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中国

作成年月日:2011年12月5日

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中国の保安警備のあり方について

 中国における日系企業の悩みの一つは、盗難事件である。
 そのため、何処も警備(守衛)員を雇い、監視カメラを随所に設置している。
 上海郊外のK社も、6人の守衛員を雇い、24時間365日監視をしている。要所には数十台の監視カメラを設置しているが、盲点はある。11月初旬、工場棟のトイレ窓から賊に侵入されパソコンその他多数の品物が盗まれるという事件が起こった。

<事件の概要>
1. 日曜日の夜間に賊が侵入し、製造事務所のパソコン3台、42インチ液晶TV1台、プリンター1台、そして、倉庫の大型部品18箱(重量約450Kg)、その他(総重量約700Kg)が盗難に遭ったことが月曜日に皆が出勤して発見された。
2. 実際の被害内容は、3日経った今でもまだ不明。
3. 被害に遭った所は、警備の手薄な工場棟。事務棟および道路からは陰になる部分のトイレの窓を破って賊が侵入した。
4. 監視カメラはあるものの、当該場所は通常カメラであるため、夜間は映らず全く機能していなかった。
5. 盗難に遭った物の重量から考えると、自動車がなければ運び出せない。自動車は守衛室の前を通る以外に道はないが、守衛は全く気付いていない。
6. 直ちに、警察を呼んだが、被害額が(上海の企業としては)小さいことから、「関係者が内部にいるのでは?」と言って熱心に捜査してくれない。

<総務担当者の再発防止策(案)について>
対策内容は下記の通り。
1. 出入り口の監視カメラを増やす。
2. 動くものを赤外線で感知したら照明が点くようにする。
3. 窓に鉄格子をはめる。
4. 夜間守衛員を2名増やす。
5. 警察警備システムを導入し、異常があれば警察に来てもらえるようにする。

<見直し対策案>
  総務案では、犯罪を防止できないと考えられ、次の8項目を直ちに行うべきである。
1. 信用のおける、知名度の高い警備保障会社(出来れば日系企業)と契約し、そこに任せる。
2. 警備保障会社が警備しているというステッカーを目立つ所に貼り、賊が入り難く、社員の出来心を防ぐ。
3. 現在の守衛員は、夜間は会社構内に入れないようにする。
4. 現在の監視カメラシステムは撤去し、警備保障会社に任す。
5. 守衛室の入出門チェックルールを作り徹底させることにより、守衛員の出来心を防ぐ。
6. 出退勤・鍵管理に関する規定を作り、保安・防犯意識を高める。
7. 5S運動を行い、整理・整頓を徹底して、盗んでも直ぐには見つからないだろうという「出来心」を防ぐ。
8. 事件の詳細を、全社員に直ちに発表し注意を喚起する。同時に、会社が強い関心を持っていることを知らせることにより、社員の「出来心」を防ぐ。

<解説>
1. 中国の泥棒は臆病であり、安全を確認できなければ会社には侵入しない。盗難に入るということは、仲間の誰かの指導・誘導があり安全に侵入できるということが確信できたからと言える。
2. 泥棒の仲間は、退職した元社員か守衛員が一般的である。場合によっては警察内部にもいる可能性がある。とにかく、下手な守衛員は泥棒の誘導員となり得る。したがって、犯罪者とつながり難い外資系警備保障会社と契約することが確実である。
3. 素人考えの監視カメラと感知システムは、感知精度を上げれば上げるほど誤動作・誤感知(ねずみ等)による無駄な出動が増え、マヒする。
4. ましてや、警察警備システムを導入しその都度警察の出動を仰げば、叱られるだけである。また、それに頼れば「穴」を探され意味がなくなる。
5. 全社員の保安意識を高めることにより、防犯とともに、犯罪者およびその仲間を作ることへの防止策となる。
6. 整理・整頓を徹底するには5S運動が最も適切である。その根本は「しつけ」である。しつけの徹底した会社に犯罪者は生まれず、「出来心」も防ぐことができる。しつけ教育の遅れた中国では、5S運動は難しいという方もいるが、遅れているからこそ、行うのである。

以 上