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中国

作成年月日:2011年10月

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中国に新会社を設立する為に

 ■資本金は幾ら必要か

 ■事業計画の重要性

 

 上海市で長く日系広告会社に勤めるK氏は、40歳を過ぎた広告デザイナーである。現地採用の限界を考えて退職をした。この転機に中国で独立し会社を設立したいと考えて、会社設立方法を数社のコンサルタント会社に相談をした。最大の問題は資本金が幾らなら認可が下りるのかであり、その指導結果が相談した会社によりあまりにも幅があった。

 

20118月までに相談したコンサルタント会社の資本金に対する回答>
・外資で、非製造業を上海に作る場合は最低40万元(約480万円)必要。

・非製造業を上海に作る場合でも、作り方と所在地登録を工夫すれば10万元(約120万円)でよい。

・その他多数の意見あり。

 

<会社設立は十分な事業計画から(考え方の一例)>

(1)会社を設立する資本金は、政府が云々する前に、自分で考える必要がある。そのためには、まず事業計画を作りそれで必要資本金を見極めるべきであり、これは日本と同じである。政府が設立認可検討するためというよりも、会社創業のために最低限必要なことである。中国政府はこれをF/S(フィジビリティ・サーベイ:可能性調査)として審査資料として要求する。一般的に会社設立してから向う5年間の事業計画である。

 

 ・何を作り、売るつもりか

 ・販売見通しは幾つか?幾らか?

 ・販路はどうやって確保するのか?その費用は?

 ・その為にどういう事務所・工場が必要か?その費用は?家賃は?

 ・従業員はどういう人がどれだけ必要か?
   その毎月の費用は?求人費用は?

 ・設備は何をいつ買う必要性があるか?その費用は?

 ・備品は何をいつ買う必要性があるか?その費用は?

 ・通信費、水道光熱費などの毎月の経費は?

 

などを、月ごとに並べて資金収支を計算し運転資金を割り出す。向う5年間の運転資金と初期投資と合わせたものが必要な資本金である。

 

(2)事業計画がいい加減であると、創業しても直ぐに経営が破綻してしまう。政府の許認可のためにというよりも自分のために必要である。

日系中小企業の多くは、この作成をコンサルタント会社に依頼しているが、その多くは、この内容なら政府が認可するであろうという「作文」である。それはそれで構わないが、自社のためには限りなく現実を見極めたリスクを網羅した事業計画を作るべきである。

 大企業の多くが、会社設立する前に、駐在員事務所を作って市場、販路、コストその他マーケッティング調査を徹底的に行うのはその為である。

 過少の資本金で会社設立し、後年それでは足りないことが分かり増資しようとすると、会社設立手続きと大差ない時間と費用が必要となる。 増資をしないで、借入金で済ませようとしても、資本金によって総投資枠が決り、その範囲でなければ借金もできないので注意が必要である。

 

(3)K氏が相談したコンサルタント会社は、政府が許認可するであろうというガイドラインを教えただけである。設立する会社規模と登記所在地、さらに外資系か中国系かによってもそれは異なる。

 政府がどう考えるかの前に必要なことは、事業計画によって幾らの資本金が必要か、自分で判断しその資金手当てを考えることである。正しい事業計画を基に計算された資本金は、必ず政府も承認するはずである。

 

(4)事業計画すら作れない者は、経営者の資格は無く、創業する資格は到底無い。

 

<対処>

 K氏は、中小企業にて更に数年勤務することとした。

 中小企業とした理由は、より高いポジションで仕事が出来、企業経営とはどういうものか理解をし易く、経営能力がつくからである。

 

<感想>

 経済成長著しい中国なら何でもあり、何でもできるというのは誤解である。誤解をしたまま、安易に会社を作り、破綻する日本人が多いのは心配なことである。