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中国

作成年月日:2011年1月9日

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現地法人の「中国と中国人に対する間違った常識」を廃す

 蘇州市の日系企業(独資)K社は、創業して7年の電子機器製造会社。同社のT社長(総経理)は赴任して8ヶ月。赴任前は日本本社工場の品質管理部長であり、製造経験および管理部門経験はない。したがって、前任の社長が帰任前の6ヶ月間をオーバーラップして前任者から学んだ。
 K社は特殊な機器を作っており、2007年から中国市場をターゲットにして販売活動を行った結果、急速に販売業績が上がり、2008年の金融危機下でありながら毎年前年比30%以上の増産を続けている。しかし、利益率が低いことの改善がなされず、親会社にも工場経営に強い人材がいないことから相談を受けた。

<相談内容>
1 利益率の改善方法
2 社内で恒常的に改善を続けるための幹部教育

<2010年現在の問題点>
  3日間にわたり、会社見学とT社長および管理者との面談で分かった問題点は次の3点。いずれも、「中国と中国人に対する間違った常識」が要因であった。

1 間接要員の比率が異常に高い
 販売原価の分析を行うと、製造費と管理費の比率については問題はない。しかし、製造費の中身が問題である。具体的には、製造間接労務費が直接労務費を上回っていた。
 この原因は、組立時間を減らすためおよび品質問題を避けるための間接部隊の支援体制が異常に膨らんでいたことにある。さらに、その原因は外注工場からの部品不良対策の選別や員数確認時間などが異常にかかっていた。
 「中国の外注工場の品質はこんなものだ」という諦め(間違った常識)が最初からあり、ろくに指導をしていない。また指導する力もなかった。そのため、自己防衛するための部隊が必要となった。少量生産の時期には問題とならなかったが、増産に伴い、その部隊が比例的に増えることにより採算を圧迫した。人員的には直接作業者の方が多くても、間接要員の給与が高いためである。

2 日本人管理者と中国人管理者との間に大きな壁
 11月の報告と同様に、日本人は問題が起こる度に「中国人は何もしない」と嘆き、中国人は「日本人は何でも自分でやり我々に相談しない」と不満を言っている。この原因は、コミュニケーション不足もあるが、「中国の管理者はレベルが低い」という間違った常識を前提としていることが大きい。また、日本人および中国人の管理者意識が欠如していることが主要因。

3 日本人出向者に製造経験者なし
 日本の親会社は開発が中心で、組立の主力は外注委託であるため、製造経験者がほとんどいない。赴任している管理者は、管理部門または開発技術者が中心であり、品質第一にこだわり過ぎ、選別と員数確認ばかり行っているが、それを暫定と考えず根本的な対策を行っていなかった。