計画)から導入し幅を広げてERPに到達した場合は問題が少ないが、いきなりERPを導入した場合に問題が多い。簡単に導入できる格安ソフトは会計が中心であり、生産管理の基本中の基本であるMRPのシステムは、パッケージには入っていない。MRPは既に導入している前提であり結合することしかできない。あくまでも情報管理支援システムである。オマケとして会計や財務ソフトがついている場合もあるが、MRPなどの高価なソフトは当然オプションであり、安価なものは変えられない既製品である。

結果はソフトに振り回されることになる。振り回されるのが嫌なら「わが社の管理手法はこうである」というものを作ってからERPの導入をすべきである。

B社は振り回されることを利用

B社は、3年前から改革に挑戦してきた。様々な教育を行い、各種制度も一新し会社は見た目では目覚ましい進歩を遂げてきた。

しかし、内実は旧態然とした昔どおりである。営業は相変わらず見込み受注ばかり、それで材料の過不足が出ても誰も責任を取らない。在庫と発注残との関係、在庫と生産計画の関係など本来MRPで固まっているはずのことが何もできていない。

しかし、品種が少ないのでMRPソフトなど購入しなくてもエクセルなどを使ってできることばかりである。 しかし、社内にその知恵を出せるものはいないし、工夫をしようという意欲もない。このままでは永久に現状を脱することはできないので、既成のシステムに乗っかること、すなわち外部圧力で改革のステップアップの一つにしたいというのがB社社長の決意である。

第一段階としてはやむなしと判断した。

現在は、1月からの本格稼働を目指して、強引に各種システムの変更をしながら導入を進めている最中である。

 

以 上